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バスケになんの縁もない私が『川崎ブレイブサンダース』のファンになった理由を論文を参考に分析してみた

バスケに全く縁無し、興味無し、接触スポーツするのが苦手で敬遠しがちだったんですが。。。2018年末Bリーグ「川崎ブレイブサンダース」の試合を見て興奮し、即日ファンクラブに入ってしまい、なかなかのファンになりました。で、なんでそんなにファンになったのか、その理由を知りたくなり、論文を参考に分析してみました。

バスケ縁なし⇒がっつりブレサンファミリー

私は小学生の頃から選手・指導者としてずっとテニスに関わってきました。なので!修業の一貫として、チームスポーツをもっと知る必要がある!と考え積極的にチームスポーツの生観戦を始めております。

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で、2018年年末人生初のプロバスケBリーグ観戦したところ、その魅力に脱帽し、即日ファンクラブへ入会。1年半くらいで生観戦回数は20回を超え「川崎ブレイブサンダース」の大事な試合は、旅行がてらアウェイ戦も応援に行くようになっています。

バスケは中学での授業以来関わっていませんでした。試合なんて見たことなかったし、選手も知らないし、まったく興味はなかったんです。

でも初回の観戦で心を掴まれた結果「一匹狼」と言われ群れない私が「川崎ブレイブサンダース」のファンの一員になっております。(この状態を「ブレイブサンダースファミリー」略して「ブレサンファミリー」と言う)


初観戦で掴まれた

観戦初回で心を掴まれた理由を自分なりに思い出してみました。

1回飲み会行くくらいの値段で、選手を間近で見られた(野球とかサッカーと比べるとめちゃ近い)
②一回見たら忘れられない特徴的な選手が何人もいて名前を覚えた(片手でどこからでもポスポス入れるどでかい人、走り回ってわちゃわちゃしている人が2人、3Pを入れまくる人、地味だけどいいとこで体張ってくれる人、ベンチではしゃぎまくる人などなど)
③試合がものすごい競っている中で「辻祭り(辻選手が3Pを入れまくって止まらなくなる現象)」が起こった
④音楽とかDJの煽りによってノリノリになれた
⑤選手も運営もすごく頑張っている!のに、会場が半分しか埋まっていなかった(協力したい&これからの変化を見届けたい)※2017年12月時点

こんな感じで、テニスをしていた自分からは考えられないおもしろ体験がたくさんあり。めちゃめちゃエキサイトしました。

その後はHP、SNS、動画等で情報に接する機会が増え、選手、スタッフ、運営たちの人柄、チームのカラーみたいなものに共感して、ハマっていきました。アウェイ戦にも行って、闘争心が湧き出している状態です。笑

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なぜファンになったのか

で、本題。なぜ私はファンになったのかその根拠が知りたくなったんです。

「人って試合を見て、どんな心理的要素が揃うと、ファンになるのか?」

マーケティング分野の研究として、スポーツ観戦者を対象にさまざまな調査が行われていました。その中でおもしろい視点だと思ったのは、ファンを増やすには、、、

試合観戦したときの「経験価値が高い」

つまり

「いい時間過ごせたわー」と思う人が増えることが大事だ!

と主張する論文がおもしろかった。

当たり前と言えば当たり前ですが、試合観戦して「いい時間過ごせたわー」と人が感じるには、どんな要素が必要なのかが研究で明らかにされてるんです。

当たり前を可視化するって研究のおもしろさですよね!

研究によると、観客に「五感を刺激する感動があった」「没入できた」「良いサービスだった」「投資効果があった」という4つの思いを持たせることが大事だと言われていました。


ファンにさせる10の要素

そして、この4つの思いを満たすために必要な10の要素が具体的に示されているんです。これを読んで、私がブレイブサンダースのファンになったワケに納得がいきました。私の経験と照らし合わせて解説していきます。(論文では専門的な表現で書かれていますが、ここではイメージしやすい言葉で記載します。)

★「五感を刺激する感動があった」と思わせるために必要な要素★
①テンションの上がる演出
私→チームの応援をノリノリでできたことは人生で一度もなかったので◎

②選手のパフォーマンスがすごい
私→あまり技術のことはわからんが、熱いプレーがたくさん見られて感動。

③会場の雰囲気が熱気に溢れている
私→装飾、ライティング、ファンの声。盛り上がってる空気全開!
★「没入できた」と思わせるために必要な要素★
④非日常感がある
私→地元の体育館にいる感じはない!仕事も全部忘れて試合を見ていた。

⑤とにかく楽しい
私→みんなでわいわい、声も出して騒いでOKだった!

⑥わくわく感
私→勝つのか負けるのか、誰が活躍するのか、最後まで目が離せなかった。テニスにはない時間との戦い。バスケの醍醐味を知った。

⑦チームに共感できる
私→個性的な選手達が最後の最後まであきらめずに必死に頑張っているので、こっちも熱くなった。
★「良いサービスだった」と思わせるために必要な要素★
⑧運営がしっかりしている

私→Bリーグ2年目でいろいろと試して頑張っていた!盛り上げようとしてる手作り感よかった。
★「投資効果があった」と思わせるために必要な要素★
⑨気軽に立ち寄れる

私→早くあがれそうな日なら仕事帰りにも来れる!試合は正味2時間だから土日なら前後に予定も入れられる!

⑩料金にお得感がある
私→飲み会1回行くより安い!近くで見られるし。月2回くらいなら行ける!

ということで、私は初めてのブレイブサンダース観戦で、研究で明らかにされている10の要素のほとんどが高い水準を満たしたので、

「経験価値」が高い!

つまり、

「いい時間過ごせたわー」と認識したと言えます!

だから、ファンになっちゃったんですね。

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このようなファンの心理に関する研究では、スポーツ観戦者の心理的な度合を数字で計測できるようなツールが開発されています。チームを運営する企業にとって、マーケティング現場で役立つ研究ですね!


1分で人を魅了するロウル

ちなみに、ファン心をさらに加速させたのは、ブレイブサンダースマスコットの『ロウル』。

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人間ならだいたいの人は、1分間ロウルを見続けると誰でもメロメロになります。いままでいろんな人を観戦に誘ってきましたが、全員ロウルにオチました。

私はロウルによって「没入できた」の経験価値を高められたと言えるでしょう。

※ロウルにオチた人は『ロウル沼住人』と呼ばれます。初対面でも「え?沼住人さんですか?」という感じであいさつ代わりに使えます。


川崎ブレイブサンダースという「チーム」を応援し、学ぶ!

ということで、川崎ブレイブサンダースは選手にも、スタッフにも、マスコットにも運営にも会いに行きたくなるチーム。

チームって、人(選手・スタッフ・運営・ファン・マスコット)、目に見えるもの、空気感のすべてが関わって形造られているんだってことを肌で感じています。

これからも川崎ブレイブサンダースを応援しながら、チームについて学んでいきたいと思います。

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<参考>
齋藤 れい, 原田 宗彦, 広瀬 盛一(2010)スポーツ観戦における経験価値尺度開発及びJリーグ観戦者の分類
Mathwick et al. (2001)Experiential value: Conceptualization, measurement,and application in the catalog and internet shopping environment.

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