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『自信のつけ方』~負のスパイラルから抜け出そう~

突然ですが、選手が試合に負けた後の「選手と指導者の会話あるある」

◆選手「いつも練習でしているように、おもいきって打てませんでした。」

◇指導者「練習しているんだから、自信持って、おもいきって打てばいいんだよ。できるできる。」

◆選手「そうですね。しっかり練習してるつもりなんですけど。。。試合だと打てる気がしなくて。。。」

◇指導者「まあ、しっかり練習して、次の試合ではおもいきってやろう。」

うん。あるある。

ちなみに、私は小学生から社会人実業団まで、出場した公式戦全部合わせれば、何百試合してきましたが、おもいっきり打てた試合は、、、ざっくり3%以下でした(泣)

これ、選手だった私。15年くらいこの問題と戦っていたんです(泣)

で、いまさらながら

「なぜ、試合でおもいきって打てないのか?」

つきるめて考えると、

「自信がなかった」

ことが一つの大きな要因です。

ということで今回は、自信についてとことん向き合います。

自信に関する研究やこの本↓↓↓その名も「自信がつく本」を参考に、自信ってどうやってつけるのかまとめてみました。

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まずは洗い出す

 まずは、私自身の自信なくなった経験振り返ります。これ↓が、自信がみるみるなくなっていった流れです。①から⑦の考えから、選手生活約15年間抜け出せなかったことになります。

①試合でおもいきってスウィングして、うまくいく自信がない

 →②おもいきってスイングしたら失敗しそう

 →③失敗したら負ける

 →④負けたくないからおもいきってスイングしない

 →⑤スイングしないから、いいショットにならない

 →⑥いいショットを打てないから、負ける

 →⑦で、試合後の選手と指導者の「あるある会話」が交わされる

いやー苦しい想い出です(泣)

で、冷静になって振り返ると、いま湧いてくる疑問は

《A》 そもそも、自信てなんなの?
《B》自信ってあると良いの?無いとダメなの?
《C》 自信て、どうやってつけるの?
《D》 私はどうすれば、試合で思い切ってスイングできるようになったの?

ってことです。

A~Dがわかっていれば、自分の選手時代にもっとパフォーマンス上げられたんじゃないかと思いますので、これらの疑問について紐解いていきます。


《A》そもそも、自信てなんなの?

 自信研究(自己効力感)はバンデューラ博士が最も有名ですが、ここではわかりやすいボニウェル博士の定義を紹介します。

自信とは、「何かに挑戦すれば達成できるという自分の能力を信じること」

です。


《B》自信ってあると良いの?無いとダメなの?

 これまでスポーツ分野での研究からは、自信はパフォーマンスを左右する一つの要因になることが明らかにされています。

つまり自信がないよりは、自信がある方が成果を出せる可能性が高まるということになります。

しかし!!

自信がないことは「ダメ」な状態ではないのです。

研究者達は、こう主張しています。

「自信の欠如は、高い成果をもたらす動機になる。」

 つまり自信がない状態は高い成果をもたらすために、やる気が出る状態だから、成長のチャンス。決して自信がないことは悪いことじゃないんです。例えて言うなら

Xさん:自信がない⇒もっと練習しよう!
Zさん:自信がない⇒何してもだめだ。。。

こんな風に「自信がないこと」は事実として変えられませんが、それをどう捉えるかによって、チャンスかピンチか変わるということです。

Xさんは自信がないことを成長のチャンスにする考え方ができる人。Zさんは、自信がないことを勝手に悪い事だと思い込んで、自分でパフォーマンスを落とすような考え方をしている人。ということになります。


《C》 自信て、どうやってつけるの?

 自信についての研究結果を多数発表しているバンデューラ博士は研究の結果から、自信を高める4つの要素を明らかにしています。

・「成功体験」
・「誰かができたところを見る」
・「お前ならできる」って言われて納得する
・「前向きな気分」になる

納得。でも、これらって、自分でコントロールできないことも多数ありますよね。。。

でも今回は「自信をつけるために自分がするべきこと」を明らかにします。

大前提としては「自信をつけることを目標にするな」なんです。


重要なのはまず「自分を知る」こと!

「自分を知る」とは、何が強みで、どこを発達させる必要があり、知識やスキルや経験でかけている部分がどこかをよく知る・認めることです。

そして、欠けていること、足りないことが明確になったらそれを満たすための行動を徹底的に行う。反復する。

必要なスキルを身につけるために、その行動を継続的に高頻度で反復することで、脳に新たな神経回路ができて、それが自然とできるように習慣化される!!

ということで、自信は、確立することを目標にするものではなく、繰り返し取り組む中で生まれるものであって、実践することで発達するものなんですね。

言われてみれば当たり前に思えるかもしれませんが、こういったさまざまな研究者や専門家が示す事実や考察を、受け入れて行動に移すかどうかで、自分が変われるかが決まっていきますね!


《D》 私はどうすれば、試合でおもいきってスウィングできるようになったの?

 

 A,B,Cを理解すると、Dの質問に対する私なりの答えは出てきます。

私は、試合でおもいきってスウィングすることを試合で、実践し、繰り返していなかった!だから習慣化されず、自信も育まれていかなかった!

いくら練習で反復していても、試合では反復できていなかったから、いつまで経っても試合でスウィングするスキルが身に付かなかったんですね。

「怖くても試合で何度もおもいきってスウィングして、試行錯誤しながら繰り返すことが大事。」

「実践を積み重ねるから、だんだんできるようになってくるんだから! 本当に強い選手になりたいなら、試合で何度もおもいきってスウィングするんだ!!」

って、自分で自分に言えてたら変わった可能性ありですね!


まとめ

ということで、A・B・C・Dを理解した上で、もう一度冒頭で紹介した「選手と指導者の会話あるある」を見てみると。。。

大きく間違っているわけじゃないけど、選手が理解するべきキモの部分、選手が成果を出すために何にこだわるべきなのか、クリアになっていないし、少しずれている!!!

勝利に繋がる行動・自信をどう強化していくのか、私は選手のとき理解が足りていなかったとつくづく思います。

でもだからこそ、いま頑張る選手達に、成長するための知識やスキル、考え方を伝えていきたいです!!!

がんばりましょう!!!


<参考>
・Bandura,A.(1977)Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change.Psychological review,84(2):191-215.
・バンデューラ:本明寛 ほか訳(1997)激動社会の中の自己効力.金子書房:東京都,pp.1-41.
・Psychologies 著, 編, 中野 眞由美 訳(2019)自信がつく本. ディスカヴァー・トゥエンティワン


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