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エッセイ集

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#言葉

きみの哲学と浮き雲

きみの哲学と浮き雲

きみの哲学が好きだ

やさしい水のような
冷たくも熱くもなく
その時の気分だけを
満たすものではないこと

おだやかな波のように
果てしなく広がる海に
抗うことなく
美しい音楽を伝えていること

いつかきみと話してみたい
カチコチと
時の音が揺する
浮き雲のうえで

レコードは何をかけようか
最近聞いてる音楽を
君にきかせてあげたい
まだ誰も知らない
j-popを

胡座をかいて
関係のない世界の

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汚れてしまえ

汚れてしまえ

どんなに幸せにしても
君の白目はまっしろなの
それが美しくて
憎くて
憧れで
君のからだから引きちぎって
今日に掲げて
未来へ駆け抜けていきたい
そうすればこの目も汚れてぼく色になる
キラキラな未来も
汚れてしまえ

茶埜子尋子

内宇宙的恋愛観

内宇宙的恋愛観

恋愛するなら夜がいいねって
恋人に言ったの
今度はなにを言い出すんだと
頭を傾げて、いつもどうりの、


夜であれば
きみは見えなくて
誰のものでもなくなって、
僕のものでもなくなるの

同じくぼくも見えなくて
誰のものでもなくなって、
君のものでもなくなるの

地球から放り出された星の粒みたいに

夜は小さな内宇宙

もう目を開けても
真っ暗闇の世界だ

抱きしめてるのは君?
感触はあるよ

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透明が好き

透明が好き

好きな色はなに?って
聞かれたら
透明が好きってこたえたい
そんな余裕のある
自分でいたいだけ

いや、ちがうの
本当はもっとちゃんと考えてたけど、
書こうとしたら、止まっちゃった

できるなら、
色も
意味も
形もこえて
透明が好きになりたい

見えないものも
大事にしたいし、
きっとそっちの方が
世界は広い

月日の流れ

気持ちの流れ

枯葉 舗道 自転車

目に留まる色んなものにも
透明

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過呼吸の音、生きているよ

過呼吸の音、生きているよ

不健康な黒い内蔵の中みたいだった
人間の恨みつらみの僻み妬みの禁足地に
足を踏み入れてしまった
汚い色して蠢いてる
汚れた言葉で遊んでる
酸素も足りない、
涙も足りない、
心もすべて足りなかった
手のひらでも掬えないくらいの
空気を肺いっぱいに吸い込もうとする
今のことだけに精一杯で
出すものも出せずに
無数の星をみる
渦にのまれていく
爆音のなかで死んでいく
新しい心音
体はすでに黒曜石と化して

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青いやさしい看板

青いやさしい看板

今なら誰かの言葉で簡単に
死ねる気がする
意味のない爽やかな言葉でさえ
藁人形に刺す釘のように
深く黒い鋭いもののように感じる
そんな自分が嫌だよ
分かってるけど
分かってるの
吹き出す気持ちは止まらないし
あの時の一瞬の出来事がこびりついている
錆びて腐って血の味がする
ああ、自分の気持ちだけで
死ねるな
ひとみを涙で覆いつくしながら
真っ直ぐな一本道を
ぐしゃぐしゃと走るんだ
そうしてほんとに

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光へ

光へ

誰にも知られないまま沈んでいた
うまく生きているように沈んでいた
のに
友が言うんだ
君の友達であることが誇らしいんだ
言葉ではうまく伝えられないけれど、と
うまく生きている自信はあったのに
わたしは生きている心地がしなかった
その言葉でわたしが一人死んだ
亡霊が死んだんだ
息苦しくなった
溺れている死んでしまう
必死にもがいて無我夢中で
光の射す方へもがいた
わたしの痺れた腕を引っぱりあげて

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