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エッセイ集

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#エッセイ部門

薔薇色の夢

薔薇色の夢

美しい香りにかこまれている
平凡なわたし
いつかはこんな花々に囲まれていたい
ガーデニングをして
ニワトリや子馬や
動物たちにかこまれて
くらしたい

ここにはたくさんの人が
薔薇を見るため
訪れているけれど
いつかはひとりで

噴水近くのベンチで
このエッセイをかいている

風が強い日。
ここまで飛沫が飛んでくる
頬や唇にひんやりしては
消えてゆく

果てしない夢を
平凡な日々に
調和しているよ

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ポエムの主人公になりたい、って話

ポエムの主人公になりたい、って話

ながれ星に乗って旅をしたり

(首元がリボンできゅっとなってるワンピース着て)

都会が見渡せる窓にブランコみたいに腰掛けて夜にかえる光をみつめたり

(傍らには珈琲、カラフルな部屋のソファーに茶トラの猫が眠ってて)

古いピアノがある教会で17時になったらトロイメライを弾くおじさんに出会って毎日通うようになったり

(イメージはイギリスの田舎町の鄙びた教会、少しずつ教えてもらって弾けるようになっ

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メガネ革命

メガネ革命

ふと思った
って言うか、
言葉になった
っていうか

色眼鏡を付けた方が綺麗にみえるって

夏に母の実家に帰って、
いとこ達と遊びに出かけた時のこと

2台か3台で行って、
わたしは兄貴の車に乗ったんだ
助手席

はい、って

Ray-Banの青色のサングラス

えーかっけー、こんなの持ってんだ
しゃれてるね

やろ

兄貴は別の黒いサングラスをかけた

ちょっとイケイケになれる気がして
うきうき

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雪が降る夜

雪が降る夜

雪が降る夜
2024年1月23日23時52分

初めて見た
こんなに明るい夜
雪が降る夜って
こんなに明るいんだ

子どものまんまの心が
はしゃいでる
降ったりやんだり
手前のゆらゆら雪を見たり
奥のごうごう雪を見たり
もう30分も飽きずに
眺めてる

九州に住んでるから
雪に馴染みがなくて、
小さい頃から夢みてた
大人になったら北海道に行って
さっぽろ雪まつりを見るんだ!って
現在進行形だけど

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過呼吸の音、生きているよ

過呼吸の音、生きているよ

不健康な黒い内蔵の中みたいだった
人間の恨みつらみの僻み妬みの禁足地に
足を踏み入れてしまった
汚い色して蠢いてる
汚れた言葉で遊んでる
酸素も足りない、
涙も足りない、
心もすべて足りなかった
手のひらでも掬えないくらいの
空気を肺いっぱいに吸い込もうとする
今のことだけに精一杯で
出すものも出せずに
無数の星をみる
渦にのまれていく
爆音のなかで死んでいく
新しい心音
体はすでに黒曜石と化して

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