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オールスター、僕の投票内容とその理由

※文中の成績は全て令和6年6月8日時点のものです。

 今夏のオールスター開催地はセパで好対照。セ・リーグは戦前から野球のメッカとして多くの名試合を繰り広げてきた神宮球場で、パ・リーグは会場2年目のエスコンフィールドと新旧の名球場の共演である。今回は、そんなオールスターにふさわしいと思った25人を選定したので、その選手たちと選定した理由を拙文でお伝えすることとしよう。

先発投手

才木浩人(T)、山﨑福也(F)

 まずセ・リーグの先発投手は阪神の才木に投票した。右肘靭帯損傷の大怪我から立ち直り、今季は3完封を含む6勝1敗と殻を破る活躍を見せている。青柳晃洋や伊藤将芳らの調子が上がらない中、まさに孤軍奮闘をしていると言っても過言ではないだろう。このまま離脱しなければ、15勝は堅いのではないか。オールスターでも150キロを超える直球と切れ味鋭いフォークボールのコンビネーションが見たいものだ。

 右の速球派・才木とは対照的に、パ・リーグの先発投手は左の技巧派・山﨑に投じた。エースの上沢直之がMLBに移籍した日ハムが、元々投手陣が弱かったのにここまで他球団と互角に渡り合えているのは間違いなく彼のお陰だ。持ち味の打たせて取る投球が見事に打低環境にマッチし、球数を抑えて長い投球回数を投げられている印象。オールスターでも巧みな投球術を見せてくれることだろう。

中継ぎ投手

岩崎優(T)、澤村拓一(M)

 中継ぎはセパ共にベテランを。まずセ・リーグ岩崎は昨季の胴上げ投手。今季は少し打ち込まれる場面もあったものの、セットアッパーを務めていると思いきや抑え役もこなすというマルチな活躍を見せている。彼の投球を見ていると、球速という指標がいかに無意味なものかということを思い知らせてくれるものだ。

 パ・リーグは澤村を。成績だけ見たら他にもいい選手がいるのは分かっているが、35歳を超えながらも金剛力士像のような鬼気迫る表情で真剣勝負をしている彼にはオールスターで楽しそうに投げて欲しいのだ。

抑え投手

栗林良吏(C)、則本昂大(E)

 中日ファンの方には、「なんでマルティネスじゃないんだ」と怒られてしまうかもしれないが、セ・リーグの抑えには栗林を選んだ。昨年は不調だったが今季復活。びっくりするような剛球はなくなったが、経験を積んで安定感が出た。防御率は圧巻の0.39。今のセ・リーグで最も優秀な救援投手と言っていいはずだ。

 パ・リーグは今季より抑えとなった楽天の則本。成績もそうだが、楽天というチーム全体で「則本に繋げば勝てる」という安心感を感じる。抑えのエースと言うよりかは、エースが抑えにいると言った感じだ。栗林と共に、赤いユニフォームを着た抑えの共演を見たいものだ。

捕手

山本祐大(YB)、田宮裕涼(F)

 捕手はセパ両軍共に売り出し中の選手を。まずセ・リーグは山本だ。昨季の夏頃から打撃開眼。今季もここまで.314という高打率を記録している。チャンスでの勝負強さはセ・リーグでも指折り。守備面でも投手を安心させるような、ガッチリとした捕手らしい捕手である。

 パ・リーグは日ハムの田宮以外の名を挙げる方が難しい。新庄剛志監督の秘蔵っ子であり、今までの捕手のイメージからは程遠い俊足好打の左打者である。特筆すべきは打撃技術。無駄な動きのないフォームからの綺麗なスイングは往年の前田智徳や立浪和義現中日監督を彷彿とさせるものがある。後半失速があっても、3割前後の成績は残すのではないか。

一塁手

岡本和真(G)、山川穂高(H)

 一塁手はやはり打力。堂林翔太や阿部寿樹のように守備のいい選手ももちろん素晴らしいのだが、ポジション柄打力だけを見て選出した。まずはセ・リーグ、ここは岡本以外ないだろう。中日ファンからすると、「打って欲しくない場面で打つ選手」という印象だ。長嶋茂雄、王貞治、原辰徳、松井秀喜といった巨人生え抜きの主砲の系譜を受け継いだ、名実共に巨人の看板選手である。

 パ・リーグは山川。紆余曲折を経てFA移籍したが、いつまでも不祥事のことをやいのやいのと言っても仕方ないではないか。パリーガーらしい豪快なフルスイングを見たい。

二塁手

田中幹也(D)、小深田大翔(E)

 二塁手はセパ共に160センチ代の伏兵に投票した。セ・リーグの田中幹也は、今季が実質ルーキーイヤーながらも格の違う守備を見せている。守備範囲、堅実さ共に中日だけでなくセ・リーグでもトップクラス。昨季取り忘れた新人王街道をひた走っている。

 パ・リーグは小深田という珍しい苗字の選手。盗塁やベースランニングの上手さは突出しているものがあるように感じる。下位打線を担っているが、新生今江楽天の機動力野球を支える影のリードオフマンだ。

三塁手

坂本勇人(G)、栗原陵矢(H)

 三塁手は華がなければ面白くない。そんな「華」に主眼を置くと、セ・リーグからは坂本を選ばざるを得ないだろう。若い頃のようなフィジカルを活かした守備はなくなってしまったものの、その分を技術で補っている印象を受ける。球捌きはまるでマジシャンのようだ。

 パ・リーグからは栗原を。この選手の打撃をYouTubeで見ていると、自然とバッティングセンターに行きたくなるような楽しさを感じるものだ。そんな広角打法も去ることながら、密かに気になっているのが彼の選球眼だ。打率はここまで.266と三塁手にしては物足りない成績だが、出塁率は.342であり、打率と大きく剥離しているのだ。その分四死球で出塁しているということであり、彼の選球眼の素晴らしさが分かる。

遊撃手

村松開人(D)、今宮健太(H)

 セ・リーグからは中日の村松。前述の田中と共に二遊間コンビを形成し、アライバコンビの令和版「タナムラコンビ」としてスター街道を駆け上っている。打撃は大胆、守備は堅実と言った感じか。中日の正遊撃手兼切込隊長を担う新星だ。

 パ・リーグからはベテランの今宮。この選手はおよそ人間とは思えないような微技を見せる。遊撃手に身体能力が以下に必要かを思い知らせてくれる選手だ。

外野手

近本光司(T)、丸佳浩(G)、筒香嘉智(YB)
近藤健介(H)、中川圭太(Bs)、万波中世(F)

 まず、セ・リーグの外野手で近本を外す訳には行かないだろう。走攻守の全てにおいてトップクラス。今季は打てない阪神打線で孤軍奮闘の活躍を見せており、1番、3番、更には4番と重要な打順を行ったり来たりしている印象だ。両翼はベテランの2人で固めたい。丸は守備こそ衰えてきたが、打棒は健在。粘ることも長打を打つこともできる鬱陶しい打者である。またもう1人は帰ってきた筒香嘉智。成績だけを見たらヤクルトのサンタナを入れるべきだろうが、「横浜の空高く、ホームランかっとばせ筒香」という筒香のファンファーレを球宴で堪能したいのだ。

 パ・リーグは単純にいい選手を選んだ。中川は今季、長打こそないものの得点圏打率は脅威の.357。最後のPL学園出身選手という肩書き付きの選手でもある。近藤は言わずもがな。ソフトバンクに移籍してからというもの、周りとの相乗効果もあってかパ・リーグ1の大打者に君臨している。万波中世はスター性抜群。大胆な打撃、鉄砲玉のような送球は往年の新庄剛志監督を彷彿とさせるものがある。

指名打者

中村剛也(L)

 悲惨な西武から唯一選んだのはおかわり君。今季は打率こそ.203と低空飛行だが、本塁打7は圧巻の数字。40歳を迎えた今季もどっしりと4番に座っている。オールスターに出場して、不惑の大砲ここにありという姿を見せて欲しいものだ。

最後に

 オールスター投票は人それぞれ。皆さんの投票もぜひ、コメント欄で教えていただけると嬉しい。

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