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週報プークス4月 両目がいっぱい

前回の週報はこちらから。




4月15日(月) 息のかかる距離にいる夢も見たよ

毎日のように風景のなかから花を取り出して過ごしていると、ときには珍しいものを見ることがある。
そういう心のうちの疑問が、ふっと解決することがあるSNSがすきだな。

YouTube「META TAXI」最新回に歌人の木下龍也さんが出ていてうれしい。


ピース又吉さんの自由律俳句をきっかけに詩歌の本もいくつか読むようになり、あるときNHK-FM「高橋 源一郎の飛ぶ教室」で、木下さんと岡野大嗣さんの連歌「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」が紹介されて以来、彼の歌が好きだ。
単著に収められたなかでもとりわけ

鮭の死を 米で包んで またさらに 海苔で包んだ あれが食べたい

つむじ風、ここにあります」より引用


という一首での、ミニマルのなかに込められた言葉のクリエイティビティには、ウッとさせられた。平素、なにげなく思っているものからも、世界は立ち上がるという感動がある。



4月16日(火) ああ、ダンジョン飯

1日、家に居ると外から聞こえる音が、部屋のなかで横たわっているように思う。道ゆく風、選挙カーのスピーカー、誰かの足音。
ベッドの上で、耳をすませる。

夜になると雷がごごぅと鳴りだして、雨が勢いよくガラス窓を叩きだした。
TBSラジオ「アフター6ジャンクション2」4月10日放送分を聞く。


九井諒子さんの「ダンジョン飯」をRPG的に解説した回とシェアされてきたので、これは聞かねばなるまいて。
食って生きのびるサイクル、緻密な世界構造の端の端まで考えられていることなどなど、原作ファンも現行でアニメを楽しんでる方も必聴の内容でした。特に「九井さんは登場人物×種族をしっかりと考えぬいてキャラクターを作っている」という旨のトークに頷いた。

実際、原作でチェンジリングというキノコの胞子で、人物像が入れ替わってしまう話に絡めて、扉絵でも主人公パーティーであるところのライオス、マルシル、チルチャック、センシ、イヅツミがそれぞれ、トールマン、エルフ、ハーフフット、ドワーフ、(パーティーには居ないけど)ノームだったら……というifが描かれてる。
アニメはNetflixなどの動画配信サイトを通じて海外でも日々、人気が高まっており、オークの娘リド(族長の妹)が今、とてつもなくホットだとはSNSの評判で見聞きしました。一夫多妻制のオーク族長のパートナーたちに共通している点を、ライオスが言い当てるエピソードが単行本巻末にあり、その感覚がそのまま現代に再現されているな、と感じている。イヌタデ(種族はオーガ。大柄な鬼の女性)も人気出そう。わたしはタデちゃんがすき……。
九井さんは「ダンジョン飯」以前のSF短編集3冊から見ても、世界の奥深さもその世界のささやかな部分も、まるごと楽しんでいるからこそ「ダンジョン飯」を支える政治と多種族、非常に多いキャラクターを破綻なく扱えているなと感じています。



4月17日(水) 井上どあ

空がいっそう白く濁ったようになっているな、と山景に思う。
ふつう、雨が降った翌日はとてもきれいに見えるのだけど、それをかき消すほどの花粉。強い。

TBSラジオ「井上貴博 土曜日の「あ」」をYouTubeで視聴。


ゲストが「こねくと」火曜担当のでか美ちゃん。
「井上どあ」は、ずいぶん前に一度、視聴したきりだったのだけど、今春からパーソナリティーに犬山紙子さんが加入しており、でか美ちゃんとは大親友とあって、おたくの早口が止まらない。わたしは、おたくがおたくを謳歌しているところを見るのが好きなので、これがたまらなく良かった。
また、犬山さんが書籍紹介で「マダムたちのルームシェア」を挙げていて、それもうれしくて。井上さんは40代を目前にして、初めて老いの怖さや暗さを感じていると素直な感想を述べて、犬山さんは既に40代の今、自身の体感として、全然惑うけどシニアになるのも楽しそう! と仰っていたので、そうそうそれそれ、と。年頃の近いひとと自分の感覚が似ているうれしさもあった。
あと、そんなにたくさん時間を割いたトークではなかったけど、井上さんの結婚観に、かなり好感が持てました。

「マダムたちのルームシェア」は、ボイス付きでYouTube動画になっているので、そちらでも楽しめますよ〜! わたしも大好きだよ〜!



4月18日(木) 滝野のことは滝野って呼んじゃうんだよな。

YouTubeでたまたま見つけた文化放送「裏表 松原 秀とモグライダー芝 大輔」を聞くと、懐かしい名前がすっと出てきて驚く。


芝さんが東京吉本の9期生と同期とは知らなかった。
9期とは、ハリセンボン、サルゴリラ、囲碁将棋、しずる、ライス、パンサーの菅さん、という今となっては売れ線といえる人々のことである。
「サルゴリラと一緒にトリオをやってた」まで聞いて、松橋さん(アメトークの構成作家 a.k.a. 家事えもん)とのジューシーズを連想したんだけど、続いて「(滝野)元気っていうんやけど」と、芝さんの口から滑り出たのだ。ガッチャ!のことである。
芝さんは滝野と今でもよく呑んだり遊んだりするらしく、そこで近況を伺ったとのことで、滝野の生育歴にまつわるエピソードトークでまとまっていた。そのトークのなかで、わたしの推していた芸人と組んだコンビを解散後、改名をして新しくコンビ結成をしたと聞いた。感慨に浸る。
そうか、滝野まだ芸人してるんだ。

先日、9期生ばかりで集まり札幌でライブをやった様子を、ライスの田所 仁さんのSNSで見たばかりで、「おぉ、シチサンLIVEじゃないか」と興奮するも、そこに滝野の姿は無かったのだけど、単なるファン個人の頭の中では、このふたつの情報に繋がりを感じずにはいられない。

劇場通いをやめて10年ほどになる。
やめた理由は箱推しのなかでも解散や引退が重なり、とうとう推しコンビもなくなってしまった。劇場に行く理由がない。
もっぱら茶の間からとなると、賞レースに出てくる芸人の知識は浅くなってしまうもので、前知識なしに新鮮に楽しめることが以前との違いと言えると思う。変わらないのはM-1は敗者復活戦から見ることと、「そこに並ぶやつは全員売れろ」といういかんともしがたい悲願を抱えて、テレビの前に座ることだ。
粘り強く活動をやめずに喰らいついてきたサルゴリラなどには、郷愁というバフがかかる。彼らが情熱を諦めないでいられるように、継続的に応援しているファンには感謝しかない。
最近は、フェミニズム的トピックに理解のあるひとに惹かれたり(ヤーレンズの出井さんがおそらくハイツ友の会解散に触れたコラムが良かった)、長年相互フォローしているTwitter友だちが出演している大喜利ライブの動画を観るうちに、大喜利プレーヤーにもハマっている。R-1にも出ていた寺田寛明さんも好きだ。



4月19日(金) 孤独も孤立もないひとり同士で

パラパラっと「エトセトラ」のスポーツとジェンダー特集をめくっているうちに、次第にじっくりと目を通していた。今日が初めてではないのだけど、欲しい言葉がそこにあるのを感じ取ったのだ。


フェミニズムマガジン「エトセトラ」は、どの号から読み始めてもフェミニズムの実態に触れられるので、ありがたい。
特集でいつも好きなのはアンケートのページで、この疑問を持っているのはわたしだけじゃないんだ、ということに気づかされ、連帯を感じる。大丈夫、わたしもだよ、って言ってもらえてる。
チームではないけど、繋がりがあることが支えだ。



4月20日(土) 月がてっぺんにある夜はきもちがいい。

Eテレ「超多様性トークショー!なれそめ」に、僧侶・メイクアップアーティストの西村宏堂さんがパートナーとご出演。
旅先での出会いから始まるふたりのストーリーが心地よい。
この番組は、たまにチェックしていて以前ゲストに、性教育YouTuberのシオリーヌさんとつくしさんも出ていたのと、さまざまなパートナーシップについて関心があった上で恋愛の話もしているところが好感持てる。
田村 淳さんがMCとして、ゲストが明かしていくエピソードを「そんななんだ」って、単に受容する姿勢がけっこう好きで、「ロンドンハーツ」頃の彼からでは考えられなかった。わたしはロンハーに見られるバラエティ番組のための「男のやんちゃ」は、(それがおもしろいと思っていたことが全くないわけではないけど)好きではないので、こういう変化があってうれしい。
安心できる、に近い感情と思う。



4月21日(日) あたたかいとおいしいが揃えば無敵

寒さがキュッとからだを縮めるので、しばらくしまっていたレギンスを履き、3重に服を着る。
このところ、やや厚着で散歩に出てはやっぱり少し汗ばむんだけど、そうして夜の帰宅頃には、重ね着が体温を冷やさないようにいてくれる。

昨日食べたおにぎりがおいしかったな。
月曜におにぎりの話をしたせいか、もともと100円もしないものが半額になっていたので鮭とねぎとろを食べた。
パリパリの海苔が、ぱりと噛み切れる時間は特別だ。
白米が好きでよかった。素朴な感想。




今週も読んでくださり、ありがとうございました!
過去の週報はマガジンにまとまっています。そちらもどうぞ。

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