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詩集 ”Before Before”

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自作の詩をまとめて上げているところです 原文(英語)と訳文(日本語)に分けて載せています
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記事一覧

きつね

白い女の人がひとり だれも来たことがない ひみつの岩壁、岬の上で 朝日を反射して立っている …

catman
1年前
2

イアン・カーティスに捧ぐ

明日のためのこの夜と朝は 彼が悲しみのうちに苦しんだ時間だ 彼が過ごした最期の数時間は す…

catman
1年前
3

ある百合の恋物語

わたしの記憶が百年の歳月を眠っているあいだ 百の亡霊が骨となり朽ち果てていった。 もし水仙…

catman
1年前

キツネ

真夜中は彼の領域 視界が青白くぼやける時 山と原野に迷い込む 進めど進めど 道は果てしなく…

catman
1年前

夢発作

昨晩、甘美で偽りのない 夢の中、ワーテルローの廃墟の下で わたしの手を取ってくれたとき あ…

catman
1年前

海を焼き尽くす日照り

海を焼き尽くす日照りと、 太陽の炎を消す大嵐 あらゆる泥を浄化する光と 太陽を無為にする暗…

catman
1年前
1

ハレルヤ ―レナード・コーエンに向けたオマージュ作品―

(この作品はレナード・コーエンの「ハレルヤ」と同じ形式で、自身の言葉によって再解釈し、彼へのオマージュを意図して作られたものです。) 感情の波、宗教的な虚無 時に満ち、時に引いていく わたしは気にしない、あなたにも関係ないことだ 愛と信仰、またそのような音楽 どこかの誰か、鳩か鴉か それは単なる献身、ハレルヤ 破れた心の琴線に触れる ミューズの竪琴で音楽を奏でる すべてはあなたのおかげだとわかった 終わらない戦争を目の当たりに 安全なアヴァロンなど存在しない わたしは呼び

王ヨ、王ヨ、ワタシノ青イ太陽ヨ 王ヨ、王ヨ、ワタシノ青イ太陽ヨ おまえの輝きは太陽にも月…

catman
1年前

波止場

虚栄の町から孤独の砂浜へ 深夜の通りを歩いていく かもめの眠る波止場では 牧場に羊が閉じ込…

catman
1年前
1

クリスティーナ

彼女は6歳にして女王だった 偉大な父とはほとんど会ったことがなく 政治もわからない、戦術も…

catman
1年前

不幸な人々

不幸な人々よ、どうかわたしを見上げないで そうしたらあなたがたを見下してしまうでしょうか…

catman
1年前

生の虚勢

もしわたしの目が見えなくなっても レイ・チャールズがわたしの味方だ そして自然の感覚として…

catman
1年前

愛、信念、そしてこの心の熱情

思索の内側にきらめく光の斑点、 あまりに多く、あまりに小さくて並べることもできないものが…

catman
1年前

ものごと

春、明け方の心地よさに付いたり離れたり 夏、それが終わる前に、見えることもない 秋、時は訪れたのか、それともどうしてか止まったのか 冬、それはわたしが収穫物を持たないところで終わる 暁、拳銃が空を明るくする 朝、遮光板の安全の中にある黒ずんだ布 昼、くもりにくもりにくもった雲 夜、命は疑惑にのみ甦る 日、最大級の核の熱を賛美する 月、足元にはその好戦的な慈悲の影があり 雨、清らかになってはくれまいか 星、忘れられた光、許しという治療 船、見えない勝利、夢見る航海者の帆