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【アーカイブ2020】応援を目指すという姿~滋賀大会・夏跡の便り③滋賀学園

県内唯一のチア専門部・滋賀学園のレイカーズ。創部から10年が経とうとしても村井三幸コーチは部員集めに苦労していた。「チアの知名度が低すぎる」。子どもたちに親しみを持ってもらうため2009年にキッズチームを結成。1期生として小学1年で入ってきたのが、現在のダブル主将・大河真凜さんと松井麗生さんだった。

チア大会に出場しないレイカーズにとって、最大の見せ場は野球応援だ。「キッズにも容赦がない」と大河主将が振り返る通り、村井コーチは振り付けを覚えない限り甲子園でも応援させなかった。厳しい指導を乗り越えて迎えた最後の1年。なんと秋は初戦敗退、春は中止、夏は無観客で、1度も球場に行かないまま全ての野球応援が終わってしまったのである。

一度は絶望に暮れた1期生。それでも夏の独自大会では、画面を通して応援を続けることを決めた。「『Go,Fight,Win』という掛け声がある。甲子園がなくとも次のチャンスで成功してほしい」。選手にエールを送りながら、松井主将は自らを奮い立たせた。

村井コーチは1期生がギリギリ高校生でいられる来年のセンバツを目指すと笑う。「『チアガール』ではなく『チアリーダー』。いつも応援をリードする立場だから」。チアに涙は似合わない。【2020年8月4日掲載】

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