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ネコネコ詩集

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ネコネコのオリジナル詩集
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記事一覧

海風の住人

海風の住人

海が呼んでいる
風が呼んでいる

カモメが教えてくる
故郷に帰ってきたことを

車から見る風景に
懐かしさを覚える

潮風が昔を
運んでくる

父と母と一緒に行った海辺
今は家族3人で海辺を歩く

父と母に久しぶりに会った
嬉しそうな2人に安堵を
覚えた自分

父と息子は海辺に向かう
その後ろを歩く
自分と母

潮風が未来を
運んでくる
この街で風が吹いている
この街で海が呼んでいる

プログラミングと完璧主義者

プログラミングと完璧主義者

自分は完璧主義者じゃない
ホントは 
ギャンブルしてみたい
生きているうちに

心の鳥籠に自分の本心を住まわせて
みんなにあわせている自分
自由に生きてる人を見ると
未完成な自分が顔をだす

もっと素直になれと語りかける
自分はそれを拒否する
できない怖いと恐怖心が

人生をプログラミングしたけど 
うまくいかないね
なんでだろ

馬鹿な事を考えてみるけど
それはやらないでいよう 
心の鳥籠に自分

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たよりない愛

たよりない愛

たよりない愛はいつでも2人を邪魔してくる
わかっているいつものことだから

なにかのはずみで2人の距離が離れないように
バランスを取りながら右へ左へ揺れながら
揺れ動く現実に未熟な心が騒ぎ出す

たよりない愛はいつでも2人に試練を与える
当たり前のように
それでも何故か2人は笑っていた

同じ方向を見てるなら大丈夫、きっと大丈夫
なにかのきっかけで別れないように
その手を握りしめた

不器用すぎて

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私と鏡

私と鏡

私の顔どうですか?

私の顔奇麗ですか?

鏡の前で問いかける

今日も溜め息をついて

家を出る

人波の中沢山の顔を見て、

私より綺麗私よりブサイク

そんな事考えてる

自分のほうが ブサイクだった。

だけど私は綺麗になりたい

誰よりも綺麗になりたい

それを望んで何が悪い

それは当然の権利だから

親にもらったこの顔を傷つける事に罪悪感が

あるわけではないむしろ母にごめんと言う。

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オリジナル朗読・ティッシュと右手

オリジナル朗読・ティッシュと右手

無防備な下半身
脱いだパンツ
散らばったティッシュ

ティッシュに本能を丸め込んで
水洗トイレに流して捨てた
開放されたその後に
罪悪感が襲ってくる

冷静になって考えた
俺は一体何をしたんだ
ふと我に返る
薄暗い照明に
箱のティシュと僕の右手

しょうもないプライドを守っていた
くだらないと気付いた瞬間
音を立てて崩れ落ちる

ティッシュに孤独を丸め込んで
水洗トイレに流して捨てた
開放されたそ

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オリジナル朗読・うまくいかない

オリジナル朗読・うまくいかない

うまくいかない・いつもうまくいかない
いつもそう上手くいった試しがない
見えない何かが僕を邪魔してくる

運がないとか、金がないとか
そんな簡単なことじゃない
とにかく全てうまくいかない

人のせいなんかにしたくないけど
今日だけはそうさせてくれないか
足踏みするだけの毎日にもう飽きたんだ

神様に見捨てられた自分
心の糸がプツりと切れた
空っぽのサイフをアスファルトに叩きつけて
恨めしそうに空を

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僕の女たち

僕の女たち

通り過ぎていく僕の女たち
不機嫌な顔・嬉しそうな顔
悲しそうな顔・楽しそうな顔

向こうは忘れているけど
僕は覚えているよ

君へ言った最初の言葉は
すぐに忘れて
君へ言った最後の言葉は
胸の奥の記憶に刺さった

立ち止まる僕の女たち
何か言いたそうな顔
黙ってこちらを見てる顔
悔しそうな顔に苛立った顔

どんなときでも自分が悪者
うんざりしたしあきれたりもした
もうそれも関係ない話

僕の女たち

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妻を好きだけど・愛してるけど

妻を好きだけど・愛してるけど

見えない壁に阻まれて

何故か僕は、妻に触れることはできない。

子供が生まれてからなんだろう

言葉では表現できない感情に

蝕まれていく気づかずうちに

抱きしめたいのに触れ合いたいのに

何かが僕を邪魔してくる

その見えない敵それは自分だった。

妻を好きなのに・愛しているのに

心はいつも平行線

肉体のボーダーラインを超えられない

そばにいるの

良い

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香水

香水

君と口づけしたとき

ほのかに香る 香水の香りが

僕の感覚を狂わせるけど

すぐに気付いたよ君の匂い変わったね

ベッドで君を抱いた瞬間身体についた匂い

違うことに気付いた時僕の心は離れた

自分以外の香水の匂い早く取るように

シャワーをあびて服を着る

君と口づけしたときほのかに香る

香水の香りが

僕の心を狂わせるけれど すぐ気付いた、

君の匂い変わったね

君の身体に触れた瞬間身体

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特別じゃない

特別じゃない

自分はアイツとは違う

私は選ばれた人間

みんな自分は特別だと

想ってるけど違うよ

どこにでもいる普通の人

そう思わないと生きていけないのか、

みんなそう思って生きているのか

知る理由なんてないけど

たいした意味なんかない。

自分もそう君も

特別な人もいない

ただ思い込んでる

そう思い込んでる

満たされない

満たされない

満たされないまま

満たされなくて不満を覚え

満たされていても不満を覚える

それが人間だと言えばそうだけど

満たされないのが世の中の常

誰かがもっているものを欲しがり

それを求めて賢明に働く

人生はラットレース死ぬまで

滑車を回し続ける満たされないまま

あれがほしいこれがほしいと

子供ようにダダをこねて手に入れば

満足してそれの繰り返し

いつになったら満足するだろうか

それ

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深く深くより深く

深く深くより深く

深く深くより深く

君の心に潜っていく

光の届かない漆黒の中を

潜水艦で潜っていく

何も無い魚一匹いやしない

だけどかすかに何かが見える

得体のしれない何かが見える。

深く深くより深く

あなたと繋がりたくて

光の届かない漆黒の中を

潜水艦で潜っていく

見たくないどす黒いヘドロを

かきわけてかきわけてかきわけて

奇麗な部分を探している

ワタシに見せてあなたを

深く深くより

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息を吸って息を吐いて

息を吸って息を吐いて

息を吸って息を吐いて

確かめよう今の心境を

何度も何度も確かめる

自分に悪いところはないかと

冷たい風が身体を包み込む

手を胸に当てて目を閉じる

昨日の事のように想い出す

大変な日々楽しい日々

息を吸って息を吐いて

ほっとひと息ついて休もう

急がなくていいよ走らないでいいよ

歩幅をあわせて一緒に歩こう

手を繋いで目線をあわせて

怯えないで恐れないで

歩いて行こう歩いて行

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アイス越しの君

アイス越しの君

暑い夏
彼女と公園でアイスを食べる

僕はバニラ
君はチョコレート
蝉の声を聞きながら
溶け始めるアイス

夢中で食べる君の
横顔に胸の高鳴りを覚える
胸騒ぎの暑い午後

噴水で遊ぶ子ども達に
目を奪われて溶けたアイスが
地面に落ちた

落ちたアイスに蟻が群がる
汗も一緒に滴り落ちて

夏も終わりも近づいてくる
アイス越しに見る君が
僕の扉をノックした。
溶けるアイスを口にいれて
夏の終わりを噛み

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