プロト版ハントマン・ヴァーサス・マンハント【血戰!帝都の吸血鬼伝説】(#4)
(承前)
マスターの様子がおかしい。頑なに口を閉ざしたまま、出入口の前に立ち塞がって動こうとしない。「まぁまぁ。君の為にコーヒーとサンドイッチを注文したんだ。口を付けないで店を出るというのも悪いだろう」吸血女の暢気な声。頷いて同意するマスター。腹立たしい気持ちもあるが実際その通りかもしれない。少なくとも昨日から何も食べていないのだ。温かい屋内に入ったことで緊張の糸が緩んだのだろう、日頃の疲れが一気に噴出したようにも思える。そうか、腹が減るから腹が立つのだ。「注文の品が届いた