ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第54わ「夜警」
「念入りに潰したい新入りでも居るのか?」と訊かれたところで俺には答えようが無かった。他の参加者のことなど何も知らないからだ。だからこそ同級生からの騙し討ちで危うく命を落としそうになったのだが。
「我々はパトロールの最中だったのです。街に蠢くマンハントを掃除するのも貴族たるハントマンの使命ですからね!」
「ふん、怪しいものだな。杭を打たれた手負いの三ツ星ハントマンに、一度も血を吸われていない三ツ星ニンゲンのペアか。何かの罠だと考えるのが妥当ではあるが……」
待て。三ツ星ハントマンとかいうのは聞いたことがあるが三ツ星ニンゲンとは何なのだ。
「ダンナのことですね」
「当然お前のことだが」
それは初耳だ。もしかして俺にも吸血鬼どもに対抗できるような力が、可能性が眠っているのだろうか。
「えーと……」
「何も知らずに振り回されて生きるというのは哀れだな。いいか?ニンゲンの価値を決めるのは血の美味さだ。それだけだ。」
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