ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第55わ「❝生まれた❞意味」
俺の価値とは、即ち俺の血の価値。何となく分かっていたことではあるが、改めて言われると辛い。
「いつ見てもいいものだな、真実に打ちひしがれる家畜の顔を眺めるのは!❝ゲーム❞について知りたいことが、まだあるか?」
「……結構です。今から貴方の口を塞いで差し上げますから」
相棒の殺気。俺が指示を出せば、すぐにでも目の前のハントマンに飛び掛かりそうな勢いだ。
「早く命令をください。あれは敵です。敵は倒さなければなりません!」
しかし俺には知らねばならぬことがある。俺が❝ゲーム❞のコマとして選ばれたのは、ただの偶然?それとも……。
「良い質問だな。絶望を望む家畜よ」
「耳を貸してはいけません!」
「お前が家畜に選出されたのは、お前が生まれた時から決まっていたことだ。そして、お前の両親を引き合わせたのも我々の上層部が決めたことだ」
「早く命令を!」
「光栄に思え。……お前のような三ツ星ニンゲンは十年に一度の逸材なのだぞ」
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