行橋から別府へ、100キロの物語
ある日突然、取引先からの招待が私のもとに舞い込んできた。
それは、行橋から別府までという、想像を絶する距離の100キロウォークへの参加だった。
私にとって、毎日のマラソンは心の安らぎであり、そのリズムに身を任せることは日常の一部だった。
だが、歩くというシンプルな動作が、こんなにも新しい冒険をもたらすなんて。
開始前の夜、部屋の隅に静かに置かれたリュックを眺めて、中身を一つ一つ確認した。
食事となるカロリーメイト、突然の雨を防ぐ雨合羽、長い距離の中での安心のための替えの靴下