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知らなきゃヤバイ‼中途採用が即戦力といえない3つの理由


即戦力という幻想

日本企業の9割はプロパーと言われる新卒採用が役員まで登れる唯一の方法ともいわれています。
ダークサイドスキルをもっており、かつ出世レースに勝ち続けることができると、役員まで出世することが多くあります。

40〜45歳で出世レースも落ち着き、その後定年まで安泰という時代は終了をしています。
解雇されにくいシステムになっていますが、今後国会において解雇法案が成立して人材の流動化が進むことも予想されていますし、現在の経済が失速し始めると2020年の東京オリンピック前後から、リストラと新規採用の取りやめが始まる可能性もあります。

現在でも名だたる企業が去年から今年前半にかけて、早期退職という名のリストラを始めているのは事実です。
新聞紙上に発表をされているだけでも金融系大手やIT系の大手を中心にリーマンショック後と同じ水準まで上がってきています。

2020年のオリンピック以降については景気が後退すると予測されており、早期退職者を募っていることから推測すると、もうその足音が聞こえていると言っても過言ではありません。

2020年から2022年に行われた早期退職のニュース

6/24 損保ジャパン 4000人
6/12 JDI 1200人
6/5 MUFG  10000人
6/4 みずほ  19000人
5/26 富士通  2850人
5/22 三井住友FG 5000人
5/14 日産  4800人
4/19 パイオニア 3000人
2/3 ルネサス  1000人
11/7 東芝  7000人…

早期退職でリストラをするだけではなく、未来へのリストラを進めているのが、金融業界や小売業界である。

店舗の縮小はもちろんですが、ATMの機械などもリストラの対象になっている。

昨今の街中でコンビニが閉店をしていたり、ATMが撤去をされていたりすることが多くなっている。

コロナショックによる減益はもちろんですが、人件費、輸送費、材料費の高騰はもちろんですが、働き方改革やドライバー問題、物流問題などが相まって起きている。

人手不足といわれていますが、会社に貢献できない人については、容赦なくリストラの対象になっていく時代になるでしょう。

未だに人事界隈でいわれている「即戦力採用」がいまだに行われているのが不思議でしょうがない。
違和感にも思うことも多く、この言葉は極力使わないことにしています。

なぜなら、会社が変わると環境が変わるのに即戦力になるのだろうか?
会社の規模ややり方も違うし、予算額も全く違うわけで、同じような結果が得られるとは限らないからです。

中途採用でも戦力化することは可能ですが、即戦力候補として入社後すぐに活躍する保証は全くありません。
企業ブランドや面接でのプレゼンテーションで、この人はすごい人に間違いないと感じることもありますが、採用をしてみると高い買い物をしてしまったなぁということを多く見てきました。

最近では体調管理は自己責任、環境管理は会社の責任という人も増えてきました。
採用をしたのはいいけれど、現場に才能開花、能力開発を任せてしまうことによって、才能を発揮することなく、辞めていった人も多くいます。

試用期間で雇止めになるケースも1つ。チーム内に居場所がなくなって自分から辞めていくケースも1つ。
いろいろな辞め方を見てきているからこそ、疑問に思うことが多くあります。

中途採用が即戦力にならない6つの理由

1:中途採用者の環境適応能力については個人差が大きい。

新卒で入社をするのであれば、企業のカラーに染めやすいということをよく言われていますが、中途採用者の場合は自我が出来上がっており、素直さと謙虚さがないと、環境適応できないこともあります。
よくあるのが、「以前の会社ではこうだった」「このやり方が正しい、あんなた達のやり方が違う」などといっている場合がこのケースに入ります。

2:中途採用者が結果を出すまでには、6ヶ月〜1年ぐらいが平均。

会社が変わればやり方が変わる。
前の会社では取引をしてくれていた会社が、新しい会社では取引をしてくれなかったりします。
方法と手段が変わってしまうと、やったことがないことを試行錯誤しながらすすめるので、6ヶ月〜1年ぐらい経った時に期待値の結果を出すことができるようになります。

3:経験者と未経験者の差異はほとんどない

経験者だろうが、未経験者だろうが結果を出すまでのタイミングというのはほとんど変わらない。
会社が変わればやり方が変わる。やり方が変わると進行状況も変わっていく。
必ずしも経験者が優位というのは思い込みの先入観のフィルターを通っているから。

4:中途採用者が能力を発揮できない4つの理由が存在している

a:組織の政治力、意思決定について何も知らない
b:前職で培ったスキルが現職で使えないのにもがいている
c:評価される方法と期待されていることがわからない
d:スキルが元々ない

d以外については上司やメンターがしっかりと教えていくことが必要になることであるが、現場はそういうことはわかっていて当然。
コミュニケーションを取らないほうが悪いというように考えてしまう。

5:上司やメンターの働きかけが必要

不安を抱えて入社をしてくる人に対して、何も教えない上司というのが増えています。
わかっていて当たり前、質問して当たり前、自分から動いて理解をすることが前提条件となっていることと、プレイングマネージャーとして動き回っているため、中途採用者の一挙手一投足まで見れていないことが問題になります。

それを防ぐためにもメンターやシスターと一緒になって中途採用者の不安を取り除きながら、戦力として活躍できるようにフォローをしていく体制づくりが必要になっています。

6:ハードルを上げすぎないようにする

大物新人が来る!すごいキャリアの人が来るとハードルを上げてしまうと、期待値を超えなかった時に、おいおい!使えねーやつだなとなってしまいます。

また、現状のメンバーからするとそういう大型新人が来るということはお手並み拝見ということで何も手伝わない、足を引っ張るなどのハレーションが起きてえしまう可能性がある。

チームマネージメントをちゃんとしていないと、空中分解してしまうリスクもあり、中途採用者が能力を発揮することができずに、退職をしてしまう可能性が高くなります。

ロールプレイングの旅人のようなもの

中途採用者はロールプレイングゲームの主人公であり、旅人のようなものではないかと仮定してみると話がわかりやすいかも知れない。
会社はロールプレイングの中に出てくる村や町とすると、その村や町にはいろいろなローカルルールがあり、そのルールを知っているのが村の長老や町長だったりする。

情報を得るためにはミッションをクリアすることが条件になるのだが、そのミッションがクリアできない可能性が高くなってしまう。

例えば営業と言っても「法人営業」「個人営業」「有形商材」「無形商材」というようにこの4つのキーワードの掛け算になります。
人事と言っても「採用」「給与」「労務管理」「研修」「人事制度」など専門性のスキルが大きく関わってきます。

ミッションをクリアするためにはいち早く協力を得るためには村人や町人からの信頼を得なければ何もできない。
信頼を得るためには村や街の文化に慣れていくことが必要になります。

日本人はナレッジの共有というのがありません。
前任者からの引き継ぎもなく、どういうツールがあってどういう失敗をしたのかなどの情報をすべてないままやることになると、失敗するリスクが高くなっていきます。

言葉で伝えることはなく、以心伝心で伝えてきているため、言語化できないことが多く存在している。
いわゆる職人の世界で背中を見て覚えろ、技を盗めというのがDNAとして流れているのは間違い無い。

最近では情報のオープン化が進んできているため、成功体験のナレッジ共有をすることはあるけれど、自分の教科書に落とし込むまでは時間がかかる。
自分のこととして置き換えて捉えられるか?
過去の体験を通して教科書として言語化できるかどうかがポイントになります。

ここで問題になるのが、学びの困難さです。
いろいろな経験を積んでいる中途採用者が自分の経験とリンクをして、チームメンバーのナレッジが共有できるかどうかというのがポイントです。

中途採用者が即戦力というのが難しいといえるのがこの点ではないだろうか。
中途採用者が能力を発揮するためにはどうしたらいいのか、どういう育成方法をしていくのか、期待していることは何なのかをしっかり伝えるのと同時に、ローカルルールについて説明をする必要があります。

チーム全体で中途採用者をフォローをしていく形になれば、戦力化がすすみ、思う存分能力を発揮してくれるのは間違いありません。

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