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食道がん闘病記

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2020年8月の記事一覧

「がん保険」のお話

「がん保険」のお話

前回は、がんの治療に掛かったお金の話をしました 。

治療費は国の健康保険制度を利用すれば、高額医療費の自己負担限度額で大体済みます。ただ、がんの治療中は休職を余儀なくされる場合も多々あると思います。僕も5月から休職していて収入が半分以下になり生活費の心配をしなければなりませんでした。

その時に助かったのが、民間の保険会社の「がん保険」です。保険屋の回し者ではないので、具体的な保険会社については

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「がん治療」と「お金」の話

「がん治療」と「お金」の話

還暦間近に「食道がんステージⅢ」を宣告され、現在治療中のオッサンです。告知から手術までは過去記事(Part1は、こちらです)をお読み頂ければ幸いです。

で、今回はタイトル通り「お金」の話です。

「がん」に罹患して治療すると一体おいくら掛かるのか? 三人に1人が「がん」に罹る時代です、知って置いて損はないでしょう。

とは言え、がんの種類や治療方法によって掛かるお金は異なるでしょう。あくまでも、

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リハビリは 「急ぐべからず。」

リハビリは 「急ぐべからず。」

徳川家康の遺訓と言われている文章があります。少し長いですが引用すると、

人の一生は
重きを負うて遠き道を行くがごとし。
急ぐべからず。
不自由を常と思えば、
不足なく心に望み、
おこらば困窮したる時を
思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、
怒りは敵と思え。
勝つ事ばかりを知って、
負くる事を知らざれば、
害その身に至る。
己を責めて、

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術後、頭すら動かすことができません

術後、頭すら動かすことができません

全身麻酔で寝ている間に手術は終わりました。12時間もオペしていた自覚は全くありません。

「ルパン三世 カリオストロの城」の夢を見る
翌日の昼に目覚めるまで30時間くらい意識はなかったのですが、何故か夢の中で「ルパン三世 カリオストロの城」を3回見たことを覚えています。

大好きな映画ではありますが、まさか夢の中で見るとは思いもしませんでした。それも、3回も(笑)ちなみに上の写真は、去年パシフィコ

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がん手術は無事に終了、だけど・・・

がん手術は無事に終了、だけど・・・

前回記事で「食道がん」手術を受けた際のあれこれや、反省点などについて書きました。

今回は、手術の様子について書こうと思ったのですが、全身麻酔で寝てたので手術中の事は全く分かりません。麻酔で寝ているうちに手術が行われ、気が付いた時には終わっていました。

指定通り8:15に手術室に着くように妻と担当の病棟ナースと居室を出かけました。がん患者とは言っても熱もなければ痛みもありません。抗がん剤のおかげ

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「食道がん」で胃が無くなった(2)

「食道がん」で胃が無くなった(2)

2回の抗がん剤治療を経て、いよいよ人生初の手術です。抗がん剤治療が効いて、病期は3⇒2へと改善しました。もう一回、抗がん剤治療をしたら更に改善するかもしれないと素人考えでは思いましたが、抗がん剤も良い事ばかりではないですし、仮に病期0になっても、手術はするようです(※下の方に傷跡のグロい写真がありますので、ご注意下さい)。

術式は「胸腔鏡下食道切除術」
手術に関して主治医に説明された僕の「がん」

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「食道がん」で胃が無くなった(1)

「食道がん」で胃が無くなった(1)

4月30日に「がん宣告」され、2回の「抗がん剤治療」を経て7月15日に「食道がん」の手術を行いました。宣告されてから2カ月半での手術は、予定通りで順調に治療は進みました。

手術日の2日前に再々入院しました。病棟の看護師さんとは顔馴染みです。皆さん「手術ですねー、頑張って下さい」等と励まされます。

入院日に父が危篤に
入院前の血液検査の結果が出るまで、妻と二人でお茶していたら実父が入院している病

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2クール目の抗がん剤治療

2クール目の抗がん剤治療

2クール目の抗がん剤治療のために6月13日(土)に再入院しました。1クール目は5月16日に入院し6月2日に退院したので11日振りです。2回目なので病棟の看護師に「ただいま」等と軽口を叩く余裕もあります。前回2週間以上入院したので顔なじみの看護師などは「お帰りなさい」と返してくれたりします。リラックスして治療できるのは良い事です。

同室者に閉口
病室は今回も二人部屋です。ただ、前回と異なり同室者に

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抗がん剤の副作用 なめてました・・・

抗がん剤の副作用 なめてました・・・

還暦を間近に「食道がんステージⅢ」を宣告されたオッサンです。世の中に食道がん患者の生の声が余り見つからないので、自分の忘備録を兼ねて記録することにしました。

まず、食欲がなくなった
初日に半日かけて3剤の抗がん剤と吐き気止めや利尿剤を点滴で投与しました(過去記事↓↓↓)

副作用は個人差が大きいようで、全く出ない人もいるようですし、直ぐに出る人も数日後に出る人など色々です。僕の場合、初日は何もな

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「抗がん剤」治療 始まりました

「抗がん剤」治療 始まりました

抗がん剤治療のために5月16日(土)に入院しました。下で書きますが、CVを設置したりするため、土曜日に入院しました。治療自体は18日(月)から22日(金)まで続けられます(※良い写真がなかったので上のタイトル写真は飲み薬ですが、僕が使った抗がん剤は静脈から点滴される注射剤です)。

抗がん剤は劇薬のため細い静脈から点滴すると血管が炎症を起こし血栓が出来るリスクがあります。リスク回避のためには太い静

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「抗がん剤」の副作用について

「抗がん剤」の副作用について

ステージⅢの食道がんの標準治療は、「切れるがん」の場合は「術前化学療法(抗がん剤)+手術」です。標準治療で使われる抗がん剤は、「5Fu(フルオロウラシル)」と「シスプラチン」の2剤併用が一般的だそうですが、僕は「ドセタキセル」を加えた3剤を使いました。

抗がん剤と言うと、副作用の負のイメージが強いかと思います。医療漫画の「ブラックジャックによろしく」(佐藤秀峰)の第5巻~8巻は「がん編」で「膵(

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「5年生存率」は55%

「5年生存率」は55%

「食道がんステージⅢ」を診断され、5月から休職し治療を始めました。がんの治療は、がんの種類にもよるので僕が掛かった食道がんの場合で話を進めます。

治療は、ステージ(病期)や患者の健康状態、患者の希望等によって変わりますが、一般的には、

①内視鏡的切除
②手術
③放射線治療
④化学療法(抗がん剤治療)

の、4つがあります。①の内視鏡的切除は、「0期(ステージ0)」(がんが食道の粘膜内にとどまっ

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検査結果は「進行食道がんステージⅢ」

検査結果は「進行食道がんステージⅢ」

救急外来を受診し、そのまま入院になりました。60年近く生きてきて、初めての入院です。

入院の準備等していなかったので、売店で歯磨きセットとコップを購入し、パジャマ&タオルセットをレンタルしました。

3日間、食べ物も飲み物も咽喉(のど)を通らなかったので、点滴をするために左手首の辺りにカテーテルでラインを取りました。最近はプラスチックの針なので、入れっぱなしにできるようです。一昔前だと、点滴の度

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「食道がん」になって思う事(Part1)

「食道がん」になって思う事(Part1)

2020年4月30日に「食道がん」宣告を受け、5月から休職して闘病生活に入ったアラカンのオッサンです。

ネットで「食道がん」の情報収集をしても、余り体験者の「生の声」が見つかりません。医療従事者の「説明」や「データ」は、いくらでもヒットしますが、こちらが知りたいのは、がん患者が「何を考え」て治療法を「選び」、治療中に「何を思い」、退院後の生活はどうなのか、患者側の視点からの記事です。

見つから

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