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検査結果は「進行食道がんステージⅢ」

救急外来を受診し、そのまま入院になりました。60年近く生きてきて、初めての入院です。

入院の準備等していなかったので、売店で歯磨きセットとコップを購入し、パジャマ&タオルセットをレンタルしました。

3日間、食べ物も飲み物も咽喉(のど)を通らなかったので、点滴をするために左手首の辺りにカテーテルでラインを取りました。最近はプラスチックの針なので、入れっぱなしにできるようです。一昔前だと、点滴の度に針を刺し直していたので、随分と楽になったようです。

手首に固定されるカテーテルには、複数のラインをジョイントできるプラグが付いています。こんな感じ(テルモのサイト)。1本のカテーテルで生理食塩水を落としながら、痛み止めを入れたり、鎮静剤を入れたりできます。

食事ができないので、点滴で水分と栄養の補給をするのですが、24時間ずっと点滴しています。なので、生理食塩水のバッグがぶら下がっているスタンドをガラガラと引きながら移動するのが面倒くさい。

また、手首からラインが出ているのでパジャマを着替えるのも一人ではできません。無理してやってやれないことは無いのですが、看護師さんに一度ラインを抜いてもらった方が楽なので、バッグを交換するタイミングで着替えることになるのが、面倒というか、申し訳ないというか・・・。

たかが着替えに人様の手を煩わせなくてはならないのが、情けないのです。

がんの治療のためには、がんの進行の度合いを調べる必要があります。たぶん聞いたことがあると思いますが、「ステージ(病期)」というやつです。これは、

①がんが食道壁のどこまで深く広がっているか(T因子と言います)
②食道壁の外側にあるリンパ節への転移の程度(N因子)
③他臓器への転移の有無(M因子)

の組み合わせによって決まります(参考:国立がん健康センター)

それを判断するためにまず内視鏡検査を行いました。その結果、食道のほぼ中央に原発巣があり、食道と胃の吻合部に腫瘍が出来ていて食道を塞いでいました。5ミリ径の内視鏡カメラがギリギリ通れるくらいの隙間しかありませんでした。

がんの種類(組織型)は、目視で日本人に一般的な「扁平上皮がん」というものでした。組織の一部を採取して病理検査をおこなって、より正確に判定できるのですが、結果が出るまで2~3週間掛かるようです。

内視鏡検査では、がんの大きさや平面的な広がりは分かりますが、食道壁への「深さ」や他臓器やリンパ節への転移については分かりません。

それらを判断するために造影剤を使ってCT撮影しました。造影剤は画像にコントラスト(白黒の差)を付けたり、特定の臓器を強調するために投与するのですが、極まれに副作用により「死亡」することもあるようです。

それで、検査前にリスクを説明され十分に理解した上で検査を受けます、という書類にサインしました。だんだんと、がん治療の深刻さを実感し始めました。

造影剤は、静脈に短時間で一気に入れる必要があるため、太い血管にカテーテルを設置して行いました。造影剤が入ると身体が熱くなるそうで、「熱く感じても異常ではありませんから、驚いて動かないで下さい」、と看護師から注意されました。

経験のある妻から「すっごく熱くなるから」と脅されていたので、覚悟して臨みました。尾籠な話で恐縮ですが肛門が熱くなりましたが、予想よりも大したことはありませんでした。

これらの検査の結果、

①T因子:がんが食道外膜まで広がっている(T3~T4a)
②N因子:第3群リンパ節まで転移がある(N3)
③M因子:他臓器への遠隔転移は認められない(M0)

でした。

これらから、「ステージⅢ」と診断されました。リンパ節への転移は認められますが、遠隔転移はなかったため「手術で切れるがん」とのことでした。

本格的に、がん治療が始まります。

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