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自分軸の作り方#64 『らくだの涙』ママを優しく包み込む世界に

「ちゃんと泣ける子に育てよう~親には子どもの感情を育てる義務がある~」の内容紹介を続けてきた。

私自身、泣いている子どもを 抱きしめることの大切さを
この本を通して学んで、

もっと子供が幼いころに読みたかったなあという思いもあって
どなたかの目にとまってくれたらいいなと思っている。

著者の大河原 美以氏の思いが文中にたくさん ちりばめられているので、
是非全文を読んでいただけたら嬉しい。
(みなさまの地域の図書館でお探しください)

この本の二章の最後に「らくだの涙」という モンゴルのドキュメンタリー映画が紹介されているので、その部分を抜粋して紹介します。


 親が自分の体の中に湧き上がる不安を抱えていけるようになるためには、
親自身が「安心・安全」でなければならないのです。親にとっての「安心・安全」を保障するためには、幼い子供が泣くこと、怒ること、悲しむことを
おおらかにうけとめる社会が必要です。
(中略)
世の中全体が、早熟の「よい子」を求める現代社会において
子育て中の親子は追いつめられるばかりなのです。

『らくだの涙』というモンゴルのドキュメンタリー映画(監督ビャンバスレン・ダバー/ルイジ・ファロルニ)があります。

広大なゴビ砂漠の厳しい気候の中で自然の恵みに感謝しながら伝統的な遊牧生活を送る四世代家族の姿を追ったドキュメンタリー映画です。

らくだは家畜であり、家族の一員でもあります。
らくだが難産の末、子どもを産んだのですが、お乳を与えようとしません。一家は子らくだを育てようとしない母ラクダに心を痛め、なんとかお乳を与えるように工夫をしますが、なかなかうまくいきません。母らくだに見捨てられた子らくだは放っておけば死んでしまいますから、一家はあれこれと手を尽くしますが母らくだは近寄ろうとする子らくだを拒絶するばかりなのです。
モンゴルには、モンゴルの伝統的音楽である馬頭琴の音がらくだを癒すという伝統があるそうです。そこで一家は馬頭琴の名手を呼んできました。そして馬頭琴の音色とともに美しい歌い聞かせの声が 草原にひびきわたります。一家の主婦は母らくだを優しくなでながら、美しく悲しげな声で歌い聞かせるのです。しばらくすると母らくだは、近寄ってくる子らくだを拒絶することがなくなり、子らくだは母の乳房をくわえて父を飲み始めたのです。母らくだの目から涙が流れます。
これはドキュメンタリー映像で構成された実際のお話です。

なんて優しい社会なのだろうと思います。子育てしないらくだに
音楽を奏でるという文化の優しさ。

なぜ子育てしないのかと原因を追究することもなく、
母らくだの非をあげつらうのでもなく

きっとあるであろう見えない傷つきに優しい目を向けて、
心やすらかになることを見守るそういう社会が、
親子を救うのでしょう。
死ぬ思いをして産んだという そのこと自体、
母にとっては十分に傷つく体験でもあり
命を生み出すという 仕事の重さ、
その尊厳に敬意を表すればこそ、

母たちは癒される必要があるのです。    (p95-96)


出産と育児、急な環境の変化の中で
ママたちの心は戸惑い、傷ついていることも 実はたくさんある。

でも戸惑っている暇がない。
子どもは泣きながら すがってくる。
子どもの世話をするのが 母の当然の役割だから。


ポリヴェーガル理論の学びをする中でわかったことがある。

人は、話しかけた相手が目を合わせて話を聴いたり返事をしてくれないと、
腹を立てる生き物なのだ。

たとえそれが大学で行われる
「目を合わさないで人の話を聴く人に対する 感情の変化の実験」 だと
わかっていても、
腹が立つという結果が出ている。

それほど、人は「目を合わせて、やさしく話を聴いてくれる人」や
「そっと優しく背中をなでてくれる人」を
本能的に求めていて、
それがあって初めて「安心・安全」を感じ取ることができるんだ。


なので、目を合わせてくれない新生児や
話しかけても言葉で返答をしてくれない赤ちゃんは
小さくて、愛しくて かわいいのは間違いないけれど
24時間一緒にいて、どこにも外出できないママは
イライラしても当然の状態。

自分のやりたいことは後回し。
子どもが泣かないように、24時間気を張って寝不足で
子どもが泣いたら周りに迷惑をかけるような気がして必死であやして。

私は、こどもが幼かったころ
ずっと何かに追われているような気がして
ホッとできる場所を 探していた気がする。


友達と 遊びに行って、わーっと喋ることもできなくて。

遊びに出かけたとしても
誰かに預けていることになんとなく罪悪感も感じてしまったり
なんだか羽を伸ばせない。
それが当然なこととして、毎日すぎていく。



子どもの生きる力を育てるために
ママの「安心・安全」は、必要なのだけれど
それが保証されていない中で 
良い母であることを社会から求められる。(と感じている)


そんな責任と孤独を感じているママの理解者が増えて、

泣いている子どもとママを
やさしく包み込む世界が広がってほしいな、と
願っている。



保育士のてぃ先生のYouTube動画の
「パパへ」という動画に、ママの気持ちに寄り添う方法が語られていたので
よかったら再生してみてください。


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お知らせ

6/5(土)に、MamaCafeオンラインを開催します。

小中高校生を子育て中で

子どもの考えてることがわからない
反抗的で困る
全然勉強しなくて困る
そんな、ママさんたちと、お互いの話を
聞いたり聞いてもらったりしながら

子どもの気持ちに共感できて 親子関係が楽になり
子どもの力を引き出せる
「まっすぐコミュニケーション」を、学んで練習します。

定員は6名、参加費1000円です。

MamaCafeは、少人数で気楽にお喋りができる勉強会です。
きっと、ホッとできるひとときになると思います❣️ぜひご参加ください。

今回は、ママカフェの産みの親・石田勝紀先生がスペシャルゲストで、質問コーナーがあります。
参加ご希望の方は、「参加申し込みフォーム」からお申し込みくださいね。


ご質問等ありましたら、TwitterのDMに お送りください。

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