CHAPTER8.雪辱

誰かがやるだろうと思うことは、誰もやらない。
その誰かに自分は含まれていないから。
だからそう気付いたあなたがやるべき。

洗い場というのも単純なものではない。
ピークが終わって一気に片付ける所もあれば、浮いた時間で少しずつでも食洗器を回しておかないとお皿が足りなくなってしまうお店もある。バッシングしたものや洗いあがったものを置いておく場所のキャパ、食器の在庫によってそのお店の対応は変わる。

洗い場の基本的な工程としては、
バッシング時に同じ皿を重ね、置く位置を決めておく。
貯め洗いする場合はシンクにお湯を張って浸ける。
食洗器の洗浄力を見極めて、落ちなさそうなものは手洗いで落としておく。
ラックに並べて食洗器へ、詰め込み過ぎたら洗浄が行き渡らないので注意。
残っている水分を拭き洗いして所定の位置へ戻す。
などを注意しながら進めていく。 

さらに優先順位も重要で、
使用頻度の高さや、大きさ、手洗いしなくても食洗器だけで落ちるもの、
部数が少ないもの、割れやすいものなど先に入れる。
また同種類のモノをまとめてる片付けが楽になる。
各枚数や個数は常に把握しておくことも必要になる。

もっとも重要なのは
「食洗器が常に動いている状態を作る」ことが最高効率になる。食洗器は平均1~2分掛かる。この待ち時間が一番のロスになってしまう。自分なりに作業を効率化をしていけば面白さを見出していけるだろう。
 
洗い場を軽視している人を実際の現場で多く見てきた。飲食店では避けて通れない大切な作業なので工夫して動作を最適化しておくべきだと思う。
必ず毎日、何度もやるものだから早くできるようになった方が浮いた時間を使って差をつけられる。

誰もやらないことは、誰かがやっているのだ。
損得抜きで率先して行おう。きっといつかの自分の為になる。

さて、ようやく全てが動き出そうかという直前に物件が流れてしまった。
そういうこともなくはないと知ってはいたが、
いざ自身が遭遇するとなると相当のダメージだ。
一報をもらったその日は放心状態だった。
やっぱり無謀だったのか、もう諦めるしかないか、、、
きつく結んだはずのものが解けていくような夜だった。

そして次の日、
新たな物件を探し始めていた。もうこれしかやる選択肢しかなかったし
何かやっていないと落ち着かなかったのが本音だ。
判断力が鈍っていたかも知れない。
しかしその日のうちに内見を数件予約しておいた。
ここ数か月の準備に使ったリソースは全て無駄になってしまったが、
雪辱を果たすにはさらにいい物件を見つけるしかなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?