たらればシェフ

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たらればシェフ

いつもSNSを綺麗にご利用いただきありがとうございます。 料理/料理人/コック/調理/キッチン/レストラン/ビストロ/カフェ/ブラッスリー/飲食店/フード/グルメ/小説/フレンチ/フランス料理/開業/起業/創業/独立

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  • J-POP料理学

    タラレバ持論集。私のフランス語は日本人にしか通じない。(求:有識者)

  • Restaurant Aberarat

    飲食店の独立決意から開業までを追ったこの物語は、独断と偏見によるフィクションであり、登場人物、団体名等は全て架空のものです。全10話

最近の記事

切り落とし 小間切れ 違い

スーパーでよく見ますよね。その違いが正直分かっていませんでした。 肉を厨房で毎日何キロも捌いていたのに、、、 僕は覚えが悪いので、同じ意味でも違う言い回しをしてみたり脱線してようやく自分なりに理解できます。その疑問に気付いた当時、ざっくりした覚え方でなんとなく分かってる風にでもなっておきたかった。いまでも曖昧ですが。 「切り落とし」 部位が統一されている端材。同じ部位の切れ端。 「小間切れ」 不特定部位の端材。色々な部位の切れ端がごちゃまぜのもの 「カブリ」 主要部位の

    • CHAPTER10.開業

      さて、まだ振り返るには早すぎるがオープンまであと少し。この忙しなさも、いざ営業が始まると色褪せていくのだろうか。 これは僕一人でやってきたわけではない。独立を決めたときにかつての同僚を誘い二人で進め共同経営という形をとった。当初の構想ではシェフ、経営、ホールと各専門を立てて三権分立制の予定だったが、仲違いして一人早々に脱落してしまった。なあなあ起業は上手くいかないとは聞いていたが漏れなく洗礼を受けた。 共同経営者は僕の苦手な部分をそつなく埋めてくれて、独立の最大の動機であ

      • CHAPTER9.成約

        「汚い場所で綺麗なものは作れない」 人生で初めて厨房のアルバイトをやっていた時に そこの先輩コックが言っていた。 当時は刺さらなかったが今はごもっともだと思います。 飲食店で清潔感はとても大事(飲食に限った話ではないが) 整頓されていないと動きづらくなるし、汚れていると衛生面も心配になる。 一歩間違うと大事故になりかねない。 注意していても食を扱うのは怖くなるときがある。 料理上手は掃除も上手。 できる料理人は掃除の仕方も熟知しており、 ひたすら鍋を擦るだけの人は料理も保

        • CHAPTER8.雪辱

          誰かがやるだろうと思うことは、誰もやらない。 その誰かに自分は含まれていないから。 だからそう気付いたあなたがやるべき。 洗い場というのも単純なものではない。 ピークが終わって一気に片付ける所もあれば、浮いた時間で少しずつでも食洗器を回しておかないとお皿が足りなくなってしまうお店もある。バッシングしたものや洗いあがったものを置いておく場所のキャパ、食器の在庫によってそのお店の対応は変わる。 洗い場の基本的な工程としては、 バッシング時に同じ皿を重ね、置く位置を決めておく。

        切り落とし 小間切れ 違い

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        • J-POP料理学
          3本
        • Restaurant Aberarat
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          ピュレ ペースト 違い

          【半液体状の材料】 言語の違いや状態、用途などの要素によって独断と偏見によって勝手に分けました、分かれていました。求:有識者 「ソース」フランス語、英語(総称) 「サルサ」スペイン語、イタリア語 (=ソース) 「ピュレ」フランス語(粗い) 「ペースト」英語(=ピュレ) 「ペスト」イタリア語(=ピュレ) 「クーリ」フランス語(滑らか) 「ムース」フランス語(泡) 「ジュレ」フランス語(=ゼリー:英語) 「ジャム」英語 「コンフィチュール」フランス語(=ジャム) サル

          ピュレ ペースト 違い

          CHAPTER7.崩壊

          飲食店で経験年数はどこでも問われるが、僕はあまり関係ないと思っている。どう向き合うかで簡単に覆せるものだと思っているからだ。 意外と自発的に勉強する人がほとんどおらず、言われるがまま作業としてこなすだけの人が非常に多い。決まった仕事しかやらないただ年数の長い人より、未経験でも新しいことにどんどんトライする人は圧倒的な密度の濃さによってその差を埋めていく。 そこのお店が長いだけで自分はデキルと勘違いしている人、料理の幅がなくメニュー案をなかなか出せなかったり、やり方に工夫がな

          CHAPTER6.面談

          同じポジション、同じ拘束時間でやっているのに担当が変わると仕込み量や片付け時間に差が出るのは何故だろう?単純に作業スピードの問題ではない。そこでの差なんてたかが知れている。もっと重要なのは優先順位の付け方や段取りの良し悪しによる要因が大きい。 今日は火入れの仕込みが多くてオーブン渋滞するから今のうちに入れておこう、この時間帯は暇になるだろうから手間のかかる仕込みはその時やってしまおう、これはオーダー中でも出来るから今はこれを先に終わらせておこう。タスク管理して段取りよく流れ

          CHAPTER5.資料

          数十軒ほど飲食店の現場を渡り歩き、といえば聞こえはいいが良いものを作るには忖度なく意見をぶつけ合うのも必要だと思っていたので方向性の違いや体制が合わずすぐ辞めてしまったところも恥ずかしながらある。 そんな経験の中で飲食店は集合知だと知った。先人たちが培ったノウハウを踏襲しながらアップデートも怠らず。拘りは大事だけど凝り固まらないよう柔軟性も必要。 「賢く仕事しなさい」                        かつてのレストランアベレートのシェフがよく口にしていた言葉

          ガルニ ガロニ 違い

          結論は一緒。 フランス語で「付け合わせ」を意味するガルニチュール (garniture)が語源。GARONIならガロニも分かるけどOはないんですよね。 フランス人にはガルニチュールで通じていました。 (とはいえ当方フランス語はちゃんと話せませんが) そちらに慣れていたので日本のガロニって響きに違和感ありました。 気になって調べてみましたが、やはりどちらも意味は同じ。 きっと日本に外食が入ってきた当初、 聞き取りの違いや伝承による訛りが今も残って定着していったのだろうと 勝

          ガルニ ガロニ 違い

          CHAPTER4.調達

          「12卓のお連れ様、卵アレルギーだそうです。」 「乳製品NGの方が予約希望なのですが対応できますか?」 イレギュラーなオーダーはレストランでは日常茶飯事だ。最近ではヴィーガンなどフードダイバーシティの対応も今後、求められてくるだろう。 例えば完全菜食主義者と呼ばれる、動物性食品を摂取しないヴィーガンの方は白砂糖も製造工程で動物の骨灰を使って精製するのでNGのようだ。革製品などの衣類を着ないヴィーガンをファッションだけ取り入れている方もいるようだ。細分化されすぎてすべてを把

          CHAPTER3.起業

          飲食店は3Kのイメージは未だ根強い。 キツイ、汚い、危険。人の入れ替えが激しく悪循環は続く。しかし殆どの場合は3K以前に人間関係の問題で辞めていっているのが実情だろう。 辞める時のヒアリング時に、正直に話し問題定義し自分がいなくなったあとでも良くなって欲しいと願いながら辞める人がいるのだろうか? 辞めると腹を括った会社は既にどうでもよくて早くこのヒアリングの場を終わらせたいなくらいしか思ってない。だから表面化しづらい部分でもある。 その中でも訴えかけ行動し改善していけるほど

          CHAPTER2.俯瞰

          飲食店は理不尽だ。若い頃はそういうものなんだと受け入れていたが、客観的に見るとこの業界はやはり遅れている。「苦労が美徳」がまかり通るかのように。 「お前いい加減にしろよ!」 オペレーションやルールに問題がある場合が多い 「何度言えばわかるんだ!!」 そもそもしっかり説明してない 「は?見たら分かるだろ」 分かってても確認の為に聞くこともあるはず 「そんなことも知らないの?」 何事にも初めてはある、そこは責めてやるな。こういうことを言うと質問すらしづらい環境になる。

          CHAPTER1.独立

          かつてとあるフレンチレストランの門を叩いた。ベタな話だが当時の夢にケジメをつけ第二の人生としてリスタートを切ったのだ。 Restaurant Aberarat(レストランアベレート)。そこは世界的な評価基準で格付けられたこともあるフランス人シェフの店ということもあって志の高い猛者ばかりが彼を慕い集っていた。未経験ではなかったけど敵うはずもなく、やはり僕は一番出来ない奴だった。人の倍は失敗していたが、知らないことだらけでへこたれている暇もなかった。 そんな泥臭い日々が一年も過