CHAPTER3.起業

飲食店は3Kのイメージは未だ根強い。
キツイ、汚い、危険。人の入れ替えが激しく悪循環は続く。しかし殆どの場合は3K以前に人間関係の問題で辞めていっているのが実情だろう。

辞める時のヒアリング時に、正直に話し問題定義し自分がいなくなったあとでも良くなって欲しいと願いながら辞める人がいるのだろうか?
辞めると腹を括った会社は既にどうでもよくて早くこのヒアリングの場を終わらせたいなくらいしか思ってない。だから表面化しづらい部分でもある。
その中でも訴えかけ行動し改善していけるほど風通しのいい会社なら希望も持てたかも知れない。
しかし共同体を維持するために忖度し、まつろわぬ者を排除したがるムラ社会も多い。
辞めるということが諦め交じりの最後のメッセージでもあるのではないか。

マネージメントもといコーチング力が低いように思う。
やってみせない、言って聞かせず、褒めもせず、させることだけはする。              

そもそも教える時間を作らないし、軽く説明して新人をすぐ実践投入させて放置し問題が起きたらスケープゴートにさえしてしまう。何度聞いても大丈夫な空気はない。やっているところを見ず、仕上がりも確認しない、だからフィードバックも出来ない。

自分が初めてだった時に
「何が分からなかったのかを忘れる」

教わる人が違うと言ってることも違って戸惑ったこともあっただろう。呼称がバラバラで頭がこんがらがったり、やり方が変わったのなら共有して欲しいと思った経験はないだろうか。これくらい知ってるでしょと理解度を把握もせず相手に依存してしまっていたりしないだろうか。当たり前として馴染ませているその知識や技術はすぐ身についたのだろうか。
それらを忘れてしまうと寄り添い支援する気持ちを上手く表現できなくなってしまうのではないか。

この解決策として構築していくものがマニュアルなのだが、何故かマニュアルに対してアレルギー反応を起こす人が多い。マニュアルは教える側、迎える側の為にあるもの。これを面倒臭がっていると教え方も上手くはならない。色んなアプローチが出来れば視座を高めることにもなる。

さて開業準備を進めよう。
大まかな流れは、コンセプト決め、事業計画、市場調査、物件探し、資金調達、届け出関係、工事、集客、トレーニング、開業へ。雑に羅列しても中々のフロー数。コンセプトや計画はあるにせよ、まずは物件ありきだと分かったのでネットの物件情報漁りや空いた時間に不動産周りを始めた。

がここで最大の壁にぶち当たる。
想定の物件がまったくない。資金があれば別だが、経験のない開業、限られた資金、ミニマムスタートが鉄則の中で身の丈ぴったりの規模、賃料でさえクリアが難しいのにましてや飲食居抜きというハードルが何より高い。スケルトンだと初期費用が桁違いなので話にならない。当然だが立地がよければ賃料が高い。妥協しても立地も建物も悪すぎる。良い箱は迷っている間にすぐ埋まってしまい比較する暇もない。だからといって早めに決めてしまうと取り返しが付かないことになる。

想像以上の難題におよそ6か月以上かかることになる。


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