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音楽雑談集:別冊サテツマガジンサウンドトラック

【新刊のご案内】

サテツマガジン5冊目は音楽についての本です。別冊サテツマガジン:音楽雑談集 サウンドトラック

とてもラフな音楽の雑談集です。


きっかけはジャズ喫茶の副店長をしているのですが、なんか、「語りたい人」が好きとか嫌いとか愛しているとかではなく、持っているとか持っていないとか、値段とかの話になっていくのが少し嫌で、「いやいやいや、どうでもいい音楽の話が楽しいでしょうに」と思って、ただ、推敲もせずに、ダラダラと音楽話をしていたら結果、色々な場所に落とし込まれていって脱線しまくっている。というのが面白くて、本にすることにしました。

普段、僕たちはいろいろな評価を受ける際に、簡潔に何かを伝えばければいけなかったりして欲しいと言われることがあります。

お仕事をしていても、「時間内でできるだけ物事を行うことが高い評価につながる」場合に遭遇します。

そこで何が起きているのか?

それは、答え合わせのように限られた時間の中で、必要な出来事ばかりを話すこと。

なんというか、余白のような時間がなくて、雑談が減っていって、どうでもいい寄り道ができなくなってきている空気感に少し窮屈さを覚えています。

最短距離を競うレースという歌詞が、僕の大好きだったPEALOUTというバンドの曲にありました。

マラソンだったり、タイムトライアル的なものを正しいとされる場合はそれでもよかったのかもしれません。

しかし、発想をしたり、クリエイティビティを要求されることをするときに、果たしてそれは正しいのか?
常にクリエイティブディレクターとして働いている自分は考え続けています。

何かをするために検索すればいい?多分それだけだと、相手から求められる出来事さえも満足のいくクオリティでできないかもしれません。

無駄な時間を過ごすことが全て正しいとも思っていません。

しかし、何かを作るときには、ふっとしたどうでもいい出来事から思いついたり、なんか綺麗な空気だなぁ、いい天気だなぁって感じたところから新しい出来事を思いついたりするかもしれないのです。

何より、「好きなものを話しているときに、相手と比べたり、誰かと競い合う意味ってあるのかなぁ」とか考えてます。

長話をネタにされることがありました。個人的ない体験なんですが、僕、話が長いって言われるんですね。それは、相手に深く知ってもらいたかったり、「物事の裏側に潜んでいるまだ見えていない情報や景色を共有することで、もしかしたらまだ世の中で見つけられていない物事が起きるかもしれない」って思ってしまっていて、それは相手がうまく言葉を伝えることができないときに、できるだけ多くの情報を拾い集めて、可能性を感じてみたかった。

それをあるご一緒した方が、みんなの前で「増田が近くから離れないで話が長くてー」って冗談のように言われたことがあって、笑過ごしていたんですけど、悔しかった。

(今思い出しても、あの瞬間笑って時間をやり過ごしていた自分が嫌いなんですけど、この本を作ったので相殺しました。)

それをいう人は、本来は遠回りした出来事の中から創造している人のはずなのに。ださくてだるい。

サテツマガジンって優しそうに見えるけれど、そういう想いに対するカウンターカルチャーでもあります。

なぜなら、出発点が、「オンラインの中でマウントを取ることがいやだから、フォロワーだとか、立場だとかに関係なくいろいろな話を聞いてみたい」ということから始まっているからです。

そんな中で、このサウンドトラックは生まれました。内容が音楽だけど、きっと映画でも、他のものでも同じ本ができるかもしれないと思っています。

評論でもなんでもなくって、布団の中で聴いていたい他人の音楽雑談集です。
単純に音楽の雑談がしたかった。そんなどこかの部室や教室、喫茶店で行われていそうな趣味の話です。

ゆるっと真剣な音楽にまつわる幾つかのエピソード。
話しながらみんな「あっ」と何かを見つけていくような感覚になれる雑談集です。

B6サイズの単行本のような本で、321Pという分厚さもありますが、ペーパーバックのようにくしゃっと丸め込んでポケットの中に入れて持ち歩くことができます。

出来上がったときに、あまりにも面白くて、喫茶店で笑いながら読んでいたら、店員さんに「これってそんなに面白いですか?」って聞かれたんですけど、はい。正直にめちゃくちゃ面白いです。

なぜなら、「超好き」が詰まっていて、「話をしていく中で、僕たちも参加していただいたみなさんも何か気がつかなかった出来事を見つけていっている」からです。

これは自己啓発本なんだろうか・・・。手に取る機会がある方が感じてくれるままに自分にとっての1冊になってくれればいいと思います。

参加者の皆さんにお送りしたあとがきに記載した、メンバーからのコメント、こちらにも掲載させていただきますね。

▼編集参加メンバーからのあとがき
阿部 仁知. ( Twitterhttps://twitter.com/Nature42 )
はろーべいべーあべです。京都のWebメディアANTENNAやフジロックのファンサイトfujirockers.orgでライターをしています。フジロック関係で知り合った増田さんの最初の印象は「なんかやべえ大人がいるなあ」だったんですが、それからいろんな話をしたり偶然ご近所だった石垣さんとも知り合いBEACONに寄稿したりと(彼も大概やべえ大人だ)、色々広がった縁がこうして別冊『サウンドトラック』としてかたちになりとても嬉しい限りです。

普段ライターとして企画を考える時に「この人を今うちの媒体で取り上げる意義は何か?」みたいな発想をよくします。5W1Hとか言われるそれは、ビジネス的発想から見れば完全に正しいです。でも一方でそのマーケティングだのブランディングだのアナリティクスだのと横文字で綴られる話に全然馴染めず窮屈に感じている僕もいて、「何がバリューじゃボケが」とも思ってたりします。僕はただ大好きなみんなと楽しく話したかった。別冊『サウンドトラック』にはそんな想いが詰まっています。お金を稼いで生きていくために飲み込んできた違和感。ここに綴った雑談たちは、そんな現実へのカウンターでもあるのかもしれません。

などとややこしく書きがちなんですが、単純に楽しかったです。優劣でも打算でもマウントでもなく、他愛のない音楽の話をお酒でも飲みながらだらだらと。こんなに素晴らしいことはないですよ。そして12編に登場する皆さんも、このくだらない現実を自らの意思で楽しむ「やべえ大人」です。そんな皆さんと関われたことを誇りに思っています。手に取ったあなたもきっとそんな楽しい気持ちをどっかで持ってるんじゃないかな。またこの本でも肴に淀川の河川敷かどっかでだらだら話しましょうぜ。

石垣 慧 
はじめまして。BEACON[ビーコン]というZINEを発行している編集の石垣です。去年、無一文の状態で大阪の淀川沿いで訥々とZINEを出しました。灯台のようにぽつねんとしたシグナルが誰かに届けば良いと思ったからです。そのささやかな一冊が旅行中のマスダさんの目に止まったことがきっかけで、サテツメンバーの皆さんと知り合うことができました。

そうした経緯もあり、この別冊『サウンドトラック』にほんの少しだけでも関わることができて、本当に嬉しいです。タイトル通り、どこまでも自由に音楽がリプレイされ続けるような風通しの良さを感じさせる充実のトークが並んでいます。例えば『ミュージック・マガジン』で年1回くらい巡り合えるような「ナンセンスぎりぎりの音楽談義」。『snoozer』のわずか1ページだけに光る「飾らない音楽愛」。そうした誌面の片隅にある小さな言葉に感化されてきた音楽人間の皆さん全てにお届けしたい。なぜならこのサントラには、音楽好きが考えてきた・感じてきたことがたくさん詰まっているから。ぜひ読んで感想をもらえたら嬉しいです〜!

スワサカエ
はじめまして。別冊『サウンドトラック』の挿絵を担当しました。普段は新潟の上越市というところにこもってイラストレーターをしています。辛い食べ物が好きです。たしか1年前くらいに増田さんと知り合ってその時にサテツマガジンを知りました。その日、大人が本気を出して好きな事をカタチにするとイケてるモノがつくれるんだな。かっこいいな。と思ったんです。声を掛けてくれたのは突然だったんですけど、めちゃめちゃ嬉しくて、楽しくなる予感がしたので素直に巻き込まれてみよう!そんな感じです。

▼STORY
Episode.1 友達が広げてくれる趣味とか価値観の話
ながゆか

Episode.2 ずっと残る音楽
高値 - バンドくだらない1日

Episode.3 クイーンのベーシストが好きすぎる男子中学生の話
青木冬馬

Episode.4 TETORAが好きな理由
萌花

Episode.5 ダンスフロアが導くあれこれ雑談
みむね
lin
FEARSATAN

Episode.6 ライブはとてもいい
毛利幸隆 - バンド Cobalt boy

Episode.7 自分が好きなものとみんなの好きなもの
つかさ - 舞台女優

Episode.8 アラサー談義。私たちのまぶい音楽ってなんだ?
長井龍
池澤・アスカ・ランガリー

Episode.9 ありちゃんめっちゃいいファンやん
ありちゃん

Episode.10 小山市のTheピーズ好き女子高生だった頃
小野寺ひかり - 脚本家・ライター&映画監督

Episode.11 正月オン・ザ・コタツZOOM座談会
藤本一郎
蒜山目賀田

Episode.12 syrup16gへの思い入れあれこれ雑談
がっちゃん
あゆたに
あたそ

ライナーノーツ
みくりや佐代子

販売価格:2,000円(税抜)
B6サイズ 321P

▼販売店舗
西日暮里BOOK APARTMENT(東京・西日暮里)
スタンダードブックストア(大阪)
ブックユニオン新宿(東京)
本と音楽の店 つぐみ(静岡)
FOLK old book store(大阪)
汽水空港(鳥取)
RECORD SHOP FILE-UNDER(名古屋)
本屋青旗(福岡)
ホホホ座浄土寺店(京都)
blackbird books(大阪)
ウニとスカッシュ(長崎)
くだらない1日オンラインストア・物販
Alffo Records(大阪)
カモシカ書店(大分)
KIMAMA BOOKS(宮崎)
ポロポロ書店(宮崎)
サンカクシカク(新潟)

通信販売については、各書店様のECサイトを参照ください。

2022年10月8日は福岡でくだらない1日のツアーとして発売記念ライブを開催しました!

予約・詳細は以下をご覧ください。

▼余談
最近は、サテツマガジン編集室として、デザインのお仕事やイベントの企画などのご相談もいただくようになりました。
かっこいいデザイナーやまぶいディレクターがいっぱいいるのでよかったらご一緒しましょう。

新しいzine作るか、旅行行きます。