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【Interview Vol.8】のんたん

こんにちは!〈CANvas〉です。

このインタビューでは、おなじ想いのなかまや、想いをもって活動されている方にお話を聴き、CANvasの輪を広げていきたいとおもっています。

今回の話し手は、のんたん。聞き手(=★)は、まきとよりです。


■いまの生き方を選んで、考えていること

★最近やっていることを教えて!

のんたん:
大学を卒業して、4月から、英会話の先生として働いてる。

これは、自分が望んだ就職先ではないの。
というのも、公務員試験に落ちてしまって、進路が決まらない、卒業できるかもわからない、卒論も終わらない…と自分の状況に焦ってて。
周囲のプレッシャーもあって、逃げ場もなく苦渋の決断って感じ。

★焦りやプレッシャーはどこから?

のんたん:
1つは、「大学で学んでいたことを仕事に直結させないといけない」と凝り固まってて、公務員になるイメージしかしていなかったこと。それ以外の働くビジョンを持ててなかったから、追い込まれたかな。

凝り固まってしまったのは、地元を出るときに「将来やりたい仕事があって、それは関東の大学で学ばないと東京で就職しづらいから」という説得をしてたから。「なんで東京に行きたいの?」とたくさん聞かれた。

2つめは、周囲の人と比べてしまったこと
ゼミでは自分が一番劣等生だと思っていた。私だけ進路未定で卒論も進んでいない。これ以上立ち止まったら、さらに劣等生になってしまう。ゼミのほかの人や先生にどう思われているのか不安になってた。

院にいく選択肢もあったけど、卒論も授業も院試も、となると大変。
家族からも「早く進路を決めてほしい、働いてくれ」と言われて、追い込まれて、早く選択して楽になりたいって考えてしまった。
先生は、急がなくていい、休学すれば、とも言ってくれたんだけどね。

★まき)
自分や周囲の人があたりまえだと思っていることや言葉によって、自分を追い詰めちゃったのかな。4年で卒業しなきゃとか、周囲の人ができてるからこれくらいやらなくちゃとか。

のんたん:
そうだね。地元にずっといたら、大学に行って就職して、働いて、結婚して、というレールには乗れていたと思う。その道で幸せを感じられる人はいいけど、自分はそうじゃないかもしれないし、まだわからない。私自身の意思に関係なく「地元にいればよくない?」「いつ結婚するの?」と話題にされることに対して、プレッシャーを感じていたと思う。

だからこそ、多様な価値観が集うような空間に出ていくのは、いいなと思う。いろんな生き方に触れられるから。英会話で教えている子には、「広い世界に出ておくと、いろんな価値観、機会がある。親御さんや周りの人の言葉で苦しいときは、もっと広い世界から自分のことをみてみるといいよ」って伝えている。

■就職したいまも、たくさん悩んでいる!

★まき)本当にやりたいことだったのかどうか、悩んでいる?

いまも絶賛、悩んでいる!

公務員試験に失敗したときには、「お金さえ貰えれば仕事はなんでもいいや」と思っていた。でもやっぱり、1日8時間、週5日働くなら、自分のなかで喜びを感じられるものでないと、モチベーションを保てなくなっちゃう。

★まき)私も悩んでいるから共感。「仕事がすべてじゃないから、やりたいことはプライベートでやれば」と言われるけど、仕事の時間のほうが圧倒的に長い。

のんたん:
そうなんだよね。
私は、いまの現状に満足していない。本当にやりたいことは何だろうと考えてみてるところ。

「仕事で考えなくていいんじゃない?」といわれて。
やりたいこと=キャリアプランって考えがちだけど、普段やっていること、喜びを感じること、好きな食べ物、そういうふうに感じるところから仕事につなげてやってみるのもいいんじゃない?」といわれた。

やりたいことはいっぱいある。そのなかから仕事として、お金を稼ぐためのパートナーとしての仕事をどう選ぶか、というとき、「好き」を大事に選んでよくて、商社、営業、コンサル、みたいな選択肢から必ずしも選ぶ必要はないんだなって。

やりたいと思っていることがあって、1つは、孤独感や言えないことを奥底に抱える人たちが寄り添える場所をつくること。2つめは、そういう場をつくる方法として、コーヒーが好きだからカフェをひらきたい。そのために、なにを学んでいこうかな、と考えているのがいま。

まだ、大学時代に学んだ国際関係に関わりたい自分もいる。いったん国際政治や海外に携われる仕事をする、貯金する、とか。遠回りなんじゃないかとも思うし、広い世界をみてみたいなとも思う。優先順位はきめられないけど、「いま本当にやりたい、落ち着く、満足感が得られること」を続けていきたいなと思う!

★まき)わたしもやりたいことが多くて、しぼれといわれる。でも、興味のあることは全部大事にしていたいと思う。のんたんは、そういうことを言われて苦しいことはない?

のんたん:
めちゃめちゃある。

私は、やりたいこと、好きなことを全部付箋に書いてみて、人生のグラフの10年後、20年後に並べてみたり、ずっとやりたいのか、毎日やりたいのか、考えてみたり、整理して優先順位を変える、みたいなのはやってきた。

逆に、しぼらないためにやっていることは、いろんなひとの人生にふれること。テレビや雑誌のインタビュー、だれかの経歴をみたり、先輩に話をきいたり。いろんな考えを聴くことで、あたまをやわらかくしていきたい。

「しぼることでプロになれて、それが仕事、お金を稼ぐってことだ」って言われる。いわゆる職人、プロへの憧れはあるけど、なれないだろうなって。
その代わりに、自分にはアイデアややりたいことはある。それを融合させることで、自分にしかできないことができるんじゃないかな、と思う。なんでも屋さん、いろんなことがやっていけるようになれる。そっちのほうが自分は幸せじゃないかなと思う。

■あなたらしい、あなたの生き方って?

生徒に対して意識していることは、「固定概念をうえつけない、プレッシャーをかけない」こと。「こうあらなきゃ、こうしなきゃ」というのは、思っても言わないようにする。

「こんなことやりたいんだ」と話してくれて、正直「無理なんじゃ…」と思っても、「そうなんだ」と受け入れて、もっと聞き、もっと知ろうとする。それによって、話してくれた子は、「これでいいんだ、がんばろう」と思える。自分の生き方を大切に生きていこうと思ってもらえるようにしたい。

それは、私自身が、「こうあらなきゃ、こうしなきゃ」を押し付けられたくないから。自由な発想で柔軟な考えで本当になりたいことができるように。自分らしく生きていけるように。

★のんたん自身が、自分らしく生きること、自分がやりたいことを大切にできていないって感じるのはどんなとき?

のんたん:
さっきも話したように、進路を選ぶときは、大切にできなかった。

あとは、自分に余裕がないとき、周囲の人のその人らしい生き方を大切にできなくなる。
まずは、「意見を受け入れるよ」という意思表示をするようにしたい。そしたら、一人じゃないなと思えるからね。

■社会とわたしのあいだにある問題に、どう向き合っていきたい?

のんたん:
生きづらい社会、と思っている人が多いと思う。
生きづらい人がいなくなってほしいけど、なかなかそうはいかないよね。

学校や家庭、友達、職場、自分が所属しているコミュニティで生きづらさを感じているのなら、外の世界に、生きやすい逃げ道、コミュニティをみつけられる社会になってほしい。身近にCANvasみたいな団体があったら話せるっていうのもいいと思う。

そのために、まずは私が、人を表面だけで評価しない。悩みや生きづらさは、ちょっと関わるだけでにじみ出るわけじゃないから、それだけで判断しないようにしようと思う。

表現しづらいことを、自分にも表現してもらえたり、一つの逃げ道になれたらいいなと思ってる。「私はこう生きる」と自信をもてるように、自慢してもらえるような相手になりたいし、頭をやわらかくして、自分にしかできないことをやって、素直になっていきたい。

まき)CANvasも逃げ道になりたい。逃げ道に必要な条件は?

のんたん:
否定をしないこと。否定されたら悲しいし、「素直にはなすのは迷惑かな?」と思ってしまう人がいるかもしれない。

生きづらさを吐露することで、受け止めた側もはげみになったら、生きづらさを出してよかったんだ思える。そういうコミュニケーションができるといいなと。


編集後記(より):
のんたん、ありがとうございました!
就活から就職までのリアルな感情やしんどさがひしひしと伝わってきたし、だからこそ、これからの生き方をもっと大切に考えたいという想いや、他者に対してもやさしく大切に関わりたいという想いも伝わってきました。
これからも一緒に、そんな社会をつくっていけたらうれしいです!


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