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お化けへの対処法を考えよう

夜中。ベットへ入り布団にくるむと、どこからか嫌な音がした。例えることのできない音が自然と耳に入ってくる。あるいは脳内で勝手に再生されているのか。いずれにせよ、真相はわからない。

こういうとき日中なら、「ああ、疲れてるんだろうな」と、体調のせいにして済ますのだが、夜中となるとそうはいかない。

一番最初に疑ってしまうのは、お化けとか幽霊とか、妖怪とかの非科学的な存在だ。

この奇妙な音が仮にお化けだと仮定してベットで横たわる僕に近づくようなものなら、僕はどう対処すればいいだろうか。

まず考えられるのは電気をつけることだ。昔からお化けは電気にめっぽう弱いと子どもの頃から考えてきた。そのため小学生のときは必ず豆電球をつけて就寝していたものだ。「アレクサ、電気つけて」なんて言えればいいのだが、そういえば我が家はまだアレクサ非対応である。というよりも、お化けは電気を使えなくなくさせるほどの霊力を誇るとすれば、電気はそもそもつけられやしない。

電気がダメならどう対応しよう。そうだ、「下ネタ」で対抗すれば良いのではないか。お化けが僕の元に来る理由は大抵「怖がらせに来てる」か、「茶化しに来てる」かのいずれかだろう。ならばこちらが下ネタで対抗したら、やばい奴だと思ってその場から消えるに違いない。電車に揺られている中いきなり一人の乗客が「うんこ!」なんて大声で喚いたら、やばい奴だと思って隣の車両に避難するのと同じだ。

しかし問題点として挙げられるのは、そのお化けあるいは幽霊が生前僕の身内の人間だったときだ。身内の人間に下ネタをぶっかけることは、さほど仲良くない知人とカラオケへ行きトップバッターとして歌うことよりも恥ずかしい。守護霊として僕の寝姿を見守ろうとしているのにも関わらず、やれ「うんこ」だの、やれ「ちんこ」だの、小学二年生が使うような下ネタを発せられたらどう思うだろうか。ショックのあまり、それこそ成仏できない。

またその幽霊が身内ではなく戦国時代の落武者だったとしたら、果たして現代語とも言える「うんこ」が通じるのだろうか。落武者は目を丸くして、「うむこ!?」と言うに違いない。実際調べてみると、

「うんこ」の歴史は以外に浅く18世紀後半からで、更に「うんち」に至っては20世紀以降の用例しか存在していないそうです。

ということがわかった。やはり戦国時代の落武者に「うんこ」は通じない。返って「うんこ」の意味を知りたくなって毎日うなされそうである。

うーん。困ったことにどう対処すればいいか全くわからない。

しかし、そんなことを考えている間に奇妙な音は消えていた。僕が何を考えているかお見通しのお化けは、「コイツやっぱやべえ奴だわ!」と思って逃走したのかもしれない。今日もぐっすり眠れそうだ。


【参考文献】
「うんこ」の由来 2020.5.7閲覧


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