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思春期エッセイ集

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思春期時代の短編エッセイ。 ・思春期草創期の幼稚園時代 ・思春期早期の小学校低学年時代 ・思春期前期の小学校高学年時代 ・思春期中期の中学校時代 ・思春期後期の高校時代までを描…
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2021年2月の記事一覧

中キャの苦悩

中キャの苦悩

世の人間を陰と陽で二分することが解せぬ。

 世間では根暗な性格の人・おとなしいく控えめな性格の人を「陰キャラ」と呼び、その対極にある人を「陽キャラ」と呼ぶ。これらをそれぞれ略して「陰キャ」とか「陽キャ」と呼んだりする。最近では陰キャのことを、チーズ牛丼特盛に温卵つきを牛丼屋で注文しそうという意味不明な偏見から、「チー牛」と呼ばれたりもしている。

 果たして世界の70億人が陰と陽で二分されてしま

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父と未来とツーブロック

父と未来とツーブロック

 ディズニーランド・シーには「未来」をテーマにしたエリアがある。小学生だった僕は、ディズニーの未来観は現実化すると本気で思っていた。また、ドラえもんが誕生する22世紀は、きっと車が空を飛んでいるのだろうと非現実的な未来の空想を膨らましていた。

 しかし、子どもながらに「未来」を客観的に捉えたかったのであろう。自分以外の他者は未来をどう考えるのかを知りたくなった。同級生に、どうなると思うか聞いても

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バナナは許される

バナナは許される

バナナは栄養価が高くて且つ美味だ。普通、食材を含めてモノにはポジティブな側面に付随して、ネガティブな側面というものが存在する。

例えば、お菓子や炭水化物なんかがこれにら当てはまる。

しかしバナナはどうか。好き嫌いはあるだろうが、口に運んだときの食感がたまらない。

舌触りは柔らかで、自分の一口サイズを容易に決められる。噛んだ途端、肉のように肉汁は出ないのだが、肉汁のように口いっぱい広がる南国感

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赤ヘルファン失格物語

赤ヘルファン失格物語

今でこそプロ野球は広島東洋カープという赤いチームをひいきにしているが、僕が小学生の頃好きだったのは橙色のチームだった。

読売巨人軍である。

好きといっても応援団に入ったり、外野席で応援歌を熱唱していたわけではない。今日、ジャイアンツが勝ったらいいなというスタンスだ。

ただ、少ないお小遣いやお年玉を削ってファンクラブにも入っていたし、応援歌集のCDも持っていた。

また父がよく東京ドームへ連れ

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