中キャの苦悩
世の人間を陰と陽で二分することが解せぬ。
世間では根暗な性格の人・おとなしいく控えめな性格の人を「陰キャラ」と呼び、その対極にある人を「陽キャラ」と呼ぶ。これらをそれぞれ略して「陰キャ」とか「陽キャ」と呼んだりする。最近では陰キャのことを、チーズ牛丼特盛に温卵つきを牛丼屋で注文しそうという意味不明な偏見から、「チー牛」と呼ばれたりもしている。
果たして世界の70億人が陰と陽で二分されてしまうのだろうか。いや、そんなことはないはずだ。だって僕自身陰キャラでも陽キャラでもないからだ。名づけるとしたらなんだろう。中キャラ? なんか弱そうな響きだ。ポケモンには一般的に3段階の進化の過程があるが、初期段階と最終段階のキャラクターは人気があるのに対して2段階目はあまり人気がない。 中キャもポケモン同様なんかパッとしない。
なぜ僕が陰にも陽にも属さないのか。僕はいつも真ん中で漂っているような気がするからだ。陽キャで仲いい友達がいれば、陰キャの仲いい友達もいる。両方とも仲睦まじいならいいじゃないか。アリストテレスのいう「中庸こそ最強論」に沿っているし。と、ポジティブに考えることもできるのだけれど、実は中キャには中キャの苦悩があるのです。
基本的には陽キャは陽キャ同士とつるみ、陰キャは陰キャ同士でつるむ。水と油といったとこだろうか。そうするとどちらにも属さない僕は、ほとんどの場合どちらにも呼ばれない。例えるなら、水と油の入ったコップに浮かぶ抜け毛みたいな存在である。もちろん、彼らが僕を呼んでくれるときもあるが。
だから、みんなと仲良くできるのだけれど、深く仲良くなれる人は稀なのだ。なんとも無念。したがって僕は自分から声をかけざるを得ない。誰からも誘われない中途半端な立ち位置なのだから、自ら誘う。
ただ稀に彼らが僕を遊びに誘ってくれることがある。その瞬間は本当にうれしい。陰キャ・陽キャ問わず。だから僕には陰キャとか、陽キャとかは全く関係ない。これからも、こんな僕を誘ってくれる友人たちを大事にしたい。
フィリア である。
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