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あなたのその眼差しが、あなたでした。

じぶんでじぶんのことはほんとうにてんで
わからないので。

たとえば小さい頃ならぼんちゃんらしいね
って言われると、そうかこれがわたしらしい
のかって。

だれかにわたしを発見してもらえることが
あります。

それはそれですごいことなんですよね。

だから大人になってこのnoteでもゼロちゃん
らしいねって言われると。

なんだかうれしいです。

そか、こんなふうにだれだれちゃんはわたしの
ことを見て、掬ってくれたのだなって。

それは、通りすがりだったわたしをみつけて
くれて、そのあとも視線を注いで頂いていた
ことになるのだから。

そんなラッキーなことはないんです。

そんな思いで今回のライラック杯のテーマは

私らしい、私になる。


でした。

素敵なタイトルやんかぁって思いながら
そうのんきにも構えてられないのは
今回はしんさいんを仰せつかったからでした。

マジ緊張しました。

ちなみに子供の頃からは弟にマジと呼ばれて
ました。

こどもの日ですので、突然思い出しました。

てなわけでマジ頑張りました。

389首あったんです。

すごい!

これって私見ですが、一冊の短歌集のボリューム
なんですよね。

もっと少ない短歌集もありますが。

そういう意味ではみなさんの作品を万葉集のように
かみしめながら一冊の歌集のページをめくるように
読ませて頂きました。

イントロの終わり方がわからないのでここらへんで
もう発表しますね。

順位をつけるのがとてもいつも(仕事でも)
苦手なのですが、つけさせていただきました。
今回歌がラインナップされた表を作って頂いていたので
お名前などは知らない状態で、選歌させて頂きました。
純粋に歌のみで、ひとめぼれした短歌たちです!

🥇第一位

完璧な春の形はきみの指スマホの上を
      メヌエットゆく       



ひとめぼれでした。
歌は出会いがしらのところもあるので。一目見て、これ好きって思いました。指という体の一部をまるで春という季節の中の風物詩のように眺め見ているところ。この眼差しには色気を感じたんです。メヌエットという舞曲がこの31文字の中に登場することで、調べが生まれるんだなって。
この調べはまさに春の調べなのだと。そしてこんなふうにスマホの上で指を動かしている人をみるたびに「メヌエット」たちと名づけたくなるほどでした。日常に変化をもたらす歌ってやっぱり素晴らしいのだと今も実感しています。


🥇第二位

空高く風に揺蕩う花びらがはじめてふれる
柔らかなつち 


この歌と出会った時に、舞い落ちる桜の花びらを想っていました。
桜の花びらに自分の想いを託すそんな歌はたくさんあるなかで
この視線はとてもやさしいなって感じました。初めて散ることを
覚える花びらがどこに着地するのか、わからないにのにその場所は
やわらかな土だったと詠めるその眼差しに感嘆していました。
この歌を眼にした人々はどこかにおおらかな希望を感じるようだと
思いました。そして風に舞う花びらの自由さも同時詠われているところ、
歌の中に気持ちよくそよぐ風を感じました。

🥇第三位

桜花 椿のようにぽとり落ち そっと手のひら 乗せてなお咲く 



桜の花びらがまるで椿の花びらのようにぽとりと落ちたという
akarikoさんの眼差しの気づき方にとても惹かれました。
桜の花の愛で方にもいろいろありますが。散ってゆく花びらが
どんな軌跡を描いて落ちてゆくのかをみつめているその視線は
ひたすらにやさしいなと思ったのです。そしてその発見を題材に
歌にするだけでなく。手のひらでまた息をふきかえしたかのよう
に咲いているという情景そのものが、春のワンシーンのように
やわらかく響きました。まだみぬ春を見せて頂いたかのようです。

🥇第四位


 朝露に濡れるつま先花びらの足りない花が
1日を生く   


この歌にも新たでやさしい視線を感じました。そして時間のとらえかたを
瞬間から永遠に変えてしまうかのように、一日という単位を大切に生きている姿を桜に託しているその眼差しが素敵です。一日を生きているのは人だけではなくて、自然も同じだという捉え方が素晴らしいです。花びらが一枚足りないところにちゃんと寄り添っている詩は、誰しもが読んだ時に救われる思いがするのではないでしょうか。わたしは自分の欠けた所も愛せたらいいのだという、今回のテーマをなぞるように堪能しました。

🥇第五位

春の夜の月の欠けてまた満ちる
だれかがひとつしあわせになる
 


月の満ち欠けに思いを馳せる春を描いています。この歌に詩を感じて
いました。満ち欠けを自然の現象だけでなく、その欠けて満ちてゆく
ときに、地上に視線を放ち、誰かがまたひとつしあわせになると歌う
ところ。だれかの幸せをいつも願っている姿が思い浮かんで、この歌
に触れた人にも、幸せが訪れるようなそんな素敵な歌だと感じました。
月をみるときにこれから視線が変わりそうなとってもロマンティックな
想いをありがとうございます。こんなふうにやさしくなりたいなって、
思いました。

🥇第六位

たんぽぽの綿毛に絡む赤い糸ほどいてみたら
風になってた 


 

童話の世界のような短歌がわたしの眼に飛び込んできた時から
この歌はわたしに子供がいたら教えてあげたいなって思った、
そんな歌でした。たんぽぽのふわふわしたやさしさに絡んでる
赤い糸をほどくと、ふいに風にまぎれてしまうなんて。ちょっと
絵本のページでしか出会えないような歌だと思いました。
31文字の世界を存分にひろげることで、読者を心豊かな世界に
遊ばせてくれた歌に出会えたこととても幸せです。


今回受賞されたみなさまおめでとうございます!
みなさんの詩にであえたしあわせをいただいたことで
またわたしの短歌の世界をひろげていける希望を
頂きました。ありがとうございます。

すみません!
発表の時間に間に合わないという大失態しています。
お待ちいただいていたみなさま申し訳ございません。

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