見出し画像

思い出に、抱きしめられる時。

映画とかで、時々ハグする人たちをみるに

つけ、あれは発明だなと、思う時がある。

猫とハグしていた時もそうだけど。

祖父がハグしてくれた時もそうだけど。

ハグって、包まれている時間のことだよね。

って、つぶやいてみる。

わたしにとってハグの体験は数少ないので

ふいに思い出すのは、ユリちゃんのことだ。

ユリちゃんは小学5年生まで、同じ学校に

通っていた帰国子女だった。

すらりと手足が長くて、頭の髪の毛はもじゃ

もじゃっくるくるっとしたショートカットで

かわいかった。

背はすごく大きいのに、やさしくて。

ぼんちゃん、ぼんちゃんってわたしに懐いて

くれた。

わたしもいわゆる天パだったから、ユリちゃんと

同じだった。

わたしユリちゃんが転校してくるまで、

ずっと大きな子だった。

それがなんかいやで。

可愛げないねってじぶんで思っていた。

背が大きいのに、走っても遅いし体育も勉強も

身のこなしもぜんぶあまりよろしくないよ、

全然イケてないねって感じで

自分に自信がなかった。

そしてユリちゃんが転校してきて、わたしより

大きくて安心した。

邪魔そうなぐらいに手足が長くて、あそこまで長いと

逆にうらやましいわって感じだったけど。

ユリちゃんは、ほんとうにユリっていう名前で。

漢字とかに置き換えないカタカナのユリだった。

そしてわたしが転校したので、ユリちゃんとは

さよならになった。

5年から6年の転校って、あまり挨拶らしいもの

が、できなくて。

とつぜん、わたしが6年生になっていないみたい

な感じだったらしい。

それから2年ぐらい経った頃。

学校から路線バスに乗って駅に着いて

みんなとバイバイして、いよいよひとりで

帰ろうとして次のバス停へと歩いていた時、

すっごい私の名前を呼んでる人がいた。

ちょっとこわ! ぐらいの大きな声。

曇った気持ちと心でその声の方へと顔を向けると

さらにでっかくなっていあのたユリちゃんがいた。

でかいよ!あれからまたでかくなってるよユリちゃん

って思ってたらぼんちゃん、やっぱりぼんちゃんだって

彼女はわたしの名前を呼んだあと、当たり前の如く

ハグしてきた。

さすが外国帰りだ。

ハグされ慣れていないわたしは、棒立ちのままぎゅっと

ユリちゃんに抱きしめられた。

そして頬を付けるタイプのビズもしてくれた。

その時、ユリちゃんは目の中に涙をためていて、

会えないと思っていたからうれしいよってもう一度

ハグ&ビズをした。

ユリちゃんと体を話してもまだその体温は

残っていて、心の底から温まってくるのを

感じていた。

こんなことを思い出したのは、

みきともさんのnoteに出会ったからだ。

みきともさんは、3人のお子さんのお母さんで

いらっしゃる。

親であっても感情を四六時中制御はできないことが

あるから、ついついきつく怒ってしまうことが

あるのだと、綴られています。

みきともさんが、子供時代だった頃、ご両親から

すこしでもフォローがほしかったなって思いに

気づかされたことを経験に。

怒り過ぎた時は、あまり時間を置かないで

お子さんたちに

「お母さん怒り過ぎたわ。ごめんね。」

って言うんだそうです。

そしてその時々で、なるべく腹を割ってオープンに

話されると。

そして「だいすきだよ」と言って抱きしめること。

いいなぁ、ちゃんと抱きしめることって。

わたしも鹿児島に帰るたびに祖父が玄関で

腕を広げてまってくれていたので、必ず

ハグしてもらっていた。

ハグって、一度されたらその温かな感覚って

じぶんのなかに抒情みたいな感じで

残っているから、ぜったいあとあとの人生を

送るうえで、とても力になってくれる。

みきともさんとは実は、この7月にはじめて

お目にかかった。

ドイツから来日されていたので、とある

とある場所の海辺で一日中、食べたり

歩いたりしながら過ごしていた。

昔から知っていたようなとても懐かしい

気持ちがした。

しっかりした頼れるような後輩のような。

岩場に座ったまま、寄せては返す波を眺めながら

noteのことや海外からみた日本のことや、

noteで「書く」ってどういうことだろう? って

ことやnoteで好きな書き手さんのことまで、

ずっと満潮になるぐらいまで話していた。

わたしが会うきっかけになったのは、

みきともさんが、わたしの仕事のひとつである

キャッチフレーズをオーダーしてくださった

からだ。

彼女のnoteをいくつも拝読して、なんどか

完成の形にちかづくまで、なんどもメールの

なかでお話を重ねていた。

これまでの仕事や親になられたことや

いまいちばん感じていることなど。

そして出来上がったのがこちら。

      ◆みきともさんのキャッチフレーズ

いっそ 心に雨をふらせるような 記憶もゆるしあえたなら


になりました。

雨や川や水が好きなみきともさんのこれまで

歩いていらっしゃった時間を、雨の中にとじこめて

したためてみました。

お目にかかって、いろいろな神社を巡ったり

アイスクリーム食べたりドイツにないって

いうたこ焼き食べたり、潮風を感じたり。

なんにもしないいちにちを、みきともさんと

一日中その島で過ごせたこと、すてきな

夏の栞のひとつになりました。

みきともさんのエッセイはとても読み応えが

あって、どれも圧巻です。

ぜひごらんくださいね。

こうやって、キャッチフレーズを書かせて

頂いた方と直接お目にかかるって、

やっぱりnoteじゃなければできなかったこと。

こういう出会いを、すこしずつゆっくりと

重ねていきたい2022年の夏です。


◆お創りしたキャッチフレーズ集

◆ご注文のかたはこちらをご覧くださいませ










この記事が参加している募集

noteでよかったこと

いつも、笑える方向を目指しています! 面白いもの書いてゆきますね😊