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これからは、別チームなんで。そういうつもりでいてほしいと、彼は言った。(ある意味自己紹介的な)

note20日目。
noteって、noteだからって、あなたのnoteなんだからって、
なんでも書きゃいいってもんじゃないよね、っていうことを
重々承知しつつ。

もうずいぶん昔のことだから、あれだけど。
家族ってなんていうか、もともとワンチームじゃなきゃ
いけないとか思ってないし。
みんなそれぞれでいいと思ってるし。
血縁とかだけが、すべてじゃないって。

小さいときは、弟とそれなりに仲がよくて。
喧嘩しなかった、っていうだけだったかもしれないけれど。
弟のすることに、別に腹もたたなかったし。

小さかったある日のこと。

日曜のお昼に、まだ誰も家族が掛けていなかった頃。
みんなで、三色そうめんを食べていた。
あのピンクとかブルーとか黄色? とかのカラーそうめんのことです。
それなりに、可もなく不可もなくっていう会話と、
「アタック25」とか見ながら、答えを私以外のみんは言いあったりして。
みんな、クイズに勝ちたがってた。
それはいいんだけれど。

そんな時。
穏やかに、そうめんすすっていたのに、弟はいきなり怒り出した。
アンガーマネジメントがおそろしく下手だった弟は、

「ぼくのお皿には三色そうめんが入っていない。まゆちゃん(仮名)
のは入ってる」
って。

まゆちゃん(仮名)、つまりわたしの素麺皿には、入っているじゃないか!
あの3色が! っていう訴えらしい。ま、どこでもありそうな話だけれど。
わたしは、細いピンクとブルーのそうめんを掬ってしずしずと、
奴の皿に移した。

え? 入ってたがな。あんた食べてしもうたんちゃうの?

とかはわたしも面倒なので言わなくて黙って、移し替え作業に専念した。

「みんなに均等にママは、入れたわよ、食べちゃったんじゃないの?
しょうがないわね」

みたいな感じで母も、茹でたての何本かを箸で掬って
弟の皿に付け足した。
まぁ。彼はみんながぼくよりどこかで、得してるって思いから
いつも逃れられないそんな気質だったから。

そういうことは日常茶飯事だったし、そういうことは、
山のようにあったし、そういうもんだと思っていた
けれど。

それから、いろいろあって、家族もそこそこばらけてきて。
彼は新入社員4ヶ月目ぐらいで。
それこそありすぎや! みたいな感じで結婚に突入
してしまうわけだけれど。

この結婚。
順番ちがうんやないかい? みたいなこともふくめて。
それを突破したことで、家族もとろもこじれにこじれて。
ま、彼の味方にわたしがならんかったことが、なんか裏目
というかそういう感じになってしまって。

挙句の果てに、捨て台詞のように言い放ったのが、
冒頭のタイトルになってる言葉で。

「これからは、別チームなんでそういうつもりでいてほしい」

「ぼくは、なんかあった時に、誰を助けるかっていったら嫁を助けるから」
って。

なんか、沖で溺れてる母とわたしをよそ目に、同じく
溺れてる嫁の元に、颯爽と泳いで駆けつける弟みたいな図が
たちまち浮かんできた。

あぁこれは。
もう縁を切りたいって言ってるんやなと。
そう理解して。

言い放たれたそのボールを、ぶふぉんと胸に受け止めた後の暫くは、
なんていうか、そのボールが未だ味わったことない熱量だったんで、
胸に穴空いたわ。焦げてしもたわ。みたいな日々を過ごしていた。

ま、父も遠い場所で弟の言葉を借りると別チームを作ってはったし。
いや、そんなことどうでもよくて。父が好きだったわけでもないので。

家族ってワンチームじゃないといけないか、別に思わないけれど。

他の確率では会われへんかったひとつの家族が、ひとり抜け。
残されたものたちが、さらにホームとアウェイに分かれてしまうって
どういうことなんやろうと。
ちいさかったかたまりが、セルになってそのセルのなかで、
バーサスするって。
家族対抗の意味、変わってくるやんみたいな。

それから弟と縁を切ったかって言うと、彼は言い放った後も
なんかちょくちょく実家に帰って来るんやけど。

なんか、すごいわ。あそこまで言い放っても、ああいうこと
言わなかった。そんなこんななかったかのように、
帰ってきてって。ある意味すごい。

まだ、わたしの中では、わたしらは別チームやと思ってるん
やろなって。ぐるぐるする。

この間の週末。ピンポンが鳴ったから、出たら。
弟の子供、わたしの甥っこ空君(仮名)が、玄関口に立っていた。

「これ、父さんから。ふるさと納税で余ったから」って。
空君(仮名)の持っている「銀座・あけぼの」の袋の中を
覗いたら、サクランボがパックで入っていた。

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それを見て、なんていうか。甥っ子たちとは、それなりに、
可愛いやんかみたいな関係なので。
ありがとう空君(仮名)ってなりながら、なんか思いが
むわんと浮かんできた。

弟は、別チームで着々とお父さんをやり続けて、子を奥さん
しずるさん(仮名)とふたりで育て、
お父さんやってたんや! って急に思いが巡ってきて。

それはそれですごいやん。って。
あの言葉のトラウマからは、今も逃げられへんけど、
今日お父さんの日やんか! もう!

いろんなおとうさん。
いろいろあるよねみたいな気持ちが、いまのいま湧き上がっています。
冒頭を書いた時と気持ちが若干どころかすごい変化してる。
noteおそるべし!

え、お父さんって、どうやってお父さんにゆくゆくなって
いくんやろうって。おとうさーん!

なんか、弟って。あの言葉といいこのことといい、いっつも
衝撃を与えてくれはるわ。
ほんまにどういうことやねんって。
なんかオチが変わってしまってるやんって。

もう、こんなに長い独り言にお付き合いいただき
ありがとうございました!

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