ホーキング博士と口下手な僕
昨年、ホーキング博士が亡くなった。76歳だったそうだ。映画「博士と彼女のセオリー」の中で、病気(ALS)を発症した学生時代に、あと数年しか生きられないと言われていたと知った時には驚いた。電動の車椅子で歩き、合成された人工の声で話したホーキング博士。本人が「このせいでサングラスやカツラをしてもバレてしまう」とネタにした、異形とも思えるその姿が僕は好きだった。世界でも指折りの英知を守るための特別な待遇なのかもしれないけれど、それでもひとりのとても弱い人に人間らしく生きてもらうため