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第3話 運命の出会い
最寄駅を降りて、なんとなくケーキが食べたくなって、コンビニに入った。
自動ドアの目の前の特集コーナーで、熱心に品定めしている男性がいた。
同い年くらいだろうか、いやいや、もっと若いのだろうか。
今、振り返ってみて。
振り返って、それから、私の顔を見て、
一目で恋に落ちて、
声をかけてきて。
「あの…」って。
そしたら、それが運命の出会いかもしれない。
なーんて、それは私が絶世の美少女
第2話 世界の七不思議
この世界には七不思議がある。
その中でも、最も理解できないこと、
それは…
*
「ハーゲンダッツ、食べな」
19:00過ぎ、親友の奏に呼び出されて向かうと、
そこには2つのハーゲンダッツと、
奏と、
それから、
先輩の姿がそこにあった。
どういう状況…?
「溶けちゃう前に、食べなね」と、奏は私と先輩にハーゲンダッツを差し出した。
先輩、とは言っても、知ってるのは性別と名前くらいで、
ほ
第1話 あなたの好きなもの
目で追うことに関しては、私はもうプロだった。
興味ないふりをしながら、ちゃっかり視界の隅に入れる。
そうやって、私は遠くから、彼のことを知っていくのが日々のささやかな楽しみだった。
彼と、名前も知らない誰かが、話しているのが聞こえる。
どれだけ多くの人の話し声が室内に充満していても、
私の耳は、彼の声を見つけるためだけにある。
「俺、最近、フエラムネ買うのハマってんですよね」
ふーん、フエラ