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ない記憶が、呼び起こされる

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私にも、そんなことがあったなあ 私にも、そんなことがあったような気がしてくる そんな風に思ってもらえるお話を書き留めていきます。
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第4話 本当はいい娘

第4話 本当はいい娘

「宇佐美ちゃーん、またここ間違ってるから。すぐ直してもらえる?」

「はい!ご確認ありがとうございます!」

宇佐美さんは、私の二つ上の代の先輩だ。
同じ営業事務課に配属されている。
おっちょこちょいだけど、仕事は真面目。
容姿もさながら、社内のムードメーカー的存在だ。

いいなあ、私も宇佐美さんみたいになりたい。

そんな淡い憧れを打ち砕かれるのに、
そんなに時間はかからなかった。

「蓼山さん

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第3話 運命の出会い

第3話 運命の出会い

最寄駅を降りて、なんとなくケーキが食べたくなって、コンビニに入った。

自動ドアの目の前の特集コーナーで、熱心に品定めしている男性がいた。

同い年くらいだろうか、いやいや、もっと若いのだろうか。

今、振り返ってみて。

振り返って、それから、私の顔を見て、
一目で恋に落ちて、
声をかけてきて。

「あの…」って。

そしたら、それが運命の出会いかもしれない。

なーんて、それは私が絶世の美少女

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第2話 世界の七不思議

第2話 世界の七不思議

この世界には七不思議がある。
その中でも、最も理解できないこと、
それは…

*

「ハーゲンダッツ、食べな」

19:00過ぎ、親友の奏に呼び出されて向かうと、
そこには2つのハーゲンダッツと、
奏と、
それから、
先輩の姿がそこにあった。

どういう状況…?

「溶けちゃう前に、食べなね」と、奏は私と先輩にハーゲンダッツを差し出した。

先輩、とは言っても、知ってるのは性別と名前くらいで、

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第1話 あなたの好きなもの

第1話 あなたの好きなもの

目で追うことに関しては、私はもうプロだった。
興味ないふりをしながら、ちゃっかり視界の隅に入れる。
そうやって、私は遠くから、彼のことを知っていくのが日々のささやかな楽しみだった。

彼と、名前も知らない誰かが、話しているのが聞こえる。
どれだけ多くの人の話し声が室内に充満していても、
私の耳は、彼の声を見つけるためだけにある。

「俺、最近、フエラムネ買うのハマってんですよね」

ふーん、フエラ

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ゆる告知:新しいこと始めようと思うので、良ければどうぞ!

ゆる告知:新しいこと始めようと思うので、良ければどうぞ!

まあなんか結婚してからnoteも全然書かなくなってしまって、
こんな自分が嫌だな〜と思ってたんですけど、
仕事もなかなか悩み続きで…

なんか新しいこと始めたいなと思い、
こんなものを作ってみました。

https://note.com/bron120ml/m/ma8e2045c8ca8

今までのように、ただの私の掃き溜め日記ではなく、
もうちょっと、共感してもらうことを意識して、
なるべく長く

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