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セルフブランディング(自)問(自)答 ⑧

ブランドは大きくすればするほどいいのか?
考えてみてください。ブランドの「成長」は何も「規模」だけにとどまらないはずです。成長を規模とイコールで結ぶこと自体がもう考え方が古い。全てのブランド事業がIPOをやみくもに目指す必要はないわけです。そのお話をします。

(自)問 ⑧

ブランドに
規模拡大は必要で
すか?



大きな収益をねらうには事業規模が大きい方がいいと言えますが、そもそもブランド力と業績は異なる問題です。ではブランド力をつけるために事業規模は大きい方がいいのか?ということですが、ここで考えたいのは皆さんが

ブランド事業の規模をどれくらいにしたいですか?

これに依存します。事業所のある駅周辺で集客できればいいのか、日本全国的に認知度上げて集客して行きたいのか。ブランド船を動かしたいのであれば大きな動力を作る歯車は必要です。でも自転車を動かしたいだけなら2本の足で良いわけです。だからみなさんの事業次第。目標次第ではないかと思います。

永遠に続く経済成長はない。ブランドしかり。
落ちる時もあれば上がる時もある。拡大が善とされていた時代もありますが、今の日本は大幅な人口減が待ち受けていますので、経済縮小の中でブランド事業を成功させていくには、自身のブランドのマーケットサイズを見極めるということは大切です。太平洋をヨットで横断はできません。逆に対岸が見える湖の横断に、潤沢な燃料と動力がある大型タンカー船は経費がかかりすぎて赤字を出します。

自社ブランド事業の
マーケットサイズを見極めること

あとブランド規模で問題になるのは「機動力」です。物や情報の変化が早い中で機動力があった方が絶対にいいわけです。この機動力とはつまり、失敗した時にすぐに立ち上がる力と速さです。軌道修正にかける速さです。つまりこれが言えます。



ブランドの軌道修正力

ブランド規模(大) < ブランド規模(小)



大企業がぶら下げているものをみてみてください。株主の意向、数千人クラスの従業員、その人たちの社会保険負担、数十の営業所のテナント料、営業にかかる経費、巨額の法人税。
ブランド力は大きければ大きいほど、認知度も上げやすく、収益もそれだけ見込みやすいですが、大きな規模はリスクでもあります。上に上げた軌道力を削がれる「持ち物」が多い分うごきも遅くなる。コロナに始まる突発的な事態にも修正が効かせにくく、場合によっては大きな負債を抱えることになります。わかりやすい例でいうと、コロナ禍の航空事業です。ANA、JALなどはオリンピック需要で業績アップが有望視されていた事業ですが今では国有化の噂さえ出ています。つい先日のニュースでは、赤字事業を乗り切るため?なのかこんなことを始めていました。


ブランドの「認知度」で言えば、別に規模はたいして関係ありません。例えば、ANAとANAが最近広告で起用した大阪なおみの例です。


ANA従業員(約45,000人) vs  大阪なおみ(1人)


世界中でテニス好きの人の中には、ANAという日本の国際航空便を知らない人は多いでしょう。また、世界中で飛行機に乗ったことがない人たちは、ANAという日本の国際航空便を知らなくても、大阪なおみは知っているかもしれない。
あるいは、世界中の人々にとってはANAより、大阪なおみやピカチュウやドラえもんや、マリオの方がよほどブランド力がある。と言えると思います。

では私たちからするとどうか?
ANAはかつての国を代表する航空会社JALを差し置いて、日本の空のマーケットシェアをとった強力なブランド会社です。

以上の内容からブランド力は、直接的には規模は関係がないと言えます。であれば、やみくもに事業に見合わない規模拡大を狙い続けるのは余計な荷物を背負い込むのと同じと言えませんか?



(自)答 ⑧

ブランド力とブランド規模は関係がない。
規模の大きさはブランド次第ではあるが
規模拡大にはリスクがともなう。









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