【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #4
【総合目次】
← #3
気の遠くなるほど昔のことでも、読み取ろうとする者がいるかぎり、世界は覚えているものである。
今や魂の残滓を残すだけとなった神々も、かつては姿形を持っていたらしいことは、各地の遺跡や伝承が物語っている。人類とは別の種族……英明なる長耳の森人だとか、炭鉱に住まう小人だとかが存在したことも。
その時代について分かっていることは断片的だ。現代よりも遥かに優れた文明を持っていたこと、それでも摩擦や軋轢は少なからずあったこと。そしてその黄昏は穏やかな