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白狼の子たる修道女

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修道女のお姉さんが殴ったりちぎったりして殺すお話です。マガジンは公開日時順に並んでいます。完結済み。
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#異世界ファンタジー

白狼の子たる修道女 総合目次

前日譚的な外伝【嘆きの声で歌うのか?】 前編 後編 本編 【けだものは神に祈るのか?】  …

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【けだものは神に祈るのか?】 #1

 死のにおいが漂う洞窟の奥、紺色の修道服を着た女がオークに馬乗りになり、幾度も顔面を殴り…

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【けだものは神に祈るのか?】 #2

【総合目次】 ← #1  暮れ方。燃えるような色に染まった平原の道を、三人の冒険者が歩いて…

10

【けだものは神に祈るのか?】 #3

【総合目次】 ← #2 「けえぇぇッ!」 「なッ」  咄嗟のことに、ドアに一番近い位置にい…

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【けだものは神に祈るのか?】 #4

【総合目次】 ← #3 「あぐっ! うあっ、ああっ! やめ、やめろぉぉ……っ!」  聞こえ…

7

【けだものは神に祈るのか?】 #5

【総合目次】 ← #4 「レイチェル……さん……?」  ケネトは痛みも忘れた様子でその名を…

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幕間 1 緋色の牝鹿亭にて

【総合目次】 ← 【けだものは神に祈るのか?】 #5  時刻は夕方。すべての部屋の掃除を終え、トビーは手持ち無沙汰であった。  レイチェルが仕事に出てから数日、《緋色の牝鹿亭》は客のいない日々が続いている。毎日部屋の準備は整えているが、今日も徒労に終わるだろうか。ちょうどそう思っていたところに、錆びた蝶番の金切り声が階下から響いてきた。  急ぎ階段を下り、ロビーに入る。ふらふらとした足取りのレイチェルがそこにいた。 「おかえり、レイチェルさん!」トビーは自分の大声に

幕間 2 とある寒村にて

【総合目次】 ← 幕間1  村の入り口に放置された荷車に座り、つまらなそうに足を振ってい…

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幕間 3 リディアの街にて

【総合目次】 ← 幕間2  昼時の雑踏の中、トビーはくしゃくしゃに顔をしかめて立ち尽くし…

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酔夢 1 母に抱かれて目覚めた朝

【総合目次】 ← 幕間 3  私はまどろみの中にいた。横倒しになった視界いっぱいに、白い…

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【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #1

【総合目次】 ← 酔夢 1 「群ゆ……ゆ……」  トビーは眉間にしわを寄せてページを睨ん…

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【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #2

【総合目次】 ← #1  《鶫の枝亭》は冒険者ギルドに併設された酒場であり、当然ながらその…

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【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #3

【総合目次】 ← #2  酒場を出ると、肌寒い夜の空気がアルティナたちを出迎えた。この時間…

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【その灯りを恐れなかったのは誰か?】 #4

【総合目次】 ← #3  気の遠くなるほど昔のことでも、読み取ろうとする者がいるかぎり、世界は覚えているものである。  今や魂の残滓を残すだけとなった神々も、かつては姿形を持っていたらしいことは、各地の遺跡や伝承が物語っている。人類とは別の種族……英明なる長耳の森人だとか、炭鉱に住まう小人だとかが存在したことも。  その時代について分かっていることは断片的だ。現代よりも遥かに優れた文明を持っていたこと、それでも摩擦や軋轢は少なからずあったこと。そしてその黄昏は穏やかな