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「イタリア人が書いて日本語に訳された本」を巡る冒険

「イタリア人が書いて日本語に訳された本はありますか?」

品出しをしていると外国人の男性数名に呼び止められ、スマートフォンの画面を見せられました。

イタリア人の作家。過去に読んだ何人かの名前が頭に浮かびました。

とりあえず海外文学の棚へ。アントニオ・タブッキは……ない。「供述によるとぺレイラは……」を置いていてほしい。なかなかタイムリーな主題なので。

ジュンパ・ラヒリの最新刊を見つけました。

たしか彼女はローマ在住。イタリア語で小説やエッセイ、詩集などを書いています。↑もそのひとつ。ただ紹介しようとして気づきました。これは「イタリア語で書かれて日本語に訳された本」だけど「イタリア人が書いて日本語に訳された本」ではないと。ラヒリはロンドンで生まれ、アメリカへ移住したインド系アメリカ人なのです。

私の拙い英語ではその辺のニュアンスを伝えきれず、諦めて文庫の棚へ向かいました。

次の目標は河出文庫から出ている↓。単行本で読みました。

在庫なし。ならばと↓を求めて岩波文庫へ。読んでないけど存在だけ知っていた作品です。

ありました。グループのひとりが「ウンベルト・エーコ!」と声を上げ「ローズ…」と呟いて視線を合わせてきます。ローズ? 「薔薇の名前」のこと? やはりあれが代表作なのかな。残念ながら置いていません。いつか文庫になったらあるいは。

さらに講談社文庫へ移動し、↓を発見。

今度は別の男性が「ロダーリ!」とハイテンションに。ロダーリの本は他にもいくつか置いていたので「これで十分だよ、ありがとう」と納得していただけました。

レジに戻り、しばらく経ってから「あ、ブッツァーティを忘れてた」と気づきました。↓を勧めたかったなあ。特に「タタール人~」はカフカ推しの私にとって思い入れの強い傑作です。

咄嗟のことだと難しいですね。まだまだ修行が足りません。また日本に来る際はぜひ!!

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