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少なくとも「○○○○の2位」はダメじゃない

宮島未奈さん、おめでとうございます。

私の職場にも「成瀬ファン」がいます。「本当に天下を取った!」と大騒ぎしていました。読んだ人がみんな笑顔で「笑える」「元気が出た」と話しているのが印象的です。

本を読んで笑う。元気になる。ありがたいことです。かつて私も溺れる者が藁をつかむ心境で伊坂幸太郎さんの「砂漠」を手に取り、笑い、元気をもらい、救われました。ずっとエンタメ小説を下に見がちだったけど、一気に考えが変わりました。

きっと「成瀬」も同様のエネルギーで溢れているはず。「軽そうだなあ」と感じた人こそぜひ。いまなら続編の「信じた道をいく」と一緒に多くの書店で積まれています。

ところで、少し前にこんなnoteを書きました。

こちらで「もっと売りたい。あらすじやレビューを読み、率直にそう思えた作品」として紹介させていただいた津村記久子さんの「水車小屋のネネ」は惜しくも2位でした。

「2位じゃダメなんでしょうか」という某政治家の発言が流行ったのを覚えていますか?

少なくとも「本屋大賞」の2位はダメじゃない。「ネネ」は間違いなく名作です。元気が出るというよりは、温泉へ浸かるようにじんわり癒されました。人生捨てたモンじゃないなと。

すでに41万部を超えている「成瀬」と同じく、2023年の受賞作「汝、星のごとく」もノミネート前から売れていました。そういう本を「もっと売りたい!」と推すのもアリです。ただ、どうせなら完成度に見合うセールスに恵まれていなかった不遇な名著に光を当てたい。「ネネ」や昨年2位の「ラブカは静かに弓を持つ」みたいな本に。

色々な考え方があるでしょう。私は「本屋大賞のおかげで出会えた」とお客さんに言ってもらえる作品を推していきます。

2位以下もぜひ書店でチェックしてみてください。

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