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「言葉」を発するのも「行動」

「この世の不条理はすべて己の実力不足が原因じゃ」

新日本プロレス・グレート-O-カーン選手の発言です。世に蔓延する理不尽に文句を垂れるのではなく「実力で覆せ」と。一理あります。

一方でおかしいことに対して「おかしい」と言わない人は賛成していると見なされるのも事実。あと自力ではどうにもできないケースも存在しますよね。国の定めたルールが不条理且つ的外れであっても一個人には変えられないように。

そういう状況を動かすにはどうするか? 表現方法は様々ですが、基本になるのは言葉でしょう。「思っていることは口にしないと誰にも何も伝わらない」という内藤哲也選手の姿勢もまた揺るがぬ真理なのです。

実力でどうにかできることは自分の力で解決し、それが難しいシチュエーションなら言葉を使って議論を巻き起こす。疑問を投げ掛けて世間に訴える。ダメなのは、おかしいと感じても行動せずに「みんながやっているから」「上が決めたから」と黙って従うこと。みんなが従っているから、国が決めたから正しいとは限らないのは先の戦争が証明しています。

言葉を発するのも実力で変えるのも勇気を要します。いずれもれっきとした「行動」です。その意味で私は内藤選手と-O-カーン選手共に正しいと思いました。

ただ-O-カーン選手に一言。彼はプロレスリング・ノアを「破産したインディー団体」と揶揄しました。対抗戦に向けたヒールとしての煽りであってもいただけません。まず新日本も2005年にユークスが買収しなかったら倒産寸前でした。次に「じゃあいまのあなたの実力でドームや武道館を満員にできますか?」と。たぶん難しい。だから言葉を使ったんですよね。それはいい。でもだったら語彙をもう少し選ばないと。

せっかく実力があり、自分の言葉も持っているのに軽々しいというかもったいない。この辺のバランス感覚では、まだまだ内藤選手の方に一日の長があるようです。

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