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「まさか」なんて思わない

8年振りの日本復帰。しかも故障明けの初戦で5回3失点。悪いなりに最低限の仕事をする辺りは、むしろ「さすが」です。

ひとつ確かなのは「メジャーは日本よりもレベルが高い」から「メジャーで活躍した選手は日本でも結果を残して当たり前」というロジックは必ずしも正しくないということ。実際メジャーで活躍しても日本では期待外れだった外国人選手なんていくらでもいます(我が阪神タイガースでいうなら7試合だけ出場して「神のお告げ」で引退したグリーンウェルとか)。

様々な本を読む限り、メジャーと日本ではボールも違えば気候も違います。キャッチャーの配球やマウンドの堅さ、ロージンバッグの質なども異なるようです。NPBの選手がメジャーに慣れるのに時を要するのなら逆もまた然り。田中投手の場合、メジャー復帰の可能性も視野に入れているので、完全な「日本仕様」へ戻すことに対してためらいがあるのかもしれません。メジャーの感覚を忘れぬまま日本でプレーしたいと。ただの推測ですが。

ちなみに書店でも会社によってやり方が異なります。たとえばふたつ前の職場では「カバーをおかけしましょうか?」とお客さんに訊ねるのはNGでした。「カバーをかけるのは当たり前のサービス」という理由で。「レジでの待機中はとにかくカバーを折れ」という店もあれば「内職せずに顔を上げ、お客様を笑顔で迎えなさい」というところもありました。

そもそもレジが違います。お札を自動で数えてくれる最新式のものに慣れてしまうと、古いものを使っている店に来たとき戸惑います。他にも本の棚への出し方や積み方、返品の荷物の作り方やストックの持ち方なども流儀は様々です。

私の拙い経験から言えるのは「歳をとるにつれて新しい環境への適応に要する時間が長くなる」ということ。田中投手も同じはず。古巣の楽天とはいえ、8年前と比べて様々な点が変わっているでしょうし。マスコミは「メジャー帰りの高年棒だから活躍して当たり前」みたいな、遠回しにバナナの皮に滑ることを待ち望む「悪意の期待感」を煽らないで欲しい。必ずアジャストするのだから、それまでは温かく見守りたいですね。




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