「岡田監督の采配」は教えに溢れていた
本音を言えば、もう一年見たかったです。
岡田監督のおかげで、初めて阪神タイガースの日本一をリアルタイムで体験できました。イチファンとして心から感謝しています。また采配の随所に仕事へ落とし込めるヒントが潜んでいて、試合を楽しみながら学べたことも幸甚でした。
特に印象深いのは、昨年9月の↓です。
打率0割台の大竹投手にバスターを指示し、タイムリーツーベース。まさに奇襲です。
理由はたしか「カープの守備陣が前に出過ぎていたから」というもの。気づいていても、実行できるかどうかは別の話。私だったら「失敗してチャンスを潰すよりは手堅くバントで」となる場面です。
あくまでも推測ですが、岡田さんは大竹投手のバッティング練習を見ていたのでは? そこでセンスや思い切りの良さを感じたのかもしれない。少なくとも「DHのあるパリーグ出身だから打つ方はダメ」という固定観念に囚われていたら下せない決断です。
99年6月に現・北海道日本ハムファイターズ監督の新庄剛志さんが敬遠球を打ち、サヨナラヒットにしたことを思い出しました。もちろん野村克也監督の許可を得たうえでやったこと。ただの思いつきではなく、新庄さんは事前に練習していたし、ノムさんはそれを見ていたのです。
プロレスラー・柴田勝頼選手の話していた「練習でできないことは試合でもできない」が脳裏を過ぎりました。そしてせっかく着想しても、実行できなければ絵に描いた餅。これは陽明学が唱える「知行合一」と重なります。
本で読んだこと、話を聴いたこと、実際に目にしたこと、体験したことを岡田さんの采配に当てはめ、消化して自家薬籠中のものへ換える。とても楽しい作業です。どんなジャンルでも一流の仕事は教えに溢れていると実感しました。
CS期待してます。
作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!