SUI Vol.0

<目次>

1、巻頭挨拶&「SUI」とは何か?
2、無粋な時代をぶった切る!
3、ユニークで好きなもの5つ
4、Splendid Books「水滸伝 一」北方謙三
5、2分で読めるSUIな掌編
6、粋でいなせなプロレス妄想座談会「NJC開幕!」
7、「自由律俳句」みたいな何か
8、編集後記

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1、巻頭挨拶&「SUI」とは何か?

  どうも。不定期刊行のWebマガジン「SUI」(スイ)の編集長(他に編集部員はいないのですが)Y2K☮です。

 初めにコンセプトの説明から。
「SUI」とは「Splendid Unique Individuals」の略です。
 直訳すると「素晴らしく独自な個人たち」。
 粋(いき)を現代向けに新定義した造語です。
 地位やお金に固執せず、失敗を恐れず、己の志を貫く姿勢、あるいは体制や多数派に媚びず、我が道を行く人を意味します。

 実はこれ、学生時代に専門学校の授業で作った雑誌のタイトルとコンセプトそのままです。誌面はクラスのみんなで協力して作りましたが、タイトルとコンセプトは編集長の私が独りで考えたものなので、ここで再利用しても何も問題無いでしょう(笑)

 あの頃はまだ若く、血気盛んで野心に満ち溢れていました。
 周囲の反対でボツになりましたが、当初想定していた表紙は「真っ白な背景で札束の山を燃やす」というものでした。もちろん実物は持っていませんしカラーコピーも色々問題になりますから画像を作るつもりでした。でも賛同者ゼロで先生にもやんわりと反対され、泣く泣く諦めたのです。

 当時から私は小説家志望で、文章と物語の力でこの腐った世界に一石を投じようと考えていました。「じゃあどういう世界を目指すんだ?」と考えた時に、真っ先にこのコンセプトが浮かびました。モデルになったのは北方謙三「水滸伝」に出て来る「替天行道」(たいてんぎょうどう)という考え方です。天に替わって道を行う。どんなに敵が強大であろうと、自分が正しいと思う生き方を貫こう、そうすればきっと賛同してくれる同志が現れる。そうやって個と個が連帯していけばやがて大きなうねりを生み出し、動かし難い何かを動かせる力になるはずだ、と。

 いつしか私はあの頃の熱を忘れ、忙しくて退屈な日常に埋没していました。どうせ自分は凡人だ、世界なんて変えられない、己が生き延びるだけで精一杯だと。しかし、またしても一冊の本との邂逅が私の心に火をつけました。堀江貴文「ゼロ」です。そしてnoteという素晴らしい表現の場にも出会いました。あの頃できなかったことにもう一度挑もうと思いました。ひとりの文章の力で世界を、そして人々の心のあり様を変える。そんな決意と共に、2020年「SUI」をスタートします!

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2、無粋な時代をぶった切る!

Y:はじめまして。「SUI」編集長のY2K☮です。
S:書店員歴ウン十年のSです。何でも訊いてよ。
Y:「無粋な時代をぶった切る!」ということで、要は広い意味での時評ですね。
S:じゃあズバリ「コロナと書店」で行っちゃう?
Y:分かりました。緊急事態宣言の間、書店はどこも軒並み休業してましたよね?
S:実はそうでもないよ。平日だけの短縮営業を続けていた大型書店もいくつかあったからね。まあ休業要請からは外れていたし、そこは各企業の判断だろうね。休業を決めた会社は従業員の健康を考慮したのか、あるいは営業してお店から感染者が出た場合の世間の批判を当面の売り上げ減以上に恐れたのか(笑) 俺の職場も休業になって、しばらく週二日の出勤になりましたよ。
Y:え、休業中なのに出勤してたんですか?

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