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「末端からの一撃」と「あきらめの悪い男」

3月1日に、村上春樹さんと川上未映子さんが書き下ろし短編を朗読するイベントが開催されました。

会そのものが画期的だけど、最も衝撃を受けたのは春樹さんの何気ない一言。ゲストの小澤征悦さんが「風の歌を聴け」の一節を読み上げ、それに対して「僕が生まれて初めて書いた小説なんですよね」とコメントしているのです。

初めて書いた小説でデビュー。

知っていました。しかし改めて活字で読むと愕然とします。

他にもこういう作家はいらっしゃるはず。森博嗣さんもかな?(処女作は「冷たい密室と博士たち」だけど、出版社の意向で4作目の「すべてがFになる」がメフィスト賞を獲ってデビュー)

自分にとっては何度も跳ね返され、永遠にそびえ立つ壁のように感じる何か。それを当たり前のようにスルっと突破できる人がいる。

プロレスラーのオカダ・カズチカ選手は、24歳の時に最初のチャレンジでIWGPヘビー級王座を戴冠しました。一方、同じユニットに属する後藤洋央紀選手は現在44歳。同王座に8度挑んですべて敗れています。

8度目の際、王者のオカダ選手から「何回も挑戦して獲れない」「恥男(はじおとこ)」と嗤われ、激怒するシーンがありました。言ったオカダ選手も嫌だったと思うけど、それ以上に言われた後藤選手の内心はどうだったか。

嫉妬がないわけはない。

私もさすがに春樹さんにはないけど、同世代の某人気作家に対して複雑な感情を抱いています。ではどうするか? いまの立ち位置でできることをやる。出版業界に末端から一撃加える小説を世へ送り出す。

noteのおかげで半分実現しています。あとは紙の本にすること。新人賞への応募には区切りを付けたけど、小説を出す野望は捨てていません。

現実を見ていないわけじゃない。ただ某漫画のキャラクターじゃないけど「おう、俺はY2K。あきらめの悪い男」なのです。

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