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やっぱり「最初が肝心」

私が子どものころ、プロレスはプライムタイムにテレビで見られました。テレビ朝日の新日本プロレスと日本テレビの全日本プロレスです。

初めて「全日本プロレス中継」を見た日のメインは「天龍源一郎&阿修羅原 vs スタン・ハンセン&テリー・ゴディ」でした。88年の春先。マニアの方ならピンと来るかもしれません。

そう、ハンセンが試合中に失神してしまったのです。

天龍&原のコンビネーションでまずサンドイッチ・ラリアット。「クロスボンバーだ!」と「キン肉マン」好きの私は大興奮。そして天龍選手の顔面蹴り&原選手の延髄切りで再びサンドイッチ! ここでハンセンがダウンしてしまい、しばらく動かなくなったのです。

いま思うと、天龍選手の蹴りが顔面にモロに入ったんでしょうね。

やがて目が覚めたハンセンは状況を把握できず、キョトンとしています。そして事態を察するや否や、場外にいた天龍選手に向かってダイブ。あとはもうメチャクチャです。ボコボコにぶん殴り、椅子をあちこちへ放り投げ、解説者にも八つ当たり。怖いのなんのって。

後日、天龍 vs ハンセンのシングル戦も見ました。ハンセンが一方的に攻め込む展開。「天龍負けるな!」とハラハラしながら応援したのですが、何と丸め込みで逆転勝ち! 一瞬でファンになりました。

強くてカッコいいだけじゃ憧れない。多くの少年漫画の主人公がそうであるように、やられてもやられても立ち上がり、最後の最後に大逆転。その不屈の精神に共感するのです。

でもよく考えたら、そもそも見るようになったきっかけはハンセンの失神。理屈の要らない「衝撃映像」です。子どもも含めた「興味ゼロの通りすがり」を惹きつけるには映像のインパクトが大事。そしてやはりファンになるには「最初が肝心」なんだなあと。

いまのプロレス界でそういう「とっかかり」になってくれる選手の一番手はウィル・オスプレイでしょう。あの信じ難い動きの数々を見て衝撃を受けない人はいないはず。首の怪我で突然ベルト返上となり、不穏な憶測が囁かれています。信じて待ちましょう。日本の子どもたちに、プロレスで夢を見せてあげてよ。

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