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「いい内容で生きる」を続けていく

この日が来ました。

433日ぶりの白星。先発投手としては491日ぶり。巨人戦での勝ち星は2016年4月以来とのこと。

でも「止まっていた時計の針がやっと動き出した」なんて思いません。止まってなんかいない。少しずつ、しかしコツコツと日々着実に歩みを進めていたはず。誰も見ていないところでひっそりと。時には「三歩進んで二歩下がる」の苦味を噛み締めつつ。

目に見える形での結果はたしかに出ていなかった。ポテンシャルと成果がここまで比例しない人も稀有です。「本当の俺はこんなものじゃない」という反骨精神は誰よりも強かったでしょう。でも自尊心に甘えて現実から逃げるのではなく己自身を証明するために彼は戦いました。苦労と努力を売りにしがちな「雑草」や、才能か生まれに胡坐をかきたがる「エリート」よりもずっと真っ直ぐに。

この6年間があったおかげで藤浪投手は絶大な進化を遂げた。そんな気がします。

絶対に本を書くべきです。読みたい人がいっぱいいます。長いトンネルを抜け出したときの心境はどうだったのか、上手くいかない間はどんなことを考えたのか。昨年発売された↓でも少し触れることができましたけどね。

きっと本人は「そんな振り返ることのできる段階じゃない」と考えているでしょう。実際まだ1勝です。スタートラインに立っただけかもしれない。一方で、今回の1勝がこれまでとは違うのも事実です。なぜなら直近の3試合はいずれも自滅していない。前回と今回は四死球ゼロ。安定感がない、投げてみないとわからないといわれていたのが嘘のように。

勝とうが負けようが崩れない。報われなくても乱れない。これが大きい。雀鬼・桜井章一も言っています。「最善はいい内容で勝つこと」「次善はいい内容で負けること」だと。

私も見習って「いい内容」で生きることを続けていきます。藤浪投手、おめでとう。そしてありがとう。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!