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「進化系」は「初期型」があってこそ

驚きました。

新日本プロレスを盛り上げた小林邦昭さんと初代タイガーマスクの抗争、全日本プロレスで繰り広げられた二代目タイガーマスクとの闘いを私はリアルタイムで体感していません。ゆえに彼の名前を見ると「フィッシャーマンズ・スープレックス・ホールド」の元祖ということが真っ先に浮かびます。

ブレーンバスターの体勢で相手の片脚を抱え込み、後方へ投げてブリッジし、フォールを狙う技。初めて見たのは、1988年の春に放送された「ワールドプロレスリング」です。

当時のこの技は一撃必殺の説得力に満ちていました。対戦相手を応援する際に「出さないでくれ」とドキドキしたのを覚えています。

しかしある日、たしか全日本のリングですが、決められたレスラーがブリッジしている相手のお腹をポンと叩きました。膨らんだ風船を割るように。それであっさり返してしまった。

あれを最初にやったのは誰だろう? ご存知の方はぜひ教えてください。

94年には獣神サンダー・ライガー選手が、抱え上げた相手の身体を頭からマットへ突き刺す「フィッシャーマンズ・バスター」を開発。やがてコーナー最上段から投げる「雪崩式フィッシャーマンズ・バスター」も使い始めました。

正直この時点で私のなかでは「フィッシャーマンズ・スープレックス」はフィニッシャーではなく、中盤の痛め技みたいなイメージになっています。

現代でもこの技で終わることはめったにありません。一方で小林さんが「フィッシャーマンズ・スープレックス」を定着させなかったら、進化系のバスターや雪崩式などが生まれなかったのも事実です。

最新のスマートフォンしか知らない層の目には、初期型のガラケーがしょぼく映るかもしれない。でもガラケーあってのスマホです。バトンを繋いでくれた先人への敬意は忘れたくない。

激闘の数々をありがとうございました。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!