くらしヤギ

はじめまして。 ちいさなころからの夢は世界を旅する建築家、くらしヤギです。

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最近の記事

エアコンの掃除は草むしりから。

エアコンの掃除は草むしりから梅雨に入って、ジメジメする日が続いている。 暑いのか寒いのか微妙な気候には腹の底に鉛が沈んでいるような、ネバネバしたものが体にまとわりついているような、どんよりとした気分になりがちだ。 かといって、心機一転ハツラツに体を動かしてリフレッシュしようという機にもならず、そんなことを考えている内にソファーに張り付いて、ますます動けなくなってしまう。筆を取る手も軽くない。 そこで、日々どうしても避けては通れない掃除、洗濯、料理などの家事に徹することに

    • 野村萬斎と上品なゴブリン

      野村萬斎と上品なゴブリン「ぐっはっ…」 ダブルベッドの下の段、起き上がろうとして異変に気づいた。 猛烈に腰が痛い。 先日決めたルーティーンを止めるわけにも行かず、「にほんごであそぼ!」の野村萬斎のように、ソロリソロリと階段を下ってリビングへ向かう。 なんとか朝のコーヒーを投下し終え、ナスやかぼちゃ、トマトの苗を見るために畑へ玄関を出る。 梅雨の合間の朝8時、太陽の光に照らされてチャキチャキと体を動かす祖父の姿が見えた。 小柄ながらもがっしりとした体躯。 ジーンズ生

      • ポテチロケットと月の裏側

        人類ポテトロケット計画「毎日こんなにたくさん作って、一体どこいくんやろ?」 アサヒビールの銀色の缶を手に、母が驚いていいる。 テレビでは、ものづくりの背景を取材した教育番組がついていた。 あるチョコレートが毎秒何個売れているとか、工場で毎日何万人分のポテトチップスが作られ続けているとか、そんな内容だった。 洗浄されたおびただしい数の芋たちが、ボブスレーのように滑走し、油の海に次々とダイブをキメる。 なぜか見ていてすごく気持ちが良く、頭を空っぽにしながら画面を眺めなが

        • ライスワークとライフワーク I

          ライター・デビューライターを始めてから数ヶ月がたった。 生業としての文章、そのことに違和感を抱くことが多くなってきたので、ここで一旦、これまでの動きを整理してみようとおもう。 まず、自分がライターを始めた当初の理由は、「感じたことを人に伝える手段」を得るためだ。 自身の経験を用いて、だれかが「自分らしいくらしを持つ」お手伝いがしたい。 その"だれか"にとって価値のある表現ってなんだろう。もしかしたら、”お金”がそのひとつの目安になるのでは? ということで、フリーラン

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        • くらしつくり実験
          9本
        • くらし探検(国内)
          6本
        • くらし探検(国外)
          2本

        記事

          横須賀、忘れられた天空の城

          学生の頃、「土地と素直につながる建築」という主題を掲げていた。 生まれは愛知の田園地帯、見渡す限りの田んぼとカエルの鳴き声、巨大な高速道路の街灯はどこかノスタルジーを感じさせる橙色だった。 アルゼンチンエビの話で出てきた友人と自転車であぜ道を走り回り、車のない道路を見つけては、アスファルトの上にねころがる。 まわりに何もなく、空が綺麗に見える場所を「ソラスポット」という名を付けては巡っていたのは、今考えると少し恥ずかしい気もする。 しかし、そんな青臭い思い出が研究テー

          横須賀、忘れられた天空の城

          See you down the road/ノマドランド

          話題作、ノマドランドを観て来ました。 現在、心に刺さったものと向き合うため、必死に机にしがみついています。 ノマドランドとは。今回わたしが観てきた映画「ノマドランド」 一言でいうと、「キャンピングカーで高齢の女性がアメリカを渡り歩きながら暮らす」という話です。 聞くだけだと、新しいタイプのヒッピー映画かなにかだと思うことでしょう。「Into the wild」などのように、若者が自然に生きる系の映画はたくさんあります。 海外では様々な賞を総ナメしているこの映画、一体

          See you down the road/ノマドランド

          銀座通りと宇宙船

          宇宙船ヤギ、母星まで300キロ今日はSFチックにはじめてみよう。 宇宙船ヤギ号は10年前、愛知の母星を後にした。 横浜に駐在中推進力をぐんぐんと伸ばして、第2宇宙速度を突破。日本の重力を振り切り、欧州圏へ。 イギリスで機体改造後、フィンランドの心地よい引力を利用してヨーロッパ・アメリカ大陸上空を通過。 母国の重力を使って再び他の惑星に向かおうとするも、再突入の際に機体は大破、推進力が大幅に低下した現在、恋人星の軌道上を周回中。 ただいま、母星との距離300km。

          銀座通りと宇宙船

          コンクリの城と芸術家たち

          芸術家の恋人わたしには、芸術家の恋人がいる。 「芸術家」と書いては見たものの、その言葉にはイマイチピンとこない。 芸術家と言うとどんな人柄を連想するだろう。 愛人に囲まれながら歴史的大作を連発する巨匠、耳を切り落とした狂気の画家、発明家・数学者・医者・建築家、分野をまたいで名をとどろかせた天才… そもそも彼らを芸術家の一言でまとめる私たちのほうは、いったい何家と呼ばれるのだろう。 話がそれてしまった。 今回はわたしが彼ら芸術家を愛してやまないという話をしようと思う。

          コンクリの城と芸術家たち

          アルゼンチン赤エビと新潟島

          友の名はシルバーマン100円ショップで見つけた小さなスプーン。裏には"TSUBAME"の表記が。 気になったので調べてみると、どうやら新潟の町の名前のようだ。 そういえば幼なじみが転勤で新潟にいたことを思い出した。毎日Twitterで嘆いているのを見ていたので、気になって電話をかけてみる。 彼とは幼稚園からの付き合いだ。彼の妹はロシア人形のような愛くるしい姿をしている。愛らしい成分をすべて妹に吸い取られてしまったのだろう、とても明るい性格に反して目つきが怪しい。 近年

          アルゼンチン赤エビと新潟島

          アイスランドでひとり占め

          悩める夜小さい頃から「死後の世界の仕組み」とか「生き物が生きる理由」とか、哲学的なことを考え出して眠れなくなることがある。 先週、久しぶりにそんな夜がやってきたので、いっそのことトコトン考えてみることにした。 今日も仕事を頑張ったのだろう、バンザイの姿勢のまま熟睡している恋人を横目に、脳みそをぐるぐる回す。 古いことは忘れてしまう質なので、掘り起こせるのは数年来のイベントくらいだが、人生のキーワードというのを探してみる。 キーワードは「ひとり占め」 「ひとり占め」 ー

          アイスランドでひとり占め

          ナメピーとナメないピー

          優しい店長と緊張した彼女ドギツイ緑色の看板を背負ったリサイクルショップが近所にある。 山のような服に合計80円の値を叩きつけられて、心折られたのも懐かしき思い出。 今回は我が家のゲーム機・プレイステーション2が映らなくなったので、代わりのパーツを手に入れるために訪れた。 早々に目当てのものが見つかり、ホッと一息、ゲームが壊れたことについて店長さんに話してみた。 なんだかんだ会話が弾み、最終的に仲良くなれたのか、代替品を格安で譲ってくれることに。 もし治っていたら特別

          ナメピーとナメないピー

          舟でくらしてた頃 in HELSINKI

          ヘルシンキに停泊する舟が、わたしの家だった。 ヘルシンキは沢山の舟があつまる港街としても有名です。 その舟の中には、海に出ることをすっかり忘れ、岸壁に根付いてしまったものもたくさんありました。 今日は、そんな舟に居を構え、ヘルシンキで暮らしていた頃の話を書こうと思います。 その舟の名はNIKOLAI ii朝、船員の仮眠室で目を覚ます。 船底に設えられたその部屋は、二段ベッドが2つと小さなテーブルが1つ、ヒーターが1つと裸電球が1つ取り付けられた、簡素な部屋だ。 シ

          舟でくらしてた頃 in HELSINKI

          うつわ屋の店長と美濃焼

          美濃焼とは、岐阜県にある東濃地方と呼ばれる地域で製作される陶磁器の総称。https://wa-gokoro.jp/traditional-crafts/Ceramic/minoyaki/ インスタが映えない転職してから、作った料理を写真で残すようになった。 日々インスタにアップしてイイネを集め料理を続ける元気に変えよう、というわけだ。 コツコツ続けてはいるものの、このところ映えなくなってきた。 見かねた恋人がうつわを新調しようという提案してくれた。 食器屋に行くのは

          うつわ屋の店長と美濃焼

          ビバ・オテラ・ライフ

          おみくじだいすき 宿場町に眠る寺我が家から歩いて2分のところに、由緒正しそうなお寺があります。 
川のほとりにあるこの場所は、どうやら、有名な宿場町だったそうです。 
国道の走る陸橋ができるまで、たくさんの渡し船が往来する場所でした。 
今は船の代わりに市営タクシーが街を走り回ったり、駅前に溜まったりしています。 
ドライバーの顔は大概眠そうで、昔もこんな表情でみんな舟を漕いでいたのでしょう。 
驚くことに、家から寺までたった2分間の短い道のりだが、一見の価値のあ

          ビバ・オテラ・ライフ

          春とヒメオドリコソウ

          ヒメオドリコソウ(姫踊り子草、学名Lamium purpureum)はヨーロッパ原産の越年草。道端や庭などによく生えている。また、北アメリカや東アジアにも帰化している。wiki ピンクのあいつはヒメオドリコソウ花粉の時期も終わり、天気の良い日が多くなってきましたね。 うちの近所には大きな河川敷があり、菜の花が咲き乱れているのが窓から見えます。 たまには良いかと、今日はお弁当を作ってピクニックに出かけました。 気持ちに余裕のある日は、普段何気なく無視してしまうものも沢山

          春とヒメオドリコソウ

          家とHOME

          不思議な体験を書こうと思います。話の主人公は簡素な手作り茶碗蒸し。 一口食べたあと、しばらく涙が止まりませんでした。 お預けティータイムちょうど昨夜の出来事です。 恋人が最近忙しそうなので、好物の茶碗蒸しを作ってやることに。 前回は器が小さかったため、一瞬でなくなってしまいました。 その反省を生かして、今回は大きなグラタン皿を使って手掛けます。 濃い味が好きな恋人は名古屋出身、リサーチ済みです。 めんつゆで付けた味は、少しだけ濃い味に調整、あとは恋人の帰りを待つのみ。