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ビバ・オテラ・ライフ

おみくじだいすき

宿場町に眠る寺

我が家から歩いて2分のところに、由緒正しそうなお寺があります。


川のほとりにあるこの場所は、どうやら、有名な宿場町だったそうです。


国道の走る陸橋ができるまで、たくさんの渡し船が往来する場所でした。


今は船の代わりに市営タクシーが街を走り回ったり、駅前に溜まったりしています。


ドライバーの顔は大概眠そうで、昔もこんな表情でみんな舟を漕いでいたのでしょう。


驚くことに、家から寺までたった2分間の短い道のりだが、一見の価値のあるものが色々あります。


数百年続く酒屋や漬物屋が店を構え、白塗りの立派な蔵がそびえ立っています。


そんな町並みを脇目に皆さっそうと歩いていく。

皆とてもクールに暮らしていますね。
わたしのように、時間を割いて見上げてしまうような人はあまりいないのでしょうか。


到着寸前、あとは階段を登れば到着です。


ボクサーが日々の鍛錬をするのに向いているだろう、急な角度の荒い石階段で、脇には住職が各月の標語を掲げています。


「笑って流れに身を任せよう」とか「無理に抗うことなかれ」とか。


毎週LINEで届けられるVOGUEのしいたけ占いのような言葉が多くて、親近感が湧きますね。


世が世なら、住職さん、あなたは立派なインフルエンサーになったでしょう。

ラブリー・ガーディアンズ❤️

ここからは、お寺のラブリースポットをご紹介しましょう。


立派な門をくぐって賽銭箱のあたりにつくと、たくさんの目があなたを観察しているのに気づくでしょう。


彼らは、ほとんど人に出会うこともない境内で、雨の日も風の日もお寺の安全を見守っているラブリーガーディアンズ。

大小様々な達磨の群れです。


中にはお世辞にもイケメンとは言えないような方々もいらっしゃいますが、総じてかわいいです。


陶器でできた無数のオーディエンスに見守られながら、鐘を鳴らし神様に挨拶しましょう。


何故かいつも社の襖が少しだけ空いており、祀られている丸い鏡(三種の神器?)がこっちを狙っています。


お賽銭をケチった日は、帰り道に気をつけましょう。



神様とのトークを満喫したあとは、ぜひ隣のおみくじマシンへ向かうこと必須。


先程、しいたけ占いの話を出しましたが、おみくじも、わたくしの大好物です。


あらゆる場所で引きまくり、一喜一憂。

熱烈に信仰しているわけではないけれど、手軽に血圧を図る、くらいの感覚でいつもチャレンジしています。

ちなみに、昨日も引いたところ大吉でした。


ドラゴンボールを見たことがある方は、相手のパワーを測る「スカウター」を想像してください。


「あなたの今日の運レベルは大吉!向かうところ敵なし!」で、ヤッター嬉しい!はい、100円で一日ご機嫌です。

こんなにお得なことはありませんよ。

あとは、蓮の花の浮かぶ溜池をグルっと回って石階段へ戻りましょう。


春には桜の花びらが浮かび、

夏にはコイにカエルが泳ぎ、

秋にはイチョウの葉が広がっていてとても綺麗です。

いわゆるメディテーションとやらに丁度いいかもしれませんね。


個人的には、冬の池が一番好きです。

大人になっても、薄氷をパリンパリン割って遊ぶのは楽しいですよ。

気持ちと場所

考えてみると、朝に訪れるのは何かウジウジと気にしてたり、試験前など緊張している日かもしれません。


なんとなく心もとなくて、なにかに見ていてほしい気がするのでしょう。


昼や夕暮れ時に行くのは、今日は満足したと思えた日。

一日楽しかったから、とりあえずなにかにお礼を言いたい気分の時です。


行ったところで、特に何が変わるわけでもないですし、特に信心深いわけでもないですが。

ただ、なんとなく特に用もないけど、行ってみようかと思えるようなお寺が近所にある。

そんな暮らしは、なかなか楽しいものです。



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