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【本とわたし】 10月の読書記録

11月に入りましたね。いかがお過ごしでしょうか。東京は、気温の暖かい日々が続いていて、11月とは思えない気候ですね。子どもは、半袖&短パンで過ごす日も多いし、私は蚊に刺されるし。新しく買い替えたルームシューズはまだ本領発揮とはならず。部屋の隅っこで待機しています。早く寒くなぁ〜れ!


10月に読んだ本たち。
『調理場という戦場』と『私たちは人生に翻弄される〜』
が個人的に良かった😊




▼コンプレックスプリズム/最果タヒ

▶︎劣っていると繰り返し自分を傷つける割に、私は私をそのままでどうにか愛そうともしており、それを許してくれない世界を憎むことだってあった。コンプレックス・プリズムわざわざ傷をつけて、不透明にした自分のあちこちを、持ち上げて光に当ててみる。自身のなかにある「劣等感」をテーマに綴ったエッセイ集。

自分のことは大切だ、自分を管理しなくちゃいけない存在だし、育てている存在とも言えるし、執着はある。でも、好きか嫌いかで判断する相手ではないように思ってしまう。だって好きだろうが嫌いだろうが、どうせここにいるのだし。失敗した自分に対して『うわー!』と責めたくなることはある、がんばった自分に対して『すごいぞ!』と褒めたくなることもある。でも、どうせそこにいる。現実がずっとそこにある。

P89

コンプレックスや劣等感は、ある角度から見ると自分の一面を映し出す、ひとつの光なのかもしれないと思った。誰でも感じる感情であると思うし、生きている間に何回かはそれを強く感じる時期というのもあるんだと思う。一つの思考がずっとまとわりついててもいい。最後、そんな自分に寄り添い生きていく。



▼調理場という戦場 コート・ドール」斉須政雄の仕事論/斉須政雄

▶︎「早くゴールしないほうがいい」「効率のいい生き方をしていると、すり切れていってしまう」。激流のように過ぎゆく日々をくぐり抜けたからこそ出てくる、熱い言葉の数々。料理人にとどまらず、働く全ての人に勇気を与えたロングセラー、待望の文庫化。

知っただけでは行わなければ自分で体得したことにはならないので、知ることと行うことを直結させたいと思っているのです。

P201

熱を込もった言葉というのは、人の心を動かします。『仕事の姿勢』について改めて思うことがたくさんあったし、お陰で付箋だらけになりました。
個人的にも大変おすすめの本です!

『経営と広報』とは切り離せない関係であることを、私自身も様々な学びを通じて感じています。お陰でこの一年、本当にいろいろなこと学ばせて頂きました。そしていつも何かを学んだら、学んだことだけに満足はしない。それをどのように仕事に落とし込み、血肉させていくのか。常に考えていく。そういうことをひとつひとつ考えて行動していくことが自信になるし、また成長にも繋がるなと思います。

迷わざるをえなかったし、熟成するのに長い時間をかけざるをえなかったけれど、その『長い時間』が何よりも宝物なのです。

P212



▼サキの忘れ物/津村記久子

▶︎自分には何にも夢中になれるものがない。高校をやめて病院併設の喫茶店でアルバイト中の千春は、常連の女性が置き忘れた本を手にする。「サキ」という外国人の男性が書いた短篇集。これまでに一度も本を読み通したことがない千春だったが、その日からゆっくりと人生が動き始める。深く心に染み入る表題作、ほか短編集。

表題作の『サキの忘れ物』がとてもよかったです。これまでに一度も本を読み通したことがない千春が、とあることがきっかけで本と出会い、人生が動き出していく。終わりもまた素敵で感動でした。

『読者の未来をめくる』とブックダムのビジョンの思いとも重なる。こういう目に見えない、小さな心の動きだったり。その人の人生にとってひとつのきっかけ、ひとつの小さな働きが、その本との出会いによって起こってくれたら嬉しいです。



▼私たちは人生に翻弄されるただの葉っぱなんかではない/銀色夏生

▶︎自分が幸せだと思いたいのか人から幸せだと思われたいのか/本当に必要なものだけを残したらほとんどのものが消えた/孤独感はいつか底を打つ/わざわざ探すのではなく、たまたま出会う/人はそのままで素晴らしいけど、それだけじゃダメ/自分の心が嬉しくなることが魂の仕事/今ここにないものを求めない・・・・イラストと言葉と、銀色夏生さんからのメッセージ。

やっぱりたくさんの人の心を引きつけるものには、必ずいいところがある、なるほどなと思わせるものがある、ということでした。
でも、そういうのを次から次へと見ていくと、きりがないし、結局同じだなと納得できるし、その人の世界では正しいのだろう。でもその人の言うことを丸のみしちゃうと一生その人の子分でいなくちゃいけなくなる。なので、もう行かなくてもいいと思いました。

P29

もういいんだ、終わったんだ、という感覚を私も数年前に感じたことがあった。もう、行かなくてもいいよ、とはっきりを感じた日。それよりも大事なことは、自分自身に深く潜ることを求めたいと思った。答えは自分のなかにある。自分の内面が磨かれることは、自分だけではなくその周りの人にもプラスの影響を与える、と私も思います。

いつもそういうふうになった時の悲しみというものを抱えながら、生きている感じがします。つまり、怖くないのではなくて、怖いものを抱えながら生きている。だからこそ、生きている今を大事にしているという気がします。怖いものを常に抱えているから、一瞬、一瞬、元気でいる時間を、すごく貴重だと思う。

P96



▼アフロえみ子の四季の食卓/稲垣えみ子

▶︎冷蔵庫なし、カセットコンロ1台。調理時間10分で、一食200円。驚きの「一汁一菜」生活を続けるアフロえみ子が、1年間の記録を大公開。旬の食材を生かした目からウロコの調理法で、バリエーションは自由自在。ぬか漬け・梅干し・味噌作りだって恐るるなかれ。体は元気に、心は自由に、毎日の食事を楽しみ尽くす、これぞ究極のぜいたくです。

つまり私は、コメに振り回されて生きております。いいんですそれで。
そもそも人生で自分でコントロールできることなどたかが知れている。それなのにコントロールしようと頑張るから苦しいの。そもそも好きな相手(お米)だからこそ振り回されるんです。そんな相手に巡り会えたことこそが幸せなんだよ。振り回されることを楽しめば良いじゃない。そう思えば生きるのは随分ラクであります。

P22

食事は、毎日のことだし、人間生きていく上で欠かせないことです。だからこそ、自分のペースで、頑張りすぎないほうがいいと私も思います。
じゃあどうやったら負担を感じずに作ること・美味しく食べることを続けられるのか。これは各々に任せられている部分ではあるけれど。この本には、食に対する楽しみや新しい見方を変えるきっかけをくれます。

自分で料理を作り続ける原動力は、何よりも、その料理を心から『おいしい』と思って食べる自分自身です。どんな逆境に置かれようとも、例えば会社でクビになろうと、連れ合いに先立たれようと、自分で料理を作り、それを心から美味しいと思って食べられる自分がいれば、人生全くもって何とかなっていくんじゃないでしょうか。自給自足とはまさにこのことです

P179




11月も読書の秋、楽しみましょう!


今月は、『本を通しての学び』がまた深まる1ヶ月になりそう。
子育てにまつわる読書会が2つ(参加する側と主催する側と)、毎月の7つの習慣の実践会。1冊の本を深く読み続けること。成長の螺旋階段を参加者さんと共に昇り続けることの大事さを感じています。また読み終えているドラッカーの本たちも深掘りしていきたい。
新しい本へというより、今持っている本や既に読み終えている本との対話を大事に。誰かと言葉を交わしたり、一緒に考えたり、そういうアウトプットの場が大切な時間になっています。


今日もありがとうございました!
季節の変わり目、お身体ご自愛くださいね。


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