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草子集

30
オリジナル作品。
運営しているクリエイター

#ショートショート

【ショートショート】あの人の考えていること

夕暮れ時に河川敷をランニングしていると、毎日必ず会う方がいます。もちろん顔見知りでもない…

一作
2年前
17

ショートショート「天使ちゃん」

おそらく誰しもが恐れていた、その時がやって来た。 「号外!号外!」 新聞屋さんの声が大都…

一作
2年前
12

【ショートショート】ある狂人の日記

マスク! それはあたたかな魔法だ。それは七難を隠す。それはすべてを煙にまく。 路行く人々…

一作
2年前
15

【ショートショート】とある婦人の成長物語

ある日、カウンセリングルームにて。 「あたし、悪人になりたい。」 突然、相談者が言い出し…

一作
2年前
20

【ショートショート】吊り橋効果

一緒にこんなところまで来てしまった。 「ねえ、死ぬのよ。あたしたち。」 隣にいる女がぼそ…

一作
2年前
18

【ショートショート】まるで中身のない物語

「こらッ!」 船べりに浮かぶ真っ赤な太陽の光がファンデーションを突き抜けて、私の頬に射し…

一作
2年前
20

【ショートショート】死に顔

情け知らずな人の口から、わたしは聞いた、死の知らせを。そしてわたしも、情け知らずな顔をして、耳を澄ました。 エル氏はちょうど葬儀に参列していた。外は雨が降っていた。 目の前では、故人の母親らしき人物がしきりにハンカチを目頭に当ててうつむいていた。気の毒だな、とエル氏は思った。二言三言、お悔やみの言葉を述べたりする。 「どうもご丁寧にありがとうございます。あの子も喜んでくれていると思います。」 彼女はエル氏の顔も見ずに去って行った。雨がぽつぽつ、と薄くなってきた頭皮に当

ショートショート「雨」

雨が降っていた。私はバス停にいた。 バスが来たようだ。 激しい雨で、足がびしょ濡れだった…

一作
2年前
28

ショートショート「腕」

「ん?」 その日は帰宅途中に、見たことのない変なものを見つけてしまった。 「腕」だ!まさ…

一作
2年前
21

星新一風ショートショート「有能」

人々は苦しんでいた。客観的な判断基準を欲しがった。平和な世の中が続いても、人々は競争を忘…

一作
2年前
28

どの教室にも置いてあった孤独のお話

「どうせ誰も俺のことなんか興味ねえよ。」 彼は、いつもそう言ってコーラ飴を鞄の中に入れた…

一作
3年前
17

「小説の最後に置く手紙」

昨日noteを漁っていたら、とても素敵な記事を見つけました。 読んだ瞬間、私も挑戦してみたい…

一作
3年前
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