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草子集

30
オリジナル作品。
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記事一覧

白鳥おじさんのショウ・タイム

「三代目白鳥おじさん」を初めて見た時から、何年経っただろうか。 冬の冷たい湖。そこらじゅ…

一作
2年前
8

エッグ・リウム

ここは私が生まれたところだ。 冷たい石の建物。分厚い自動ドアには最高レベルのセキュリティ…

一作
2年前
10

ある旅の話

とあるターミナル駅の裏路地の、バス停の傍らについている雨除けのちっさい掘っ立て小屋の壁に…

一作
2年前
15

やがて終わる孤独

雪だるまを作った話を書こうとしたのである。 徹底的に雪かきをする。シャベルがすり切れるま…

一作
2年前
9

ひでえ連中

どうもむかつくことがある。何とも一番腹立たしいのは、この「幽霊」という存在である。まずも…

一作
2年前
13

血の垂れたビフテキ的発言に対する反論。雑感。あれやこれや。

悠々自適の毎日、待てど暮らせど金は入り、昼は駅前のグランドホテルにてランチ、ペラペラのナ…

一作
2年前
7

妙齢のベンチ

忘れもしない2016年5月30日、地元の公園にて髭ヅラのオッサンを見た。とはいっても、彼は公園でベンチに座って「カメラマン、秋のヌード大特集」とかなんとか書いてある雑誌を脇にはさんで寝ていただけである。蓮の花が咲き始めるその季節、水滴をつるつると抱え込んだ蓮の葉っぱに覆われてしまった堀の立て看板、「水をきれいにしよう!」なんてなぜか墨汁で書かれたポスターに寄っかかって、ぐうすか四六時中寝ているのである。時たま、近所の小学校に通っているらしい、しわくちゃの給食着とカラフルなラン

山岳救助隊が、山中にてみつけた手記

どこか遠くで音がする。落ち葉がこすれ合う、かさり、かさりという音が一つ一つ積み重なり、雪…

一作
2年前
8

【ショートショート】あの人の考えていること

夕暮れ時に河川敷をランニングしていると、毎日必ず会う方がいます。もちろん顔見知りでもない…

一作
2年前
17

ショートショート「天使ちゃん」

おそらく誰しもが恐れていた、その時がやって来た。 「号外!号外!」 新聞屋さんの声が大都…

一作
2年前
12

【ショートショート】ある狂人の日記

マスク! それはあたたかな魔法だ。それは七難を隠す。それはすべてを煙にまく。 路行く人々…

一作
2年前
15

【小説】インフルエンサー治療法!

とある一世を風靡したインフルエンサー、AとBの会話を盗み聞きしてみた。(架空のお話です) A…

一作
2年前
15

【ショートショート】とある婦人の成長物語

ある日、カウンセリングルームにて。 「あたし、悪人になりたい。」 突然、相談者が言い出し…

一作
2年前
20

季節外れの思い出話を。

窓を開けると、子ども2人を抱えたおっかちゃんがちらり、と見えた。女の子のほっぺに桜の葉っぱが一つおちた。彼女は自分のもとに訪れた葉っぱを、弟の口に入れ始めた。プレゼントのつもりらしい。なんとも温かな夕べの光景である。 こらッ!何をしてるの!やめなさい! 愛情のこもった怒声が一つ、聞こえてくる。 いつもなら近くの女子大の学生が美しく黄色い声を上げながら通ってゆく時刻に、今日は親子連れが一組、通りかかっていった。見上げると空が遠く透き通って見えた。これは秋の空だ。もう秋が来