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涙を見せる強さ

生きていれば避けられない人間関係がある。そして中には、人生を共にするパートナーという存在を持ち、その関係性を見つめている方もいるかもしれませんね。

わたし自身のパートナーシップというところも、紆余曲折ありますが、今回は「涙」についての印象的な一件を思い出したので、その時感じたことを振り返り書いてみようと思います。

出会いは遡ること今から5年前。


とあるコンビニオーナーをしていた彼と、そこに面接に行った私。
全ての始まりはそこからでした。ずっとデザイナー1本の人生だった私。新しい世界もちょっと見てみたいな、そんな時にふと気になったのが、近所のコンビニでした。

実際に行ってみると、面接官だった彼は年齢も近いこともあってすぐに打ち解けられ、お店で働くようになってからも、一番親身に教えてくれたり、とても信頼がおける人物に。

当時は本当に店内の人間関係がぐっちゃぐちゃで。大変極まりなくて、個性豊かな人材、みんな主張激しめ。我も貫き通しまくり。
様々なことが起きていて、他者批判的な風潮も渦巻いていました。

私は、正直そんなことが疎ましくて、仕事に集中したいし、他人事を気にして粗探し、やいやい言う他スタッフの姿にイライラしまくっていました。もうちょっと一緒に働く周りも見て、居心地のいい場所づくりってものを考えてーーーって。

仕事のことを通じて彼と話す時間はホッとする時間でした。お互いの姿勢や考え方に共通点があることも分かっていき、意気投合。
一匹狼ぽいところも、実はめちゃめちゃ繊細で優しいことも、分析とか色々考えることも。どこかお互いに似ているなと反応し合っていたのだと思います。
そんな彼とはいつしかお店を支え合う存在となり、絆も出来上がり、今では結婚をして子供もいるのですから、人生というのは、何が起こるのか本当に分かりません。

ここまで至る道中にも、沢山のストーリーがありましたが、中でも私には忘れられない一件があります。

当時、私はお店のごちゃごちゃした人間関係の板挟みに合い、精神的にしんどくて堪らなく。

今は心のことも少しは理解は出来るようになったので、こういう現象に対しても落ち着いていくことはできますが、当時は全くの無知識。

ただただにしんどくて、思い詰めていくだけ。不安定な時を過ごしていたのだと思います。

そんなある日のことです。
とあるスタッフの一言でしんどくなった私は、勤務後にお店を飛び出し、彼の運転する車の中で大泣きしました。すでにギリギリの状態で、でも誰にもその辛さを言わずに毎日奮い立ってやっていた中での、最後の心無い一言に、感情が爆発したのです。

衝動的に色々な言葉が口から出ていました。

隣で聞いていた彼は、ボロボロと泣き出します。

「俺は○○がそうしたら悲しいよ。絶対嫌だ。」
「そんなこと言わないで。もっと一緒に居たい」

そう言いながら、泣いているんですよね

彼には彼の反応するポイントがあったのだと思いますが、私は単純にその瞬間、目も覚めて、なんて純粋な人なんだろう、素直な人なんだろうと思いました。

人の言葉に、ここまで正直に、感じたままに、涙を溢れさせて言葉を紡ぐことって、誰しもできることではないなと思ったのです。


泣けない人だっている


これは男性に多いのかもしれませんが、

「男は泣いちゃいけないんだ」
「強くあるべきだ」
「女性・子供には手を出すもんじゃない」
「女性・子供には優しくしなきゃいけない(怒りをぶつけるもんじゃない)」

繰り返し刷り込まれて来たかもしれない男性たちにとっては、ネガティブ(未熟な自分/わからないこと/できないこと/苦手)を見せることに、強い抵抗がある人がほとんどだと思います。

「泣くこと」=「弱さの証明だ」
「泣くこと」=「みっともないことだ」
「泣くこと」=「世間的に受け入れられないことだ」

こう思ってしまっていて

非難されるんじゃないだろうか、頼りないやつだと思われるんじゃないだろうか、そんなことは許されないんだ!!!

こうして泣くことを禁止しちゃってる側面があります。

しかし、私は疑問なのです。
なんで泣いちゃダメなんだろうか・・・

泣きたいという感情を止める方がストレスであり、不自然じゃないかな、と。

排泄行為と一緒で、何か湧きあがったなら、素直に出しに行く方が、楽じゃないですか・・・?

悲しいと思ったら、涙が溢れて来そうになったら、どうか泣いてあげて欲しいと思うんです。

あなたは今、泣きたがっているのだから。
そこにどうか「ダメだ」なんて思わないで欲しいのです。


涙を見せる強さ


ここで今回のタイトルに話を戻していきますが、「涙を見せること」それは強さでもあると私は思います。

泣くこと、それは弱いことではないのです。

自分が悲しいなって感じたこと。
悔しいなって感じたこと。
何かそういう感情を抱いた時に、その弱い部分を見て落ち込んでいる時の自分を表現する。

これって、自分の弱さを誰かに見せられているのだから。

今まで泣くことはダメだと叩き込まれてきた人ほど、なかなか人前では泣けません。だけど、自分の弱い部分を見せても、助けてくれたり寄り添ってくれる存在というのは必ず居ます。
強くあろうと誰にも頼って来なかった人ほど、そんなあなたをずっと見ている存在も居て、今か今かと助けたいと思っているかもしれません。

誰にでも弱さを見せるわけでなく。自分が信頼している人だけでも、自分の弱い面を隠さずに見せられると、今まで苦手なことを見せないように必死だった、常に緊張状態のあなたはゆるんでいき、安心感が生まれ、その土台もより安定したものになっていくでしょう。

弱みを見せること=自己受容でもある

弱さを持つ自分から目を背けずにいる。良い面と好きになれない面の全てが、今の自分をつくっています。どちらかだけを認めるのではなく、
ただ、どっちの面もあるよね、と受け入れてあげる。

これが出来るって、強いことなんだと私は思うんです。

弱い部分を見せることを苦手とする人が多いだけに、弱さから目を背けず、そんな自分もあるよねと、それでもいいんだと素直に表現できること。立派な強さなんです。

人前で泣いたことがない人ほどに抵抗がありますが、泣くことは悪いことではありません。怒られたり咎められたりすることでもありません。

弱い面を見せた時に、何か否定されたり受け止めてもらえなかったとしても。相手には相手のそこに対する受け入れられなかった古傷があり、あなたを見て再び疼いている。

あなたと同じように、強くあれと事あるごとに言われてきたのかもしれませんし、だから厳しい言葉を投げかける以外思い付かなかったのかもしれません。受け止めてもらった経験がないので、跳ね返す、それが当たり前だと思っているのかもしれません。

弱い面を安心して他者に開示できるという経験がなければ、他人が弱さを見せた時にも、すんなり受け止められない。どうしたらいいか分からない。自身の弱い部分を受け止められていないままなので、できない他者にもイライラしてきちゃうのです。

「泣かなくていいよ」
「泣いても何も解決しないよ」
「泣かなくても大丈夫だから」

泣いてる人を見て、思わずこんな言葉が出そうになったら、
ちょっと待ってくださいね。

「泣いてもいいんだよ」
「うん。悲しかったね」
「うん。悔しかったね」

ただただ受け入れてあげるんです。

そのときもし【ずるい】って感覚や想いが込み上げてきたりイライラしたならば、あなたにもそうして欲しかった経験がどこかにあるはずです。

だからこそ、目の前の泣いている相手を、その時の自分だとも思って、優しく受け止めてあげて下さい。声をかけてあげて下さい。

すると、不思議と癒されます

自分もその言葉、欲しかったな。

そんなこと、過去になかったかな?って振り返ってみてもいいかもしれませんし、向き合いのチャンスになり得たりするかもしれません。


泣いてくれてありがとう


私は、彼の涙とそのままの正直な気持ちを受け止めた時、
不思議と胸が温かくなりました。

彼の愛情もとても感じられました。何より素直に泣ける彼は、とても強い人でもあるんだろうなって思ったんです。

相手にどう思われるか、そこに萎縮はせずに、今この時感じていることにただ素直なんだな、そう思ったのです

そしてこれは彼の強みでもあり、
素敵なところだな、私はそう思いました

普段は寡黙に仕事をこなす姿ばかりが印象的でもあったので、そんな一面もあるんだ。見れて嬉しい。ありがとうね。そんな気持ちが湧いてきたことを思い出します。

私はあなたに、伝えたい。

こんなふうに「見せてくれてありがとう」って受け取る人だって居るんです。だから少なくとも、あなたが信頼している人になら、涙を見せることに、弱さを見せることに、トライしてみたっていいんじゃないかなって思います。

その後私は、さらに彼のことが愛おしくなったし、魅力も感じました。
そして、何より、安心しました。

彼も人間、私も人間。完璧であることも幻で。

完璧でないから、自分以外の人も居て。
パズルのピースみたいに凸凹しているからこそ、お互いに繋ぎあえたりする。カチッとハマって想像以上の何かが生まれるかもしれない。

そんなふうに世界を見るのも、また素敵なことではないでしょうか。

泣くことは決して弱さではないんです。って
私は今日ここにお伝えしたいと思います。


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