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【マガジン】月の砂漠のかぐや姫

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今ではなく、人と精霊が身近であった時代。ここではなく、ゴビの赤土と砂漠の白砂が広がる場所。中国の祁連山脈の北側、後代に河西回廊と呼ばれる場所を舞台として、謎の遊牧民族「月の民」の… もっと読む
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#歴史

「月の砂漠のかぐや姫」登場人物等紹介

「月の砂漠のかぐや姫」登場人物等紹介

「月の砂漠のかぐや姫」は、今でない時、ここでない場所、人と精霊の距離がいまよりももっと近かった頃の物語です。「月から来たもの」が自らの始祖であると信じる遊牧民族「月の民」の少年少女が、ゴビと呼ばれる荒れ地を舞台に、一生懸命に頑張ります。
 物語世界の下敷きとなっている時代や場所はあります。時代で言えば遊牧民族が活躍していた紀元前3世紀ごろ、場所で言えば中国の内陸部、現在では河西回廊と呼ばれる祁連(

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月の砂漠のかぐや姫 第29話

月の砂漠のかぐや姫 第29話

「あ、ああ」

 予想もしなかったほどの羽の勢いに少し気圧されながら、有隣は答えました。

「竹姫は、次の日にはもう目を覚まされていたよ。どこにも怪我はされていないし、羽が心配することはないよ」

 そうです、大伴が羽と共にバダインジャラン砂漠から連れ帰ってきた際には、竹姫はぐったりとして意識がない状態だったのですが、その次の朝には、無事に目を覚ましていたのでした。
 そのため、最初は羽のことを酷

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月の砂漠のかぐや姫 第28話

月の砂漠のかぐや姫 第28話

「お願いです、輝夜は、輝夜だけは、お願いです!」

 そう大きく叫んだと同時に、羽は目を開きました。いったいどのような夢を見ていたのでしょうか。目が覚めたばかりだというのに、羽は酷い疲れを感じていました。意識がまだはっきりとしないまま、羽はゆっくりと上半身を起こして辺りを見回しました。
 最初は自分がどこにいるのか、羽は全く分かりませんでした。頭を振って記憶を呼び覚まそうとしますが、もどかしいほど

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月の砂漠のかぐや姫 第27話

月の砂漠のかぐや姫 第27話

 見当をつけた方へ向かって砂漠を進む大伴ですが、こちらの方にもハブブの影響があったのでしょう、地形が全く見覚えのない様子に変容していました。二人が砂丘の影にでもいたら、気が付かずに通り過ぎてしまうかもしれません。
 大伴は一度駱駝の足を止めて、慎重に目を凝らして辺りの様子を窺いました。その時、ある異様なものに気が付いたのでした。

「なんだ、あれは。砂漠に壁、だと」

 それは、明らかに自然の法則

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