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トリガーを引け【ベイサイドホテル アジュール竹芝@浜松町駅】(2/2)

 僕は自分が晴れ男であると思っていたのだけれど、本日5月13日(木)の天気はあいにくの雨である。しかし、行くと決めたからには行かねばならない。僕は仕方なく傘をさして最寄駅まで歩き、そこから電車に揺られること約20分で浜松町駅に到着した。

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 時刻は15時半。浜松町駅は山手線の中では特に僕の生活と無縁な駅の一つで、土地勘もほとんど無い。といっても、地図に従って駅前の道をまっすぐ歩いていると、10分ほどで今回の目的地が現れた。

「想像してたより立派なビルだ……(笑)」

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 そう、今回訪れたのはベイサイドホテル アジュール竹芝だ。アジュール竹芝はビジネスユース向けのホテルなのだが、日帰り入浴にも対応しているのである。
 さっそく1階の入り口から建物の中に入ると、そこには誰もおらず、最初はどこに向かえば良いのか戸惑ったものの、奥に進んでみるとエレベーターの前に大浴場の案内が出ていた。どうやらそのまま浴場フロアまで上がれば良さそうだ。

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 エレベーターで18階に移動し、案内に従って奥に進むとようやく受付にたどり着いた。そこで日帰り入浴利用の旨を伝えて1,050円を支払うと「サウナはご利用されますか?」と質問をされ、不思議に思いながらも「はい」と答えると、タオルセットを2セット手渡された。なるほど、これはありがたい。
 なお、入浴料金は6月から1,450円に改定されるらしく、その直前のタイミングで伺うことができたのは運が良かったかもしれない。

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 アジュール竹芝の大浴場「天空の湯」は男女週替わり制になっていて、一方は海側で湾岸エリアを眺めることができ、もう一方は陸側で都心のビル群を眺めることができるようになっている。この日は男性が海側のようだ。

 受付を通過してさらに奥に進んだところには脱衣所があり、そこには他にもお客さんが数人いたけれど、特に気にならないほど広々としていて快適に身支度ができるようになっている。
 僕はさっそく準備を済ませて、いよいよ浴場の中に足を踏み入れた。

「お〜、想像してたよりも広い!」

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(じゃらん: https://www.jalan.net/yad317511/shisetu/

 浴場の中には大きなお風呂が1つと円形のジャグジーバスが1つ、そして水風呂が二カ所に分かれて設計されていた。
 それほど混雑もしておらず快適に過ごすことができそうで、なにより大きな窓越しに見える湾岸エリアの眺望が僕の気分を高揚させた。きっと晴れた日はさらに美しい眺めになるのだろう。

 僕はまず身を清めてから、メインのお風呂である「準天然 光明石温泉」に浸かってみた。

【準天然 光明石温泉とは】
光明石という天然鉱石に含まれるミネラル成分を溶出させた成分泉です。
10種類以上の水溶性ミネラル成分を豊富に含有しております。

ーーアジュール竹芝(http://www.hotel-azur.com/facility/bath/)

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(じゃらん: https://www.jalan.net/yad317511/shisetu/

 このお湯は人工の温泉で、なんとなくしっとりとした肌触りで気持ちがいいのだが、なぜか他のお客さんからはあまり興味を持たれないようだ。どこか寂しさを感じてしまったが、広々とした湯船を貸切で利用できるのはありがたい。
 しばらくお湯に浸かって体を温められたところで立ち上がり、僕はいよいよサウナ室へと向かったのだが、扉を開けようとしたところで足が止まってしまった。ちょうど中からお客さんが出てきて、ドアが開いた時に一瞬だけサウナ室の中を見ることができたのだが、座面にサウナマットが敷かれていなかったのだ。

「この時を待っていたんだ……」

 僕はいったん浴場を出てロッカーに戻り、リュックからあるものを取り出した。それは7ヶ月前に満天の湯で手に入れたサウナマットである。

 僕はマイサウナマットを片手に再び浴場に戻り、気を取り直してサウナ室に入った。

「ほぉ〜、良い雰囲気じゃないですか」

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※写真は陸側
(エアトリ: https://domhotel.airtrip.jp/hotel/detail/39202H254 )

 サウナ室の中にはベンチがコの字型に一段のみ設置されていて、物理的には6〜8人程度が座れるほどの広さがあったが、現在は感染対策のために5人までの入室制限がかけられている。照明は比較的明るい設定で、テレビは無い。
 僕はおろしたてのサウナマットをベンチに敷いて、初めてその上に座ってみた。適度なクッション性があり、機能としては必要十分でちょうど良い。

 ただ、蒸され始めてみると、あまり息苦しさを感じていないことに気付いた。むしろ他のサウナでは得ることのない居心地の良さがある。もしやと思い温度計を見ると、やはり79℃を指していた。明らかに他の店舗のドライサウナよりも低めの設定で、熱いというよりもじんわりと温かいのだ。
 この温度設定では物足りなさを感じる人もいるかもしれないが、僕はこのような「他の店舗と異なる特徴」が大好物である。
 せっかくなので僕はそのソフトな熱を全身でじっくりと受け止めることにしたのだが、普段は6〜7分ほどで息苦しさを感じてしまう僕でも、さすがに10分が経過してもまだ余裕がある。むしろ、心地良すぎて少しウトウトしてしまったほどだ。きっとこれがこのサウナの個性であり、魅力なのだろう。
 とはいえ、サウナ室の中にずっと滞在しているのも体に良くない気がして、12分ほど経過したところでいったん出ることにしたのだが、よく見ると全身からは汗がしっかりと出ていた。精神的な負担は少なかったものの、体はわかっていたのだ。もう十分に蒸されていたことを。
 そして、僕は水風呂へと直行して、汗を流してからそこに肩まで沈んだ。

「ほぉ〜、これも優しいのか」

 バイブラは無いものの、蛇口から常に冷水が注がれる仕様なので水流が生まれているのだが、水温は19℃とサウナ同様に控えめな設定になっているために時間をかけてゆっくりと体を落ち着かせることができるようになっている。
 また、水風呂は一人用のコンパクトサイズだったので、冷水を独占して堪能できるのはありがたい。

 深呼吸をしながら1分ほど冷水に浸かると身体の火照りもすっかりと鎮められ、そのまますぐにジャグジーバスを囲っているベンチに腰をかけ、ぼーっと窓の外の景色を眺めていると、頭の中をさまざまな思考が駆け巡った。

ーー僕のメンタルをオフにするトリガーがサウナであることは間違いない。ただ、どうも最近は調子がおかしかった。その理由がわかった気がする。

 先日、三度目の緊急事態宣言が出されてから、東京都内の銭湯はサウナの営業を休止するようになった。それによって、僕はサウナを目的にして近所の銭湯に気軽に通えなくなったのだ。その結果として、サウナ自体の利用頻度も半減してしまっていた。

ーー僕にとって、サウナは生活の一部に組み込まれ、知らず知らずのうちに心の拠り所になっていたのか……。

 同僚が仕事の疲れをカラオケでリフレッシュさせていたように、僕は僕でサウナが心の避難所になっていたのかもしれない。そうなった今の僕にできることは、無理矢理にでも今までのルーティンを取り戻すことだ。
 まずは週に2回サウナに通うところから始めよう。「行きたくなったら行く」「行ける時に行く」ではなく、最初からスケジュールにサウナの予定を組み込むのだ。

「よし、次はこの日にサウナに行こう」

 自分の中で納得感のある結論を出すことができた時、窓から見える雲が少し薄くなった気がした。

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(written by ナオト:@bocci_naoto)

YouTube「ボッチトーキョー」
https://www.youtube.com/channel/UCOXI5aYTX7BiSlTt3Z9Y0aQ


①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます